ひと回り大きく親しみやすい印象となった6代目
BMW5シリーズとして6代目のモデルが7年振りのフルモデルチェンジで登場した。アッパーミドルというか高級サルーンとしての基本的な性格は変えることなく、パワートレーンの更新や新機構・新装備の採用などによって魅力アップを図っていると評価していい。
特にパワートレーンについては、BMWのエフィシェント・ダイナミクスのコンセプトに基づいて開発された新エンジンや新トランスミッションを搭載することで、燃費性能を大幅に向上させるとともにエコカー減税&補助金の対象車をラインナップしている。
今回の5シリーズは7シリーズ系のプラットホームを採用するなどした結果、ボディサイズがひと回り大きくなった。直立したキドニーグリルを始め、ロングノーズとショートオーバーハングの外観デザインは、見るからにBMWであり5シリーズのものだ。
従来の5シリーズがデビューした当初はかなり違和感を感じさせるアクの強いデザインだったのに比べると、今回のモデルは格段に親しみやすい印象がある。
また大きく堂々とした感じのクルマになったことで、7シリーズとの違いが小さくなったように感じられる。これは、5シリーズにとっては良いことかも知れないが、7シリーズにとっては必ずしも良いことではないかも知れない。
ボディサイドのキャラクターラインなどは、クルマに近づいてみるとかなりメリハリの効いたものであることが分かる。彫刻的なデザインであるのが分かる。
L字型のテールランプはBMW、中でも5シリーズの伝統のようになっているが、今回のモデルでもそれが受け継がれるとともに、ランプそのものはLED化するなどの改良が加えられている。
特にパワートレーンについては、BMWのエフィシェント・ダイナミクスのコンセプトに基づいて開発された新エンジンや新トランスミッションを搭載することで、燃費性能を大幅に向上させるとともにエコカー減税&補助金の対象車をラインナップしている。
今回の5シリーズは7シリーズ系のプラットホームを採用するなどした結果、ボディサイズがひと回り大きくなった。直立したキドニーグリルを始め、ロングノーズとショートオーバーハングの外観デザインは、見るからにBMWであり5シリーズのものだ。
従来の5シリーズがデビューした当初はかなり違和感を感じさせるアクの強いデザインだったのに比べると、今回のモデルは格段に親しみやすい印象がある。
また大きく堂々とした感じのクルマになったことで、7シリーズとの違いが小さくなったように感じられる。これは、5シリーズにとっては良いことかも知れないが、7シリーズにとっては必ずしも良いことではないかも知れない。
ボディサイドのキャラクターラインなどは、クルマに近づいてみるとかなりメリハリの効いたものであることが分かる。彫刻的なデザインであるのが分かる。
L字型のテールランプはBMW、中でも5シリーズの伝統のようになっているが、今回のモデルでもそれが受け継がれるとともに、ランプそのものはLED化するなどの改良が加えられている。
ボディサイズが大きくなったこともあり、かなり存在感が高まった。躍動的なボディラインが、走りの良さをも感じさせてくれる。
横方向への広がりも表現したインテリア
運転席に乗り込むと、これぞBMWといった感じの空間が広がっている。インストセンターの部分をややドライバー側に傾けたドライバー・オリエンテッドのデザイン処理が、BMWらしさを端的に表現した部分。ただ、傾きを強めてタイト感を強調するのではなく、横方向への広がりも表現されている。
それでも運転席に座っただけで、走りを楽しもうという気分にさせるのは、BMWならではといった部分。ラグジュアリーな5シリーズであっても、そうした気分にさせるのだ。
シフトレバーは電気式のものがセンターコンソールに用意される。このレバーを使ってのマニュアル操作が可能なほか、オプションのマルチファンクションのスポーツステアリングを選ぶと、パドルシフトも装備される。
オーディオやカーナビなどをiDriveのダイヤル式コントローラーで操作するのは今回のモデルでも変わらない。ただ、コントローラーの周囲には機能を選択するボタンが設けられ、ショートカットでメニューに入ることができるものとしている。これは最近のほかのBMW車と共通の仕様だ。
本革シートや木目パネルなど、自然素材を使った室内空間のクォリティの高さは相変わらず。異なる素材の合わせ目の部分など、作り込みはより入念になっている。
室内の広さはボディサイズの拡大などもあってさらに広くなった。後席にもゆったり座れる空間が確保されていて、いかにも高級セダンらしい雰囲気だと評価していい。
装備の充実度も高い。安全装備は各グレードに共通で、横滑り防止装置なども含めた最新の仕様が用意されているし、快適装備も高級車にふさわしい充実したものとされ、HDDナビゲーションも全車に標準となる。
それでも運転席に座っただけで、走りを楽しもうという気分にさせるのは、BMWならではといった部分。ラグジュアリーな5シリーズであっても、そうした気分にさせるのだ。
シフトレバーは電気式のものがセンターコンソールに用意される。このレバーを使ってのマニュアル操作が可能なほか、オプションのマルチファンクションのスポーツステアリングを選ぶと、パドルシフトも装備される。
オーディオやカーナビなどをiDriveのダイヤル式コントローラーで操作するのは今回のモデルでも変わらない。ただ、コントローラーの周囲には機能を選択するボタンが設けられ、ショートカットでメニューに入ることができるものとしている。これは最近のほかのBMW車と共通の仕様だ。
本革シートや木目パネルなど、自然素材を使った室内空間のクォリティの高さは相変わらず。異なる素材の合わせ目の部分など、作り込みはより入念になっている。
室内の広さはボディサイズの拡大などもあってさらに広くなった。後席にもゆったり座れる空間が確保されていて、いかにも高級セダンらしい雰囲気だと評価していい。
装備の充実度も高い。安全装備は各グレードに共通で、横滑り防止装置なども含めた最新の仕様が用意されているし、快適装備も高級車にふさわしい充実したものとされ、HDDナビゲーションも全車に標準となる。
室内はゆったりとしており、リヤシートは足元のスペースはもちろん、頭上の空間や左右にも十分な余裕が感じられる。ミッションは滑らかな変速が印象的な8速ATを採用する。ラゲッジも十分な容量があるので、大きな荷物も余裕で積み込める。
BMWらしさがいっぱいの5シリーズ
搭載エンジンは3機種で、528iには直列6気筒3リッターの自然吸気仕様が、535iには同じくツインスクロールターボ仕様が、550iにはV型8気筒4.4リッターのツインスクロールターボ仕様が搭載されている。
試乗したのは535iと550i。いずれも強力なエンジンを搭載しており、極めて元気の良い走りを見せた。535i用のエンジンは335iなどすでにいくつものモデルに搭載されているもので、バルブトロニックを採用した直噴エンジンにツインターボを装着して306ps(225kW)/40.8kg-m(400N・m)という余裕ある動力性能を発揮する。
最大トルクを発生する回転数がわずか1200回転からという設定なので、低速域からとても力強い走りが楽しめる。しかも吹き上がりの滑らかさは正に直列6気筒エンジンのもので、気持ち良く吹き上がると同時にパワーも盛り上がっていく。このエンジンは本当に良いエンジンだと思う。
550i用のV8エンジンも407ps(300kW)パワーと61.2kg-m(600N・m)のトルクを発生する。こちらもわずか1700回転で最大トルクに達するので、極めてフレキシブルな実力を発揮する。
電子制御の8速ATの変速フィールは滑らかそのものだ。というか、普通に走らせているといつ変速して何速に入っているのか分からない感じである。街乗りなどでは車速が低くて8速ギアまで入らないが、高速クルージングでは静粛性と燃費に貢献するのは間違いない。
今回の5シリーズに乗って感じたのは乗り心地の良さだ。535iにはオプションの35/40タイヤ、550iには45タイヤが装着されていて、しかもそれがランフラットタイヤだったのだが、妙な硬さを感じさせることのない快適な乗り心地を実現していた。ランフラットタイヤが登場した当初は乗り心地の硬さばかりが気になったが、タイヤと足回りの進化で乗り心地に対する不満は解消されている。
後輪も操舵するようになったアクティブステアのフィールも好感が持てた。これも旧型モデルで採用された直後は違和感の塊のような操舵フィールだったが、今回の5シリーズで極めて自然なフィールに仕上げられていたからだ。このアクティブステアは、大柄なボディにもかかわらず5.5mの最小回転半径とすることにつながっている。
操舵フィールのほか、フットワークの軽快さなども含めてBMWらしさをいっぱいに備えているのが新しい5シリーズだった。
3リッターの自然吸気エンジンの搭載車に試乗できなかったのはちょっと残念。というのはエコカー減税に適合するのがこの528iで、売れ行きの大半というか半分以上がこのグレードに集中すると思われるからだ。スペックだけを記しておけば、258ps(190kW)/31.6kg-m(310N・m)のパワー&トルク。ターボ仕様に比べると20%ほどの実力差があるが、数値的にはこれで十分といった感じと評価したい。
試乗したのは535iと550i。いずれも強力なエンジンを搭載しており、極めて元気の良い走りを見せた。535i用のエンジンは335iなどすでにいくつものモデルに搭載されているもので、バルブトロニックを採用した直噴エンジンにツインターボを装着して306ps(225kW)/40.8kg-m(400N・m)という余裕ある動力性能を発揮する。
最大トルクを発生する回転数がわずか1200回転からという設定なので、低速域からとても力強い走りが楽しめる。しかも吹き上がりの滑らかさは正に直列6気筒エンジンのもので、気持ち良く吹き上がると同時にパワーも盛り上がっていく。このエンジンは本当に良いエンジンだと思う。
550i用のV8エンジンも407ps(300kW)パワーと61.2kg-m(600N・m)のトルクを発生する。こちらもわずか1700回転で最大トルクに達するので、極めてフレキシブルな実力を発揮する。
電子制御の8速ATの変速フィールは滑らかそのものだ。というか、普通に走らせているといつ変速して何速に入っているのか分からない感じである。街乗りなどでは車速が低くて8速ギアまで入らないが、高速クルージングでは静粛性と燃費に貢献するのは間違いない。
今回の5シリーズに乗って感じたのは乗り心地の良さだ。535iにはオプションの35/40タイヤ、550iには45タイヤが装着されていて、しかもそれがランフラットタイヤだったのだが、妙な硬さを感じさせることのない快適な乗り心地を実現していた。ランフラットタイヤが登場した当初は乗り心地の硬さばかりが気になったが、タイヤと足回りの進化で乗り心地に対する不満は解消されている。
後輪も操舵するようになったアクティブステアのフィールも好感が持てた。これも旧型モデルで採用された直後は違和感の塊のような操舵フィールだったが、今回の5シリーズで極めて自然なフィールに仕上げられていたからだ。このアクティブステアは、大柄なボディにもかかわらず5.5mの最小回転半径とすることにつながっている。
操舵フィールのほか、フットワークの軽快さなども含めてBMWらしさをいっぱいに備えているのが新しい5シリーズだった。
3リッターの自然吸気エンジンの搭載車に試乗できなかったのはちょっと残念。というのはエコカー減税に適合するのがこの528iで、売れ行きの大半というか半分以上がこのグレードに集中すると思われるからだ。スペックだけを記しておけば、258ps(190kW)/31.6kg-m(310N・m)のパワー&トルク。ターボ仕様に比べると20%ほどの実力差があるが、数値的にはこれで十分といった感じと評価したい。
代表グレード | BMW 5シリーズ 550i |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4910×1860×1475mm |
車両重量[kg] | 1960kg |
総排気量[cc] | 4394cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 407ps(300kw)/5500rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 61.2kg-m(600N・m)/1750-4500rpm |
ミッション | 8速AT |
10・15モード燃費[km/l] | -- |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 1040.0万円 |
発売日 | 2010/3/25 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 近藤暁史 |
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(レポート:松下 宏)
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