安全性や快適性に貢献するメタルトップを採用した新型Z4
新型Z4は電動開閉式のメタルトップを採用したこともあり、オープンでもルーフを閉じてもスタイリッシュなエクステリアデザインを手に入れている。
BMW Z4はBMWが作るコンパクトな2人乗りのスポーツカーで、これまでのモデルは幌タイプのオープンカーのほか、クローズドボディのクーペの設定があった。日本では2009年4月に発売されたZ4として2代目の最新モデルは電動開閉式のメタルトップを備え、1台でオープンカーとクーペの機能を兼ね備えるモデルになった。
欧米の自動車メーカーはほとんどがオープンカーをラインナップしているが、最近では幌タイプのモデルはどんどん減少する傾向にあり、メタルトップに移行するクルマが多い。やはり屋根を閉じたときの静粛性や快適性を考えるとメタルトップのほうが有利になるからだ。また幌タイプのソフトトップに比べると窓の面積を大きくすることができ、安全性が高まることにもつながる。
欧米の自動車メーカーはほとんどがオープンカーをラインナップしているが、最近では幌タイプのモデルはどんどん減少する傾向にあり、メタルトップに移行するクルマが多い。やはり屋根を閉じたときの静粛性や快適性を考えるとメタルトップのほうが有利になるからだ。また幌タイプのソフトトップに比べると窓の面積を大きくすることができ、安全性が高まることにもつながる。
ロングノーズのフォルムはいかにもスポーツカーらしいもの。前後のフェンダーなどのラインも立体的で躍動感にあふれるデザインだ。
BMWらしい躍動感あふれるエクステリアはルーフを閉じてもスタイリッシュが高評価
外観デザインはいかにもBMWらいしもの。フロントのキドニーグリルはもちろん、ヘッドライトの上部に眉毛のような形でデザインされたボジショニングランプなどが最近のBMWの特徴的な部分。ボディサイドには緩やかな波形を描くキャラクターラインが強調されていて、真横から見ると強い躍動感が表現されている。
メタルトップになったことで、ルーフを閉じた状態でもスタイリッシュになったのも良いところ。ソフトトップだとどうしても閉じたときの状態がもうひとつという印象になりやすいが、閉じてもカッコ良いデザインに仕上げられていると評価しよう。
メタルトップになったことで、ルーフを閉じた状態でもスタイリッシュになったのも良いところ。ソフトトップだとどうしても閉じたときの状態がもうひとつという印象になりやすいが、閉じてもカッコ良いデザインに仕上げられていると評価しよう。
BMWのアイデンティティであるキドニーグリルは、とても大きく存在感は抜群。ボンネットのキャラクターラインも非常に美しい。
眉毛のようなデザインのポジションランプが印象的だ。これは最近のBMW車に共通するデザインだ。
リヤコンビランプはシンプルなデザインながら、立体的な形状をしている。ウインカーは横長のLED式を採用した。
ルーフの開閉はボタン操作ひとつで自動的に行なわれる。開閉にかかる時間は約20秒という速さ。
ドライバー優先の包まれ感あるインテリアと評価
運転席へは自然な姿勢で乗り降りできる。開閉式のメタルトップを採用したクルマの中にはAピラーの傾向を強めることで、乗り降りのときにAピラーの先端が邪魔になる例もあるが、Z4のAピラーは乗降時にそれほど邪魔になるという感じではない。許容できるというか、問題のない範囲である。
運転席に乗り込むと、そこはまさにBMW車のコクピットだ。ややタイトな包まれ感のある運転席に座ると、さあドライブしようという気持ちになる。BMWはこの演出がうまいのだ。ほかのクルマ、たとえばメルセデス・ベンツとの考え方の違いがこのあたりに最も良く表れていると評価していい。
それを端的に示すのがドライバーオリエンテッドのデザインを採用したインストセンター部分。わずかに運転席側に傾けてデザインすることで、ドライバー優先のインテリアに仕上げている。これはBMW車に共通するデザイン思想だ。
運転席に乗り込むと、そこはまさにBMW車のコクピットだ。ややタイトな包まれ感のある運転席に座ると、さあドライブしようという気持ちになる。BMWはこの演出がうまいのだ。ほかのクルマ、たとえばメルセデス・ベンツとの考え方の違いがこのあたりに最も良く表れていると評価していい。
それを端的に示すのがドライバーオリエンテッドのデザインを採用したインストセンター部分。わずかに運転席側に傾けてデザインすることで、ドライバー優先のインテリアに仕上げている。これはBMW車に共通するデザイン思想だ。
ドライバーを優先したデザインのインテリア。適度なタイト感があり、クルマの運転を楽しめる演出がなされている。
内外装同様、メーターもBMWらしいデザインテイストでまとめられている。スポーツ走行時でも見やすいのが特徴だ。
インストセンター部分は、わずかにドライバー側に傾けられている。HDDナビは日本市場専用に開発されたもので、使い勝手も良好だ。
上質で高級感あふれる装備と最新の安全デバイスが満載
ナビやオーディオなどの操作は、もはやBMW車ではお馴染みのiDriveを採用。パーキングブレーキは電動式となった。
試乗車はsDrive35iだったので、カンザス・レザー・インテリアが標準。シートやアームレストなどが本革製になっているほか、シート表面の温度上昇を抑える加工が施されている。本革シートやオプションのウッドトリムにるクォリティの高さも相当なものだ。
快適装備は日本市場向けに専用開発されたHDDナビゲーションやオーディオビジュアルシステムなどが標準。sDrive35iにはブレーキ機能付きクルーズコントロールも標準となる。横滑り防止装置など、最新の安全装備を満載しているのも言うまでもない。
快適装備は日本市場向けに専用開発されたHDDナビゲーションやオーディオビジュアルシステムなどが標準。sDrive35iにはブレーキ機能付きクルーズコントロールも標準となる。横滑り防止装置など、最新の安全装備を満載しているのも言うまでもない。
上級グレードのsDrive35i(写真)にはカンザス・レザー・インテリアが標準装備。シート表面の温度上昇を抑える加工が施された優れもの。横方向のサポートもしっかりしており、スポーツドライブを楽しめる。
ルーフを開けた状態ではルーフの収納スペースのため、カバーの下部分のわずかなスペースにしか荷物を入れることができない。
ルーフを閉めればある程度大きな荷物も入れられるので、実用上困るほどではないだろう。
BMW伝統のパワフルな直列6気筒エンジンを搭載!
sDrive35iの搭載エンジンは直列6気筒3リッターの直噴エンジンにパラレルツインターボを装着したもの。3シリーズのクーペに搭載されて以来、現在では1シリーズや7シリーズにも搭載されているBMWの主力エンジンだ。ほかにsDrive23iには自然吸気の直列6気筒2.5リッターエンジンが搭載されている。いずにれしても今ではまともに乗用車用の直列6気筒エンジンを作っているのはBMWだけになった。
試乗したのは sDrive35iのほうで、このエンジンの気持ち良さは過去にほかのクルマでも体験した通りのもの。ターボラグなどは全く感じさせずにアクセルワークに対して素直な加速フィールを感じさせるし、そのときのトルク感、パワーの盛り上がりとも正に一級品という印象を与える、まさに高評価なのだ。
わずか1300回転で最大トルクを発生するので、発進するとすぐに40.8kg-m(400N・m)の最大トルクかそれに近い領域でクルマを走らせていることになる。発進からアクセルを踏み込んでいけば、レッドゾーンの少し手前の6800回転あたりまできっちりと吹き上がってシフトアップしていく。
試乗したのは sDrive35iのほうで、このエンジンの気持ち良さは過去にほかのクルマでも体験した通りのもの。ターボラグなどは全く感じさせずにアクセルワークに対して素直な加速フィールを感じさせるし、そのときのトルク感、パワーの盛り上がりとも正に一級品という印象を与える、まさに高評価なのだ。
わずか1300回転で最大トルクを発生するので、発進するとすぐに40.8kg-m(400N・m)の最大トルクかそれに近い領域でクルマを走らせていることになる。発進からアクセルを踏み込んでいけば、レッドゾーンの少し手前の6800回転あたりまできっちりと吹き上がってシフトアップしていく。
優れたハンドリングとしなやかで快適な乗り心地を味わえる
7速DCTも6速ATもマニュアルモードを備えている。シフトチェンジはシフトレバーだけではなく、ステアリングのパドルでも操作することができる。
このシフトアップは新しく開発された7速のDCT(ダブルクラッチトランスミッション)によって自動的に行なわれるが、このフィールがなかなか気持ち良い。BMWのほかフォルクスワーゲンやアウディ、ポルシェなど、ヨーロッパメーカー各社はDCT(メーカーによってDSG、Sトロニックなど呼び方はさまざま)の採用を拡大しているが、この7速DCTはそうした中でも特にデキが良い。とても小さな変速ショックで滑らかに変速していくからだ。
シフトレバーの操作やあるいはステアリングホイールに設けられたパドルによって操作することも可能で、マニュアル操作したときの反応の良さも文句のなレベルと評価しよう。
試乗車にはオプションのアダプティブMサスペンションが装着されていて、とてもしっかりした乗り味を実現していた。このフォトワークの軽快さもBMWならではといった印象である。
驚いたのは前後で異なるサイズが装着されたタイヤがポテンザのランフラットであったこと。改めて確認するまでランフラットタイヤであることに気付かないくらいに乗り心地が良くなっていた。初期のランフラットにあったゴツゴツ感が解消されていて、快適な走りが楽しめた。
シフトレバーの操作やあるいはステアリングホイールに設けられたパドルによって操作することも可能で、マニュアル操作したときの反応の良さも文句のなレベルと評価しよう。
試乗車にはオプションのアダプティブMサスペンションが装着されていて、とてもしっかりした乗り味を実現していた。このフォトワークの軽快さもBMWならではといった印象である。
驚いたのは前後で異なるサイズが装着されたタイヤがポテンザのランフラットであったこと。改めて確認するまでランフラットタイヤであることに気付かないくらいに乗り心地が良くなっていた。初期のランフラットにあったゴツゴツ感が解消されていて、快適な走りが楽しめた。
sDrive35i(写真上)は3リッターツインターボ、sDrive23iは2.5リッターのNAエンジンを搭載している。2.5リッターでもパワーやフィーリングに大きな不満はないが、3リッターツインターボのパワー感は圧倒的だ。
ミッションは3リッターツインターボ(写真上)が7速DCT、2.5リッター車は通常の6速ATが組み合わされる。6速ATも滑らかで満足のいく走りが楽しめるが、やはりおすすめは7速DCTだ。変速時間や変速フィールがとても良く、スポーツドライビングを思う存分楽しめる
2.5リッター(写真上)は17インチ、3リッターは18インチのタイヤ&アルミホイールを履く。18インチ仕様でも乗り心地は驚くほど快適で、とてもこのサイズのランフラットタイヤを装着しているとは思えないほど。もちろんハンドリングもリニアで、楽しめるセッティングだ。
代表グレード | BMW Z4 sDrive35i |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4250×1790×1290mm |
車両重量[kg] | 1600kg |
総排気量[cc] | 2979cc(ツインターボ) |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 306ps(225kw)/5800rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 40.8kg-m(400N・ m)/1300〜5000rpm |
ミッション | 7速DCT |
10・15モード燃焼[km/l] | 9.7km/l |
定員[人] | 2人 |
税込価格[万円] | 695.0万円 |
発売日 | 2009/5/16 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 和田清志 |
(レポート:松下 宏)
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