シトロエン グランドC4ピカソ試乗記・評価 国産ミニバンでは味わえない、ゆったりとした極上フットワークと優れたデザイン

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【シトロエン】2015/03/28

 

美しさで差別化! 国産ミニバンとは、まったく趣向の違うデザイン

シトロエン グランドC4ピカソ

シトロエンC4ピカソ が3代目になり、名前をグランドC4ピカソに改めて登場した。今回の3代目では、これまでのピカソの系譜を受け継ぐ3列シートの7人乗り仕様がグランドC4ピカソになり、それとは別に新しく2列シートで5人乗りのハッチバック 車が設定されてC4ピカソと呼ばれるようになった。

新型シトロエン グランドC4ピカソは、グループ会社であるプジョー の新型308と同じ新開発のプラットホームを採用する。EMP2と呼ばれるこのプラットホームは、フレキシビリティが高く、同じプラットホームをベースにホイールベースの長さが大きく異なるグランドC4ピカソとC4ピカソの2車種を設定できたのだ。

グランドC4ピカソもC4ピカソと同じようにサイドウインドーを取り巻くようにして、ルーフからDピラーにかけて“C”をモチーフにしたデザイン処理がなされている。テールランプはグランドC4ピカソとC4ピカソで異なるデザインとされ、ほかにも随所にデザイン上の違いが設けられている。国産のミニバン とは、まったく方向性の違う美しいデザインをもつ。シトロエンのデザイン力はさすがだ。

逆に、インパネ回りのデザインは基本的に共通。メーターは、センター部分に大きな全面液晶タイプのものが採用されている。斬新な印象のインパネデザインである。このメーターパネルは、表示方法を3種類に切り替えることも可能とされているのだが、その切り替え操作はけっこう面倒な上に操作が終わってから切り替えが実行されるまで、かなり時間がかかる。これは、ちょっと問題である。

シトロエン グランドC4ピカソ
シトロエン グランドC4ピカソ
シトロエン グランドC4ピカソ
シトロエン グランドC4ピカソ

 

シッカリ7人乗車できるパーソナルなシートをもつグランドC4ピカソ

シトロエン グランドC4ピカソ

 シトロエン グランドC4ピカソのシートは、全席が独立したシートとされている。前席はゆったりしたサイズの座り心地の良いシートを設定。後ろの2列目、3列目のシートは、ごく簡単な操作で収納できる。乗員と荷物によって、シートアレンジを変更する機会が多い人には大歓迎だろう。

グランドC4ピカソは、従来のモデルに比べてホイールベースが110mm延長され、2840mmという相当に長いホイールベースを持つようになった。これが豊かな居住性につながっていて、3列目シートに大人が座れる空間が十分に確保されている。3列目シート格納時には645L。3列目シートを倒せば最大で2181Lの容量を持つ大きなラゲッジスペースが生まれる。

シトロエン グランドC4ピカソ
シトロエン グランドC4ピカソ
シトロエン グランドC4ピカソ

 

ガンガン走れるものの、ゆったり&のんびり乗るほど染み出る独特の味が、シトロエン流のフットワーク

シトロエン グランドC4ピカソ

 搭載エンジンは、新開発された直列4気筒1600ccの直噴ターボ仕様で、121kWps/240N・mの動力性能を発生する。低速域から十分なトルクを発生するとともに、新世代の電子制御6速ATと組み合わされたことで、滑らかな走りを実現する。グランドC4ピカソの車両重量は1500kgを超えるが、重さを感じさせないような走りが可能だ。

従来のC4ピカソは、シングルクラッチのEGSを採用していた。そのため、変速時にトルク抜けの症状が出て、走りには少なからず違和感があった。今回は6速ATに変わったことで、とてもスムーズな変速フィールとなり誰にでも扱いやすいミッションとなっている。

グランドC4ピカソには、パドルシフトも装備されている。ただ、パドルを使った積極的な走りはグランドC4ピカソのキャラクターには全く似合わない。クルージング中に、エンジンブレーキが必要になったときに使うくらいで良いだろう。

グランドC4ピカソの乗り心地が、シトロエンならではの快適性に優れたもの。伝統の油圧式のサスペンションではないが、ゆったりとした乗り心地はほかのクルマでは得られないものだ。グランドC4ピカソは、ホイールベースが長いので、C4ピカソに比べてもさらに快適な乗り心地が味わえる。

シトロエン グランドC4ピカソ試乗記・評価 国産ミニバンで...
シトロエン グランドC4ピカソ
シトロエン グランドC4ピカソ

 

 

 

安全装備の性能には物足りなさを感じるが、まず装着されたことを評価したい

シトロエン グランドC4ピカソ

 グランドC4ピカソには、360度ビジョン、パークアシスト、アクティブクルーズコントロール、ディスタンスアラート、レーンデパーチャーウォーニングなどの運転支援装備がグレードによって設定されるようになった。

やや遅れ馳せながらの設定だが、仕様の中身にはまだ物足りない点が残る。取り敢えず採用されたことは評価できるが、今後のバージョンアップに期待しておきたい。

シトロエン グランドC4ピカソのグレードは2つ。エントリグレードのセダンクションと上級グレードのエクスクルーシブで、価格差は約30万円となっている。多少、性能面では物足りないものがあるが、安全装備を重視するなら上級グレードのエクスクルーシブになる。アルミホイールもエクスクルーシブになると17インチが装着されている。

シトロエン グランドC4ピカソ
シトロエン グランドC4ピカソ
シトロエン グランドC4ピカソ

 

 

シトロエン グランドC4ピカソ価格、燃費、スペックなど

シトロエン グランドC4ピカソ

■シトロエン グランドC4ピカソ価格
・GRAND C4 PICASSO セダクション  3,539,000円
・GRAND C4 PICASSO エクスクルーシブ 3,856,000円

代表グレード シトロエン C4ピカソ エクスクルーシブ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,600×1,825×1,670mm
ホイールベース[mm] 2,840mm
トレッド前/後[mm] 1,575/1,585mm
車両重量[kg] 1,550kg
総排気量[cc] 1,598cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 121(165)/6,000
エンジン最大トルク[N・m/rpm] 240/1,400-3,500
ミッション 6速AT
タイヤサイズ 205/55 R17
定員[人] 7人
燃費(JC08モード) 14.6㎞/L
価格 3,856,000円
レポート 松下 宏
写真 編集部

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