マツダCX-5 XD(ディーゼル車)試乗記・評価の目次
- マツダCX-5は、ボディサイズを除けば、長距離走行が多い人にクリーンディーゼル車がおすすめSUV!
- 乗らずに買われる人気のディーゼルエンジン車! その魅力とは?
- 上手くいけば、燃料費がハイブリッド車と同等程度? さらに、ガンガン走れる420Nmという大トルク!!
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■マツダCX-5は、ボディサイズを除けば、長距離走行が多い人にクリーンディーゼル車がおすすめSUV!
ボディサイズから国内での使い勝手を考えると、CR-V とCX-5 の選択には注意が必要。立体的の駐車場だと1800mmまでの規格が多いからだ。出かける先の駐車場などのインフラも考慮した上で買おう。
長距離移動と走行距離も多い人には、何といってもクリーンディーゼル を搭載したCX-5がお勧め。走りの余裕と燃料経済性の両方が手に入るからだ。積雪地のユーザーなど雪道を走る機会の多いユーザーにはCX-5のディーゼルの4WDをお勧めしたい。
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■乗らずに買われる人気のディーゼルエンジン車! その魅力とは?
少し前の話だが、3月中旬にマツダCX-5 が1ヶ月で目標1000台に対して、8000台の受注があったと発表した。まぁ、受注台数そのものは、それほどビックリするほどではない。しかし、驚きだったのはCX-5のディーゼル エンジン車比率だ。なんと、ディーゼルエンジンを選択した顧客は、約73%もいたのだ。発売当初は、販売店に試乗車もほとんどない状態だったというのだから、ほとんどの顧客が試乗せずにCX-5のディーゼル車を買ったことになる。この結果から、それほどマツダCX-5のディーゼルエンジンへの期待度は高かったと評価していい。
マツダCX-5のディーゼルエンジンは、SKYACTIVテクノロジーにより超低圧縮比14.0を達成している。同じSUVでクリーンディーゼル車である日産エクストレイル と比較してみると、エクストレイルのM9Rエンジンは15.6だ。さらに、メルセデス・ベンツEクラス のディーゼルエンジンにいたっては17.7である。いかに、低圧縮比であるかがよくわかる。
低圧縮になると、エンジン内部の圧力が少なくなりピストンや他の部品にかかる負担も少なくなる。そうなると、ピストンなどの部品強度が従来よりも低くて済むので、部品の肉薄化&軽量化も可能になる。部品の軽量化は、燃費にも効果があり、さらにはエンジンそのもののコスト低減にもなり低圧縮化はいいことだらけという訳だ。CX-5のディーゼルエンジンが、他のディーゼルエンジンに比べ軽快に吹き上がるフィーリングも軽量化によるものが大きいという。
また、ATとアイドリングストップ機能という組み合わせは、世界初。その結果、排気量2.2Lで420Nmという大トルクと18.6km/L(JC08モード)という低燃費を実現している。
■上手くいけば、燃料費がハイブリッド車と同等程度? さらに、ガンガン走れる420Nmという大トルク!!
マツダCX-5のディーゼル車は、258万円から。予算さえ合えば、ディーゼルエンジンを選びたい。やはり、420Nmというトルクはクセになる。これだけのトルクがあれば、1510kgというボディも軽く感じる。市街地から高速道路まで、わずかなアクセル操作でスピードコントロールは自由自在だ。アクセルを踏む量が少なくても十分に加速するので、明らかに疲労が少なくなる傾向にある。数時間にも及ぶ熊本での一般道や高速道路走行でも、やはりディーゼルエンジン車は乗っていて疲れない印象だった。
クリーンディーゼル車の場合、やはりハイブリッド 車との燃料代の経済性も選択肢のひとつだろう。ディーゼル車の燃料は軽油。レギュラーガソリンよりも20円/Lくらい安いので、ハイブリッド車との燃料費も肉薄する。20円/Lくらいの燃料価格差があり、CX-5のディーゼル車が実燃費でCX-5が16km/Lくらい走るのなら、実燃費20km/Lのハイブリッド車と同じくらいの燃料費になる可能性がある。
多少、燃料費はハイブリッド車に劣っていたとしても、やはり420Nmのトルクは魅力的。トヨタのハイブリッド車は、アトキンソンサイクル化することでガソリンエンジンの燃費を上げている。しかし、アトキンソンサイクルにするとトルクが細くなる。細くなったトルクをモーターで補っている。そのため、燃費は良いが、ドーンと加速していくようなダイナミックな走りはできない。端的に言えば、我慢を楽しむ走り。
対して、CX-5のディーゼルエンジン車は、古典的なトルクにモノを言わせてダイナミックな走りが楽しめる。エンジンのパフォーマンスを開放して楽しむ走りだ。これは、どちらが勝っているということではなく、どちらが好きか? ということになるだろう。個人的には、極力低燃費走行を心がけ、イッキに弾けたいときに、圧倒的な加速力で弾けることができるCX-5ディーゼル車が好きだ。
FFか4WD という選択になると、これがまた悩む。FFから4WDになると、約100kg重くなり価格も21万円高くなる。走りそのものは大きく差が出るほどではないが、やはりFFは4WDより軽快だし、グリップの低い路面でより安定感ある走りを披露する4WDも捨てがたい。この4WDシステムは、前輪:後輪のエンジントルク配分を100:0〜50:50の範囲で電子制御するアクティブトルクコントロールカップリング方式。
雪国や雪山系趣味の人には、迷わず4WDをオススメするが、とくに路面状態の悪いところに行く人でなければFFでも十分だ。多少、予算に余裕があり、ガンガンアクセルを踏むタイプの人も4WDがいい。ドライ路面なら、それほど気にならなかったが、ウエット路面のときは420Nmのトルクを受け止めるには4WDが安心感があってより良い。
テストコースで超高速域での話だが、レーンチェンジ時に多少ロールの戻りが遅い印象があった。これは、主に乗り心地を意識した結果だと思われる。ハンドリングもダルでもなく、クイックでもなく非常にバランスがいい。初期の操舵時だけ、妙に反応の良いハンドリングで、さらに切り足すとあんまり反応が良くないSUVが多い中、切ったら切った分だけ素直に反応するCX-5は安心できる。この素性の良さを生かし、CX-5にマツダスピードバージョンでも出してもらい、車高をもう少し下げ重心高を下げたら、かなり楽しいSUV になると感じた。
冒頭に、試乗もせずに約73%の人がディーゼルエンジンを選んだと書いたが、乗らずに選んでも正解だ!
マツダは、今年、CX-5の他にもアテンザ のフルモデルチェンジを予定している。アテンザにも、このSKYACTIVのディーゼルエンジンが搭載されると予想できる。マツダのセダン &ワゴン ファンも、もう少しでこの新ディーゼルエンジンを味わうことができる。
<新型マツダCX-5 20S FF スペック>
・全長 x 全幅 x 全高 4,540 x 1,840 x 1,705mm
・ホイールベース 2,700mm
・ガソリエンジン SKYACTIV-G 2.0
・排気量 1,997cc
・最大トルク 196N・m/4,000rpm
・最高出力 114kW/6,000rpm
・燃費(JC08モード[10・15モード]) 16.0km/L[17.6km/L]
・ミッション SKYACTIV-DRIVE(6速オートマチック)
・ステアリング 電動パワーステアリング(コラム式)
・サスペンション (前)マクファーソンストラット式/(後)マルチリンク式
・ブレーキ (前)ベンチレーテッドディスク/(後)ディスク
・タイヤ 225/65R17
■ディーゼルエンジン SKYACTIV-D 2.2
・排気量 2,188cc
・最大トルク 420N・m/2,000rpm
・最高出力 129kW/4,500rpm
・車両重量 1,510kg
・燃費(JC08モード[10・15モード]) 18.6km/L[20.0km/L]
<新型マツダCX-5価格>
・XD(クロスディー) 2WD SKYACTIV-D 2.2 2,580,000円
・XD(クロスディー 4WD SKYACTIV-D 2.2 2,790,000円
・XD L Package 2WD SKYACTIV-D 2.2 2,980,000円
・XD L Package 4WD SKYACTIV-D 2.2 3,190,000円
・20C 2WD SKYACTIV-G 2.0 2,050,000円
・20S 2WD SKYACTIV-G 2.0 2,200,000円
・20S 4WD SKYACTIV-G 2.0 2,410,000円
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