ダイハツ コペン試乗記・評価 爽快な走りの足かせとなる軽自動車の馬力自主規制

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【ダイハツ】2015/01/04

 

■新ボディ骨格Dフレームで、スポーツカーらしい高い走行性能を手に入れたダイハツ コペンの評価は?

ダイハツ コペン ローブ(Robe)

ダイハツコペン は、軽自動車 唯一のオープンスポーツとして長く生産されてきた。だが、2012年にいったん生産が中止されていた。そのコペンが新プラットホームを採用するなど、全く新しいクルマとして復活してきた。最初は正統派のオープンスポーツであるローブを発売した後、SUV テイストをプラスしたエクスプレイを追加発売し、さらによりスポーティなローブSを設定するなど、着々と商品力を高めている。

新型コペンは、クルマ作りの基本は変えていない。軽自動車規格に収め、FFの駆動方式を採用し、DOHCターボのエンジンを搭載し、オープンボディ&電動開閉式のルーフを持ち、2シーター車であることなど、クルマとしての主な要素は初代コペンをしっかり受け継いで作られている。

しかし、新型コペンは大きな進化を遂げている。クルマの骨格と言うべきボディが特に大きく変わった。ミライース用のプラットホームをベースに、オープンボディのコペンのために特別に強化を図ったプラットホームがポイントで、ボディ骨格を含めてDフレームと呼ぶ新構造のボディが採用されている。Dフレームによるシッカリとしたボディがスポーツカー らしい走りにつながっている。

ダイハツ コペン ローブ(Robe)
ダイハツ コペン ローブ(Robe)
ダイハツ コペン ローブ(Robe)
ダイハツ コペン ローブ(Robe)

■後輪の高い接地性により、爽快なドライビングフィールを演出

ダイハツ コペン ローブ(Robe)

 新型コペンを走らせて、際立って良くなった印象を受けたのは後輪の接地性だ。これによって、操縦安定性が高まり、コーナーでの姿勢が一段と安定した。コペンの走りが、大きく変わったと思わせる部分である。箱根ターンパイクなどで試乗したが、ワインディングをとても気持ち良く走れるクルマに仕上がっている。爽快なドライビングフィールが得られるクルマだ。

他にもステアリングの手応えやレスポンス、あるいは操舵したときのフィールなど、シャシー系を中心に著しい進化を遂げたのが今回の新型コペンといっていい。

搭載エンジンは660ccのDOHCターボだから、これだけ見たら従来のモデルと変わらない。でも実際には新エンジンに変わっていて、従来は4気筒だったのが今回のモデルでは3気筒になった。先代はコペン専用ともいえるような特別のエンジンが搭載されていたが、新型コペンではムーヴ などに搭載される一般的なエンジンに変わったということになる。

ダイハツ コペン ローブ(Robe)
ダイハツ コペン ローブ(Robe)
ダイハツ コペン ローブ(Robe)

■せっかくのオープンスポーツ。馬力自主規制を突き破るくらいの気概が欲しい!

ダイハツ コペン ローブ(Robe)

 既存のエンジンの流用とはいえ、走らせた印象はネガティブなものではなかった。新エンジンは吸気側に可変バルブタイミング機構のVVT-iが採用されたことなどによって、低回転域でのトルクが向上していて、レスポンスに優れた走りやすいエンジンに仕上がっている。軽自動車のオープンスポーツにふさわしいものだ。

新型コペンの絶対的な動力性能は、軽自動車の自主規制枠の47kW(64ps)に抑えられているため、もう少しパワーが欲しいと感じるシーンが多いのもまた事実である。前述のように、急勾配部分が多い箱根ターンパイクを中心にした試乗だったので、急な登り坂ではアクセルをベタ踏み状態にして走ることになった。

新型コペンでは、シャシー性能を大きく向上させたのだから、それに合わせてエンジン性能も向上させ、自主規制枠を突き破るくらいの意欲が欲しったと思う。登録車では280psの自主規制枠は解消されているので、軽自動車の64psも解消されて良いのではないか。そんな感想も抱かせるクルマだった。

ダイハツ コペン ローブ(Robe)
ダイハツ コペン ローブ(Robe)
ダイハツ コペン ローブ(Robe)

■CVTと5MTが用意されたミッション。CVTでも爽快な走りを味わえる!

ダイハツ コペン ローブ(Robe)

 トランスミッションは、無段変速のCVTと5速MTが設定されている。スポーツカーなので5速MTで走りたいというユーザーも多いだろうが、爽快な走りはCVTでも楽しめる。パドルシフトがあればさらに良いが、7速のスーパーアクティブシフトによって、マニュアル車感覚の走りが味わえるからだ。シフトダウン時にブリッピングが入るのも良い。

新型ダイハツ コペンの価格は、従来のモデル並みに抑えられたものの、軽自動車としてはかなり高めのクルマである。でも、コペンは中古車になったときのリセールバリューが高い。今後はホンダからS660が登場してくるので、新型コペンが従来のモデルと同じような高いリセールバリューを維持できるかどうかは多少の不安もあるが、だとしても大きな値落ちがなく次のクルマに乗り換えられるだろう。

ダイハツ コペン ローブ(Robe)
ダイハツ コペン ローブ(Robe)
ダイハツ コペン ローブ(Robe)

■ダイハツ コペン ローブ(Robe)/エクスプレイ(XPLAY)価格、燃費、スペックなど

ダイハツ コペン ローブ(Robe)

■ダイハツ コペン ローブ(Robe)価格
・1,798,200円(CVT)
・1,819,800円(MT)

■ダイハツ コペン ローブS(Robe S)価格
・1,998,000円(CVT)
・2,019,600円(MT)

■ダイハツ コペン エクスプレイ(XPLAY)価格
・1,798,200円(CVT)
・1,819,800円(MT)

 

 

<ダイハツ コペン ローブスペック、燃費など>

代表グレード ダイハツ コペン ローブ CVT
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3395×1475×1280mm
車両重量[kg] 870kg
総排気量[cc] 658cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 64ps(47kw)/6400rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 9.4kg-m(92N・m)/3200rpm
ミッション CVT
JC08モード燃費[km/l] 25.2km/l
定員[人] 2人
税込価格[円] 1,798,200円
発売日 2014/6/19
レポート 松下 宏
写真 編集部

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