大きめの5人乗りのMPVがC4ピカソ。7人乗りはグランドC4ピカソとなった!
シトロエンC4ピカソ の3代目モデルがデビューした。といっても、今回のC4ピカソは従来のC4ピカソとは違うモデルだ。これまでのピカソの系譜を受け継ぐ3列シートの7人乗り仕様のクルマは、グランドC4ピカソになり、それとは別に新しく2列シートで5人乗りのハッチバック 車を追加し、これをC4ピカソと呼ぶようになったからだ。
新型シトロエンC4ピカソは、フルモデルチェンジを受けた新型プジョー308と同じ新開発のプラットホームを採用する。EMP2と呼ばれるこのプラットホームは、フレキシビリティに富んでいて、ホイールベースの異なるグランドC4ピカソとC4ピカソを容易にラインナップできた。
グランドC4ピカソとC4ピカソでは、ボディサイズの違いから、外観デザインにもいろいろな違いが設けられている。フロントグリルやテールランプなども異なるデザインが採用されて、差別化を図っている。C4ピカソではボディサイドに、前後のガラスウインドーを囲むようにして“C”をモチーフにしたメッキモールが採用されているのが際立つ感じだ。
インテリアは、シトロエンらしい斬新な印象のデザインが採用され、センターに配置された液晶製のメーターパネルは表示方法を切り替えることも可能。ただ、この切り替えは操作がかなり面倒である上に、操作が終わってから切り替わるまでにけっこう時間がかかるのが難点だ。シトロエンとして初めてフルデジタルのインターフェイスを採用したことを評価しておこう。
新型C4ピカソは、グランドC4ピカソに比べるとやや短いが、それでも相当に長い2785mmのホイールベースが採用されている。日本車ではこれほど長いホイールベースを持つハッチバック車はなく、上級セダン のトヨタカムリ を上回る長さである。当然ながら、室内には5人がゆったり座れる空間が作られている。
ゆったりとした絶妙な乗り味は、さすがシトロエン! 安全装備には、さらなる進化を望む!
新型C4ピカソの搭載エンジンは、新開発された直列4気筒1600ccの直噴ターボ仕様で121kW/240N・mの動力性能を発生し、新世代の電子制御6速ATと組み合わされている。C4ピカソの車両重量は、1480kgとハッチバック車としてはやや重いが、これだけの動力性能があれば走りに不満は生じない。
組み合わされる電子制御6速ATも滑らかな変速フィールを示し、快適な走りが楽しめる。シフトレバーはコラムから出ているタイプで、とパドルシフトが備えられている。
パドルを操作し、積極的にギアを選んで走ることも可能だが、どうもそうした走り方はC4ピカソには似合わないように思う。シトロエンというクルマの中でも、とりわけC4ピカソは、ゆったりと走らせるのが似合うクルマである。パドルは、軽いエンジンブレーキが必要なときなどに使えば良い。
新型C4ピカソは、極めて快適な乗り心地を誇り、シトロエンならではのものだった。C4ピカソのサスペンションは伝統の油圧式ではないが、ゆったりとした感じの乗り心地はシトロエンならではだと思う。ほかのクルマでは得られないもので、同じグループのプジョーとも異なる独特の味わいを感じさせる。
新型C4ピカソは、上級の仕様を備えたエクスクルーシブのみの単一グレード設定で、360度ビジョン、パークアシスト、アクティブクルーズコントロール、ディスタンスアラート、レーンデパーチャーウォーニングなどの運転支援装備も標準で用意されている。
シトロエンもこの分野で追いついてきたなと思わせる部分があるのだが、クルーズコントロールや追突軽減ブレーキが停止まで制御しないなど、仕様の中身にはやや物足りないところが残る。さらに充実した装備に進化させて欲しいと思う。
シトロエンC4ピカソ価格、燃費、スペックなど
■シトロエン C4ピカソ価格
・エクスクルーシブ 3,641,000円
代表グレード | シトロエン C4ピカソ エクスクルーシブ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,430×1,825×1,630mm |
ホイールベース[mm] | 2,780mm |
トレッド前/後[mm] | 1,580/1,590mm |
車両重量[kg] | 1,480kg |
総排気量[cc] | 1,598cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 121(165)/6,000 |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 240/1,400-3,500 |
ミッション | 6速AT |
タイヤサイズ | 205/60 R16 |
定員[人] | 5人 |
燃費(JC08モード) | 15.1㎞/L申請中 |
価格 | 3,641,000円 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 編集部 |
【関連記事】
- シトロエンC4ピカソ/グランドC4ピカソ新車情報・購入ガイド 2つの個性で、日本のミニバンマーケットに参戦!?
- 先代シトロエンC4ピカソ試乗評価
- シトロエンC4新車情報・試乗評価一覧
- シトロエン新車情報・試乗評価一覧
- フランス車新車情報・試乗評価一覧
- ミニバン新車情報・試乗評価一覧
- プジョー5008新車情報・試乗評価一覧
- シトロエン グランドC4ピカソ試乗記・評価 国産ミニバンでは味わえない、ゆったりとした極上フットワークと優れたデザイン
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- 日産セレナ VS トヨタ ヴォクシー/ノア、失敗・後悔しないための徹底比較評価【対決】
- ホンダ ステップワゴンスパーダ VS 日産セレナ 徹底比較・評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- 日産セレナe-POWER新旧比較 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- トヨタ シエンタvsホンダ フリードを徹底比較・評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- トヨタ シエンタ新旧比較 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- 中古ファミリーカーおすすめ5選! 「スライドドア車だけじゃない選び方」【生活・文化】
- ホンダ ステップワゴンスパーダ失敗・後悔しないための新旧比較【対決】
- ホンダ ステップワゴン vs トヨタ ヴォクシー&ノア徹底比較評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- フォルクスワーゲン ポロ 対 ルノー ルーテシア徹底比較評価【対決】
- 後悔、不要だった?ミニバンを買ってはいけない場合を解説【生活・文化】
【オススメ記事】
- スズキ ワゴンRスマイル新車情報・購入ガイド 最新予防安全装備にアップデートされ、クラストップレベルの実力へ!【スズキ】
- マツダCX-60新車情報・購入ガイド 乗り心地・静粛性を向上し、特別仕様車「XDハイブリッド トレッカー」を新設定【マツダ】
- ホンダN-BOX新旧比較 公開・失敗しないためのクルマ選び【対決】
- 速報!2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー「ホンダ フリード」に決定!!【イベント】
- トヨタRAV4(50系)新車情報・購入ガイド 新型RAV4デビュー直前? 最後の改良か?【トヨタ】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベストカー取材会開催!【イベント】
- 【動画】トヨタ アルファード (40系)後悔・失敗しないための内外装レビュー【トヨタ】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!