ハリアー改めレクサス RXが新登場! 激戦区の高級SUV試乗でライバルを迎え撃つ!!
レクサスブランドはアメリカで大成功を収めているが、販売ボリュームで見るとLSやGSなどのセダンではなくクロスオーバーSUVのRXが最も良く売れている。いわばレクサスの主力車種ともいえるのがRXだ。アメリカではRXの成功の後、ほかのメーカーからもさまざまな高級クロスオーバーSUVが発売され、このクラスが大激戦区になっている。新しいRXはその激戦区で独自の地位を占めるモデルとしてフルモデルチェンジが行なわれた。
RXは日本ではハリアーとして販売されてきたモデルで、今回の3代目RXからはハリアーとしての販売がなくなり、レクサス店でRXとして販売されることになった。ただ、従来からのハリアー(2代目RX)も2.4リッターエンジンを搭載したモデルとハイブリッドがトヨペット店で継続販売されている。
RXは日本ではハリアーとして販売されてきたモデルで、今回の3代目RXからはハリアーとしての販売がなくなり、レクサス店でRXとして販売されることになった。ただ、従来からのハリアー(2代目RX)も2.4リッターエンジンを搭載したモデルとハイブリッドがトヨペット店で継続販売されている。
従来モデルのイメージを受け継ぎつつ、新世代のプレミアムSUVにふさわしい高級感と存在感をより高めたフォルムが印象的だ。
サイド部分は立体的で複雑な造形となっている。塗装の質も良く、深みのある艶はレクサスの名に恥じないクオリティだ。
SUVらしい力強さのなかにも繊細な印象のフロントマスク。存在感の高さと個性を感じさてくれる。
従来のコンセプトを継承&発展させ、より高級指向となった
RXはこれまでのモデルが良く売れてきただけに、新しいRXも従来のモデルを継承発展させる形でのフルモデルチェンジが行なわれた。外観デザインは従来のRX/ハリアーのイメージを受け継ぐものとされ、クロスオーバーSUVとしてのクルマ作りの方向性も基本的に変わっていない。
ボディは全体的に大きくなり、搭載エンジンもV型6気筒3.5リッターに絞るなど、全体に高級化、上級化の方向にあるのは、アメリカの景気がイケイケ状態にあるときに開発が進められたモデルだからだろう。まさか発売時点の経済情勢が現在のようになっているとは夢にも思わずに開発が進められたに違いない。ボディもエンジンもタイヤもみんな大きくなる方向にあり、日本ではトヨタブランドのハリアーからレクサスブランドのRXに変わったことも加わって、価格も大幅に高くなった。
ボディは全体的に大きくなり、搭載エンジンもV型6気筒3.5リッターに絞るなど、全体に高級化、上級化の方向にあるのは、アメリカの景気がイケイケ状態にあるときに開発が進められたモデルだからだろう。まさか発売時点の経済情勢が現在のようになっているとは夢にも思わずに開発が進められたに違いない。ボディもエンジンもタイヤもみんな大きくなる方向にあり、日本ではトヨタブランドのハリアーからレクサスブランドのRXに変わったことも加わって、価格も大幅に高くなった。
リヤコンビランプはクリアレンズを採用。レンズカットが複雑でキラキラと光り、視認性も良好だ。エアサス車はハイトコントロール機能が装備されており、荷物の大きさや重さにあわせて車高を30mm上下させることができる。
レクサスブランドにふさわしい厳選素材を使用したインテリア
インテリアのクオリティの高さはかなりのもの。立体的で特徴のあるデザインが非常に印象的だ。
運転席に座ると全体的なクォリティの高さが印象的が高評価だ。これまでのハリアーも相当に先進感のあるインテリアデザインを採用していたが、今回のモデルも相当に新鮮な印象を与えるものに仕上がった。特徴あるインストセンター部分のデザインや素材の使い方など、まさにレクサスブランドらしい高級感のあるインテリアだ。
RXの室内にはもうひとつ注目点がある。リモートタッチと呼ばれるコントローラーがそれだ。設置位置はセンターコンソール部分で、左手を置くとその場所にある。そしてこのリモートタッチを操作すると、カーナビの液晶画面上のポインター(矢印)が動き、操作したい項目のところに移動する。そこで右手の親指でエンターボタンを押せば、カーナビの画面が切り替わる仕組みだ。
RXの室内にはもうひとつ注目点がある。リモートタッチと呼ばれるコントローラーがそれだ。設置位置はセンターコンソール部分で、左手を置くとその場所にある。そしてこのリモートタッチを操作すると、カーナビの液晶画面上のポインター(矢印)が動き、操作したい項目のところに移動する。そこで右手の親指でエンターボタンを押せば、カーナビの画面が切り替わる仕組みだ。
フロントシートまわりのゆとりは文句なしだ。センタートンネルの下部には左右から小物の出し入れが可能な収納スペースも用意される。
リヤシートは左右独立してリクライニングとスライドが可能。足元や頭上の空間にも十分な余裕が確保されている。
メーターは表示が大きくとても見やすい。中央部のマルチインフォメーションディスプレーには世界初の有機ELを採用している。
新機構のリモートタッチをはじめ先進の快適&安全装備が満載!
走行中でも安全にナビやオーディオの操作ができるリモートタッチを採用。スイッチの操作力は5段階に調整でき、力の入りやすい走行中は自動的に1段階重く(5段目の場合は6段目も用意)なるというきめ細かい配慮がなされている。
カーナビやオーディオなどの操作はタッチパネルを使うのが良いが、それは停車中のこと。走行中には運転姿勢が乱れるので必ずしもタッチ操作が良いとはいえない。これを解消したのがリモートタッチだ。
インテリアの操作系については、BMWに始まってメルセデス・ベンツやアウディなどがダイヤル式のコントローラーを採用している。RXでは当然ながらダイヤル式も検討した上で、今回のリモートタッチのほうが優れていると判断したようだ。
このほか、快適装備から安全装備に至るまで、さまざまな新機構、新装備が採用されている。メーターパネル内のマルチインフォメーションディスプレーには世界で初めて有機ELを採用したのを始め、車速やレーンを表示するヘッドアップディスプレー、イージーアクセスパワーシステムなどの快適装備のほか、VDIM やプリクラッシュセーフティシステムなどの安全装備も含め、非常に充実した仕様が用意されている。
インテリアの操作系については、BMWに始まってメルセデス・ベンツやアウディなどがダイヤル式のコントローラーを採用している。RXでは当然ながらダイヤル式も検討した上で、今回のリモートタッチのほうが優れていると判断したようだ。
このほか、快適装備から安全装備に至るまで、さまざまな新機構、新装備が採用されている。メーターパネル内のマルチインフォメーションディスプレーには世界で初めて有機ELを採用したのを始め、車速やレーンを表示するヘッドアップディスプレー、イージーアクセスパワーシステムなどの快適装備のほか、VDIM やプリクラッシュセーフティシステムなどの安全装備も含め、非常に充実した仕様が用意されている。
フル乗車時でも十分広いラゲッジスペースが確保されている。またリヤシートはラゲッジ内のレバーを引くだけで、ワンタッチで収納できる。バックドアは運転席からも電動で開閉可能だ。また荷物の大きさや重さに応じて車高を30mm変えられるハイトコントロール機能も装備している。
大きく重くなったが燃費は従来と同等レベル以上を実現!
RXの乗降性は乗用車に近いものだ。アメリカの大型SUVと違って踏み段を付けたり、あるいはアシストグリップを握ったりすることなく、割と自然な姿勢で乗り降りができる。このあたりはクロスオーバーSUVのRXが最初から持っている良さだと評価していい。運転席に乗り込むとSUVらしい高めのアイポイントから開けた視界が目に入る。RXでは左側のアンダーミラーが装着されていないが、これは左ドアミラーに備えたカメラによって死角をカバーできるようにしたためだ。
RXの搭載エンジンはV型6気筒3.5リッターだけに統一された。RXにはハイブリッド車のRX450h(4月に発売)の設定もあるが、これにもアトキンソンサイクルを採用したチューニングの異なるV型6気筒3.5リッターエンジンが搭載されている。
標準車に搭載される2GR-FE型エンジンが発生する280ps(206kW)/35.5kg-m(348N・m)のパワー&トルクは、大きく重くなったRX350に対しても余裕十分な実力だ。それにしてもRXは重くなった。最上級グレードとなる4WDのバージョンLエアサス仕様車では、標準状態の車両重量がぎりぎりで2tを切る1980kgだが、ひとつまたは複数のオプションを装着すると簡単に2tを超えてしまう。装備や仕様の違いもあるが、単純化して言うなら従来のハリアーに比べて150kgくらい重くなっている。にもかかわらず従来と同じ10・15モード燃費(ハイブリッドは1km/L向上)を得ているのは大したものだが、重さそのものは半端ではない。
RXの搭載エンジンはV型6気筒3.5リッターだけに統一された。RXにはハイブリッド車のRX450h(4月に発売)の設定もあるが、これにもアトキンソンサイクルを採用したチューニングの異なるV型6気筒3.5リッターエンジンが搭載されている。
標準車に搭載される2GR-FE型エンジンが発生する280ps(206kW)/35.5kg-m(348N・m)のパワー&トルクは、大きく重くなったRX350に対しても余裕十分な実力だ。それにしてもRXは重くなった。最上級グレードとなる4WDのバージョンLエアサス仕様車では、標準状態の車両重量がぎりぎりで2tを切る1980kgだが、ひとつまたは複数のオプションを装着すると簡単に2tを超えてしまう。装備や仕様の違いもあるが、単純化して言うなら従来のハリアーに比べて150kgくらい重くなっている。にもかかわらず従来と同じ10・15モード燃費(ハイブリッドは1km/L向上)を得ているのは大したものだが、重さそのものは半端ではない。
3.5リッターのV6エンジンは、2t前後ある車重をものともしない動力性能を持っている。静粛性の高さや滑らかな回転フィールは高級SUVにふさわしいもの。燃費や排ガスなどの環境性能も最高レベルだ。
ミッションは5速ATから6速ATへと進化。そのおかげかカタログ燃費はFF、4WDともにハリアーの3.5リッターモデルとまったく同じ。もちろんシフトショックも皆無で、滑らかな走りが楽しめる。
バージョンS(写真)は19インチのタイヤが標準装備される。その他のグレードは18インチが標準だが、オプションで選択可能だ。
余裕ある動力性能と静かでしなやかな走りは高級SUVらしいものと高評価
RXを走らせると、そんな重さを全く感じさせない走りを見せる。本当に余裕十分の動力性能なのだ。吹き上がりはとてもスムーズなものだし、5速から6速になったATはとても滑らかな加速を見せる。そして静かなのだ。レクサスブランドでは、静かさや滑らかさに重点を置いたクルマ作りをしているが、このRX でもそれはしっかり実現されている。まさに高級SUVらしい走りだと評価したい。
静粛性の高さは高速クルージングでも変わらない。時速80km/hで走行するときのエンジン回転数はわずか1500回転ほどだし、100km/hまで速度を上げても2000回転以下で回っているのだから、エンジン音などはまったく聞こえてこないレベル。わずかに聞こえる風切り音とロードノイズが耳に入るだけだ。
試乗したのはメカサスを装着したFFのバージョンSとエアサスを採用した4WDのバージョンLの2モデルだったため、乗り味にはそれなりの違いが感じられた。エアサス仕様車も標準装着の18インチタイヤではなく、オプションの19インチタイヤを履いていたが、足まわりの印象はかなり違っていて、バージョンSのメカサスはかなり硬めの乗り心地を感じさせ、バージョンLのエアサス仕様車は格段に乗り心地が良かったからだ。
そのバージョンLエアサス仕様でも、走りの安定感の高さは特筆モノ。そうでなくても重心高が高いSUVは、ドライバーのアイポイントが高くなることと合わせてコーナーでの安定感に欠ける印象を与えることが多いものだが、今回のレクサス RXではそれを感じさせない安定感があった。首都高のコーナーなども安心して走れる安定感だ。
静粛性の高さは高速クルージングでも変わらない。時速80km/hで走行するときのエンジン回転数はわずか1500回転ほどだし、100km/hまで速度を上げても2000回転以下で回っているのだから、エンジン音などはまったく聞こえてこないレベル。わずかに聞こえる風切り音とロードノイズが耳に入るだけだ。
試乗したのはメカサスを装着したFFのバージョンSとエアサスを採用した4WDのバージョンLの2モデルだったため、乗り味にはそれなりの違いが感じられた。エアサス仕様車も標準装着の18インチタイヤではなく、オプションの19インチタイヤを履いていたが、足まわりの印象はかなり違っていて、バージョンSのメカサスはかなり硬めの乗り心地を感じさせ、バージョンLのエアサス仕様車は格段に乗り心地が良かったからだ。
そのバージョンLエアサス仕様でも、走りの安定感の高さは特筆モノ。そうでなくても重心高が高いSUVは、ドライバーのアイポイントが高くなることと合わせてコーナーでの安定感に欠ける印象を与えることが多いものだが、今回のレクサス RXではそれを感じさせない安定感があった。首都高のコーナーなども安心して走れる安定感だ。
●お勧めグレード
新しいレクサス RXはクルマとしての魅力は十分に高いものがあるが、ボディが大きく重くなって価格も高くなったため、お勧めグレードを上げるのはかなり難しい。ハリアーの時代には現在も継続生産されている2.4リッターエンジンを搭載したFF車の販売比率が高かったので、今回も価格的に安いFF車がそこそこ売れる可能性がある。ただ、RXらしさで選ぶならバージョンLを選びたいところで、そうなるとメカサス仕様車でもオプション&諸費用込みで600万円を超える予算が必要になる。今どき、それだけの余裕のあるユーザーがどれくらいいるか分からない。RXは買い方、選び方の難しいクルマである。
代表グレード | レクサス RX350 バージョンL エアサスペンション |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4770×1885×1690mm |
車両重量[kg] | 1980kg |
総排気量[cc] | 3456cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 280ps(206kw)/6200rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 35.5kg-m(348N・m)/4700rpm |
ミッション | 6速AT |
10・15モード燃費[km/l] | 9.4km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 565.0万円 |
発売日 | 2009/1/19 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 佐藤靖彦 |
(レポート:松下 宏)
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