【ホンダ アコード/アコード ツアラー 試乗記】心も体もアメリカ仕様のスポーティセダン&ワゴン [CORISM]
【ホンダ】2009/01/02
ホンダ アコード/アコード ツアラー 試乗記・評価の目次
- より上質さを追求して車格がアップした
- ツアラーというサブネームを与えてキャラクターの違いを明確にした
- ボディサイズの拡大でゆったりとした室内空間を実現した
- 充実した安全装備の数々に要注目だ!
- 高回転でのパワーフィールの良さが光るエンジンを搭載
- ●お勧めグレード
<お勧め記事>
■より上質さを追求して車格がアップした
ボディサイズが拡大され、より上質さを追求したセダン/ワゴンへと進化した。ホンダらしいスポーティさも感じられ、好感が持てるデザインだ。
アコードはホンダの基幹車種のひとつとして1976年以来の長い歴史を持つ。2008年12月にデビューしたモデルは8代目に当たる。この間、モデルチェンジを重ねるごとに成長を続け、ボディサイズもエンジンの排気量も拡大を続けてきた。
今回の8代目アコードでは、従来からのスポーティなセダン&ワゴンという性格付けは継承しながらも、ボディサイズの拡大や内外装の仕様の向上、装備の充実化を進めることで、従来のミドルセダンからアッパーミドルセダンへと成長を遂げてきた。
ただ、その結果としてボディの全幅が80mmも拡大されたため、1840mmに達したのは日本での使い勝手を考えるといかがなものかというところ。BMW3シリーズが1815mmだった全幅を先のマイナーチェンジで1800mmに縮小してきたのは、立体駐車場に入れることができなかったり、あるいは車庫証明が取れなかったりするケースがあったためだ。日本での使い勝手を考えると1800mmがひとつの限界サイズであるようにも思う。
なので、新型アコード/アコード ツアラーのボディサイズは、自宅や良く出かける先の駐車場事情に余裕のある人でないと無理があるということになる。
今回の8代目アコードでは、従来からのスポーティなセダン&ワゴンという性格付けは継承しながらも、ボディサイズの拡大や内外装の仕様の向上、装備の充実化を進めることで、従来のミドルセダンからアッパーミドルセダンへと成長を遂げてきた。
ただ、その結果としてボディの全幅が80mmも拡大されたため、1840mmに達したのは日本での使い勝手を考えるといかがなものかというところ。BMW3シリーズが1815mmだった全幅を先のマイナーチェンジで1800mmに縮小してきたのは、立体駐車場に入れることができなかったり、あるいは車庫証明が取れなかったりするケースがあったためだ。日本での使い勝手を考えると1800mmがひとつの限界サイズであるようにも思う。
なので、新型アコード/アコード ツアラーのボディサイズは、自宅や良く出かける先の駐車場事情に余裕のある人でないと無理があるということになる。
さりげないキャラクターラインが入れられたサイド部分は立体的な造形だ。
ワゴンのアコード ツアラーはあえてルーフの長さを短くしリヤウインドーを大きく寝かせている。これはワゴンらしい使い勝手のよさには不利だが、スタイリッシュで走りの良さを想像させてくれる。
全幅が拡大されワイド&ローのイメージを感じさせるフロントマスク。独特の存在感を感じさせてくれる。
リヤコンビランプはキラキラとした印象で高級感も十分。質感の高さも文句なしで、車格にふさわしいもの。
■ツアラーというサブネームを与えてキャラクターの違いを明確にした
またワゴンが今回のモデルからアコード ツアラーに名前を変えたのは、クルマの性格付けが関係しているとのこと。ワゴンというと単に使い勝手の良い実用的なクルマというイメージが強くなるが、今回のモデルは使い勝手を追求するだけでなく、長距離移動なども想定したクルマに仕上げたので、名前をアコード ツアラーに改めたという。
外観デザインはフロント回りのイメージなどにアコードらしさを継承しているが、ボディの全幅が拡大したことでワイド&ローのイメージが強くなり、グンと存在感が増した印象。その分だけ近くで見るとけっこう大きなクルマになった。
ワゴンはルーフを短くしてリヤウインドーの傾斜を強めた。これはラゲッジルームの絶対的な容量でいえば不利になる要素だが、スタイリッシュで軽快な走りを想像させるようなデザインになった。
外観デザインはフロント回りのイメージなどにアコードらしさを継承しているが、ボディの全幅が拡大したことでワイド&ローのイメージが強くなり、グンと存在感が増した印象。その分だけ近くで見るとけっこう大きなクルマになった。
ワゴンはルーフを短くしてリヤウインドーの傾斜を強めた。これはラゲッジルームの絶対的な容量でいえば不利になる要素だが、スタイリッシュで軽快な走りを想像させるようなデザインになった。
■ボディサイズの拡大でゆったりとした室内空間を実現した
どことなくオデッセイにも似た印象があるが、斬新で質感の高さを感じさせるインテリア。
インテリア回りのデザインは先進的なイメージと品質感の高さが特徴だ。プラットホームを共用するオデッセイと似たような印象もあるが、インテリアについては基本的にアコード/アコード ツアラー専用に作られている。特に目新しさを感じさせるのが外周指針メーターで、メーターの針が中央にピボットのあるものではなく、指針が周囲に支えられているように見える。
このタイプのメーターを採用したことで、スピードメーターの中央にはさまざまな情報を表示できるスペースが生まれた。ただ、たくさんの要素を表示できるようにしたために、すべてを同時に表示できるわけではなくなった。オドメーターとトリップメーターは常時表示しておきたいのだが……。
ボディサイズが大きくなったことで、運転席と助手席の間隔が広がるなど、居住空間には余裕が生まれたが、前席に乗ると適度なタイト感があってむやみに広すぎる感じではない。広さのゆとりと包まれ感がうまくバランスされている。
後席に座っても十分な広さがある。フロアトンネルの出っ張りも少なめで、足元に余裕があってくつろげる広さだ。
このタイプのメーターを採用したことで、スピードメーターの中央にはさまざまな情報を表示できるスペースが生まれた。ただ、たくさんの要素を表示できるようにしたために、すべてを同時に表示できるわけではなくなった。オドメーターとトリップメーターは常時表示しておきたいのだが……。
ボディサイズが大きくなったことで、運転席と助手席の間隔が広がるなど、居住空間には余裕が生まれたが、前席に乗ると適度なタイト感があってむやみに広すぎる感じではない。広さのゆとりと包まれ感がうまくバランスされている。
後席に座っても十分な広さがある。フロアトンネルの出っ張りも少なめで、足元に余裕があってくつろげる広さだ。
しっかりした造りのフロントシートは、スポーティな走りでも体をきちんと支えてくれる。サイズも大きめでゆったりとくつろげ、適度な包まれ感も味わえる。
後席はとても広々している。人数分の3点式シートベルトとヘッドレストはセダン、ワゴンともに標準装備だ
外周指針メーターは個性的で新鮮さを感じさせてくれる。スピードメーター中央のインフォメーションディスプレーは、文字のサイズも大きく非常に見やすい。
■充実した安全装備の数々に要注目だ!
セダンのラゲッジは揚力こそ十分確保されているが、壁の凹凸が多いのが少し気になるところではある。左右分割式のトランクスルー機構を備えているので、長いものも積み込むことが可能だ。
FF車なのでセダンのトランク容量もたっぷり確保されているし、ツアラーのラゲッジスペースも標準状態で406リッター、後席のシートを倒すと600 リッターの容量がある。
装備では安全装備の充実化が注目されるところ。横滑り防止装置のVSAが全車に標準で装備されたほか、これと電子制御パワーステアリングを組み合わせたモーションアダプティブEPSも全車に標準となる。さらに前席用i-サイドエアバッグやカーテンエアバッグなども全車標準だから、安全装備の充実度はまさにアッパーミドルクラスのクルマ並み。追突軽減ブレーキは主要グレードにオプションで用意されている。
装備では安全装備の充実化が注目されるところ。横滑り防止装置のVSAが全車に標準で装備されたほか、これと電子制御パワーステアリングを組み合わせたモーションアダプティブEPSも全車に標準となる。さらに前席用i-サイドエアバッグやカーテンエアバッグなども全車標準だから、安全装備の充実度はまさにアッパーミドルクラスのクルマ並み。追突軽減ブレーキは主要グレードにオプションで用意されている。
ツアラーのラゲッジスペースは非常に広く、標準状態でも406リッター、最大で600リッターもの容量を誇っている。またフロアの下にも大きなスペースがあるので、あまり使わない小物類などはこちらに収納できる。
■高回転でのパワーフィールの良さが光るエンジンを搭載
新型アコード/アコード ツアラーに搭載されるのは2.4リッター直4エンジンのみ。車格がアップしたこともあり、従来あった2リッターは廃止になった。高回転域でのパワーフィールの良さは、さすがホンダらしい味付けだ。
搭載エンジンは直列4気筒2.4リッターのみの設定となった。従来は2リッターエンジンの搭載車もラインナップされていたが、今回は2.4リッターだけになり、エンジン性能も向上している。
ただ、アッパーミドルクラスというなら、V型6気筒エンジンの設定も欲しいところ。開発関係者の話では、フロントの軽い軽快な走りを確保するために4気筒のみに絞ったとのこと。ほかにも、インスパイアにV型6気筒3.5リッターエンジンの搭載があるので、これとオーバーラップするのを避けるためや、あるいは4気筒と6気筒の両方を搭載しようとするとフロント回りの設計が非効率になりやすいことなども理由だろう。
パワー&トルクは206ps(151kW)/23.7kg-m(232N・m)の実力。その最高出力を発生する回転数がレッドゾーンの始まる7000回転というのだからけっこう高回転型のエンジンで、いかにもホンダらしい仕様である。
実際に走らせた印象もいかにもホンダらしいもので、ひゅんひゅんと軽快に吹き上がり、回したときのパワーフィールも上々。高速道路などではパワーの伸びが楽しめる。今回のアコード/アコード ツアラーでは、エンジンの性能向上にあたり低速トルクの向上も重視したとのことだが、低速でのトルク感よりも高速でのパワー感のほうが印象的なエンジンだった。
ただ、アッパーミドルクラスというなら、V型6気筒エンジンの設定も欲しいところ。開発関係者の話では、フロントの軽い軽快な走りを確保するために4気筒のみに絞ったとのこと。ほかにも、インスパイアにV型6気筒3.5リッターエンジンの搭載があるので、これとオーバーラップするのを避けるためや、あるいは4気筒と6気筒の両方を搭載しようとするとフロント回りの設計が非効率になりやすいことなども理由だろう。
パワー&トルクは206ps(151kW)/23.7kg-m(232N・m)の実力。その最高出力を発生する回転数がレッドゾーンの始まる7000回転というのだからけっこう高回転型のエンジンで、いかにもホンダらしい仕様である。
実際に走らせた印象もいかにもホンダらしいもので、ひゅんひゅんと軽快に吹き上がり、回したときのパワーフィールも上々。高速道路などではパワーの伸びが楽しめる。今回のアコード/アコード ツアラーでは、エンジンの性能向上にあたり低速トルクの向上も重視したとのことだが、低速でのトルク感よりも高速でのパワー感のほうが印象的なエンジンだった。
ミッションは全車5速ATを搭載。Sレンジでは変速タイミングが変わり、よりスポーティな設定になる。パドルシフトも装備し、マニュアル操作も楽しめる。
24TLスポーツスタイル(写真)は18インチ、その他のグレードは17インチのタイヤ&アルミホイールを装備している。18インチ仕様はかなりスポーティなハンドリングで、17インチ仕様のほうが少し落ち着いた雰囲気がある。
エンジンは高回転型のセッティングで、回したときのパワーの伸びが印象的だ。もちろん低速トルクも十分あり、街中などでも扱いやすい。足まわりの味付けはかなりスポーティで、しっかり感のあるハンドリングが味わえる。
■●お勧めグレード
今回のアコード/アコード ツアラーは、車格が上がって装備が充実化するのに合わせて価格も上昇した。ベースグレードで270万円だからカーナビを装着しただけで300万円を超える。しかもベースグレードではオプション装備の選択の自由度の低さも含めて不満な点があるので、中間グレードの24TLがお勧めグレードとなる。予算に余裕があるなら、最新の安全装備からHDDインターナビまで含めた24iLが良いが、ツアラーでこれを選ぶと車両価格が400万円を超える。アコードのイメージではなくなってしまう。
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代表グレード | ホンダ アコード 24TL |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4730×1840×1440mm |
車両重量[kg] | 1510kg |
総排気量[cc] | 2354cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 206ps(151kw)/7000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 23.7kg-m(232N・ m)/4300rpm |
ミッション | 5速AT |
10・15モード燃焼[km/l] | 11.8km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 290.0万円 |
発売日 | 2008/12/5 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 高木博史 |
(レポート:松下 宏)
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