【ダイハツ タント エグゼ 試乗記】「オトナ」向けタント、TANTO Exeはただの豪華仕様にあらず!

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【ダイハツ】2010/02/09

 

ダイハツ タント エグゼ 走り

デザインを一新し走りも上質さをプラスし高評価

ダイハツ タント エグゼ カスタム エンブレム

 SMAPの香取慎吾を使った、流行りの幕末をフィーチャーしたCMですでにお馴染みになっているのが、ダイハツ タント エグゼだ。タントと言えば超スペース系ハイトワゴンとしてお馴染みで、まぁ、エグゼはエグゼクティブの略だけに豪華装備をプラスしたものだろうと思っていた(※注)。軽自動車って、そうそうもうやれることって残されていないし……。
で、タント エグゼの現車を見て、深く反省。タントに見えてよく見ると今までのタントじゃないのだ。ヒンジドアになっているし、さらにボンネットやルーフまわりも違う。
そして驚いたのは、走りも違うこと。最初、説明も聞かずに試乗となったのだが、なんだか違う。でも、「さすがに走りまで変えるか?」ということで、気のせいだと思っていた。そして降りて説明を聞いたら、やっぱり熟成が図られていた。まさに熟成であり、エグゼな味わいで、しっとり感がアップしている。しかもNA(自然吸気)でもかなりパワフルで、我慢の走りは不要。ターボに乗ればターボのほうが気持ちよく吹けていいなとは思いつつも、「NA(自然吸気)で十分」と思ったのも事実である。
さらに燃費は60kgもの軽量化を実施したのも効いて最高で21.5km/Lを実現。また遮音性も高級モデルにふさわしく、静粛性も向上している。説明時見せてもらったグラフによると、各座標のレシオは不明だが、エンジンノイズ/車内の会話明瞭度ともに、タントの2倍のところにタント エグゼが位置していたほど。ダイハツの力の入れようがわかるし、それがさらに乗ってみて体感できる差になって現われているのがタント エグゼの凄いところ。軽自動車界、真のエグゼクティブだと評価しよう。

(※編集部注)エグゼの由来について
ダイハツの公式見解としては『Exe:“Exceed×Excellent ecology”、“Emotional×Elegant design”、“Executive space”の略。優れた環境性能と、大人の感性を満たすスタイル/上質感/快適性を備えたクルマを表現。』(ダイハツ プレス向けサイトより引用)とあり、必ずしもエグゼクティブ(高級な)だけの意味を表すだけではないようだ。

ダイハツ タント エグゼ
ダイハツ タント エグゼ フロントビュー
ダイハツ タント エグゼ リヤビュー
ダイハツ タント エグゼ フロントマスク
タントをベースにしているが、スライドドアを廃止し通常のヒンジドアに変更されている。またボンネットやルーフのデザインもタント エグゼ専用のものとなっている。タントらしい可愛らしさは残しつつ、全体に質感の向上が図られている。
ダイハツ タント エグゼ カスタム
ダイハツ タント エグゼ カスタム フロントビュー
ダイハツ タント エグゼ カスタム リヤビュー
ダイハツ タント エグゼ カスタム フロントマスク
ダイハツの軽自動車ではお馴染みとなったカスタム系も用意されている。大きな開口部を持つフロントバンパーや、クリアタイプのリヤコンビランプなどで標準車との差別化が図られている。上質さのなかにもスポーティな演出がなされているのがタント エグゼ カスタムの特徴だ。

ダイハツ タント エグゼ リヤヒンジドア

タントで採用されていたミラクルオープンドアは廃止され、通常のヒンジタイプとなっている。ただ90°近くまで開くので乗降性は優れている。

ダイハツ タント エグゼ カスタム リヤコンビランプ

タント エグゼ カスタムは標準車とは異なり、クリアタイプのリヤコンビランプを採用する。他にも専用アイテムが奢られ、差別化されている。

ダイハツ タント エグゼ カスタム 15インチアルミホイール

タント エグゼ カスタムRSは15インチのアルミホイールが標準装備。しっかりしたハンドリングや静かでしなやかな乗り味が楽しめる。
ダイハツ タント エグゼ 走り

インテリアも豪華装備が満載! ただ価格もそれなりにアップ

ダイハツ タント エグゼ インテリア
 もちろん直接見て、乗って体感できるのが室内。タント譲りの広大なスペースに、超肉厚なシートを配置。とくに後席は、プリッとした感じでまるでソファーのようである。CMでもお馴染みのように前席を倒して後席とつなげることができ、極上のくつろぎを提供してくれる。ちなみにイルミネーションが随所に仕込まれていて、暗いなかにブルーが輝く。雰囲気はいいけれど、このあたりは好き嫌い分れるところか?
と、手抜かりなく、あらゆるところに手が加えられているのがタント エグゼだ。ただ、高級化などはいいけど、軽自動車で問題になるのは価格。最近の軽自動車コンパクトカー並みとよく言われるけど、タント エグゼはすべて100万円台。一番高い、カスタムのRSだと157万円(4WDだと169.1万円)と、諸費用込みだと200万円ギリギリ。オプション付けると200万円を一気に超えてしまうだろう。大きなお世話かもしれないけど、大丈夫かと思いきや月販目標は4000台と強気な数字だ。確かに軽をファーストカーと捉える人はたくさんいるのだし、そんなに安くなくても豪華なほうがいいという層も形成されているようにも思える。意外にヒットして、ライバルも続々と豪華化したりして。

ダイハツ タント エグゼ カスタム インテリア

インテリアデザインはカスタム系(写真) も標準車も基本的には共通。だが内装色は標準車が明るめなのに対し、カスタム系はスポーティなブラックとなる。

ダイハツ タント エグゼ フロントシート

シートの造りは軽自動車とは思えないほどしっかりとしている。しっかりと体を包み込んでくれるので、非常に快適な移動空間といえる

ダイハツ タント エグゼ リヤシート

クッションの厚みは、まるで高級車並み。リビングのソファーのような座り心地は、さすがに上質さを売りにしているだけのことはある。

 

ダイハツ タント エグゼ カスタム メーター

カスタム系(写真)は、タコメーター付きのスポーティなデザインのメーターを採用。インフォメーションディスプレーも見やすい。

ダイハツ タント エグゼ カスタム イルミネーテッドツインコンソール(オーバーヘッド/センターフロア)

天井(写真)やセンターコンソールなど、室内の至る所にイルミネーションが配置されている。ソフトな光で車内の雰囲気を高めてくれる。

ダイハツ タント エグゼ カスタム ラゲッジ

ラゲッジスペースは、とても広々している。大きなグローブボックスを装備するなど、収納スペースは豊富に用意されている。

 

ダイハツ タント エグゼ カスタムRS ターボエンジン

カスタム系の最上級グレードRSにはターボエンジンが搭載される。CVTとの組み合わせで燃費も比較的優れている。

ダイハツ タント エグゼ 自然吸気エンジン

標準車などに積まれる自然吸気エンジン。こちらでも十分パワフルなので、パワー不足を感じる場面はほとんどない。

ダイハツ タント エグゼ シフトレバー

カスタムRSとFF車はCVT(写真)、 RSを除く4WD車は4速ATを搭載する。どちらも変速は滑らかで質の高い走りが楽しめる。 

ダイハツ タント エグゼ 走り タント エグゼの価格は消費税込みで113.0万円(X "Speci...

ダイハツ タント エグゼ 走り
タント エグゼの価格は消費税込みで113.0万円(X "Special"/2WD/CVT)から。実はムーヴの中間グレード「ムーヴ X "Special"」(2WD/CVT)と価格は一緒というから驚く。室内は広くシートなども豪華な分、タント エグゼのほうが実質的にはお買い得だったりするのだ。

written by マッシュ近藤

代表グレード ダイハツ タント エグゼ X
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3395×1475×1730mm
車両重量[kg] 870kg
総排気量[cc] 658cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 58ps(43kw)/7200rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 6.6kg-m(65N・m)/4000rpm
ミッション CVT
10・15モード燃費[km/l] 21.5km/l
定員[人] 4人
税込価格[万円] 121.0万円
発売日 2009/12/24
レポート 近藤暁史
写真 近藤暁史
(レポート:近藤暁史

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