【日産 次期「フーガ」の先進技術を試す】ヘタのドライバーも突然上手くなる? プロセスなしの「アクティブ スタビリティ アシスト」

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【日産】2009/08/06

 

次期日産新型フーガに搭載! 最新技術を試す!!

日産先進技術「アクティブスタビリティアシスト」テスト車両
 次期 日産 新型 フーガに搭載される機能の中で、とくにドライビングのアシストに特化した技術がアクディブスタビリティアシストだ。この機能は、VDC(横滑り防止装置)を使用したもので、大きく分けてふたつに分かれる。
まずひとつ目がコーナーリングスタビリティアシスト機能。この機能は、ドライバーのステアリングやアクセル、ブレーキの各操作に対して4輪それぞれのブレーキ制御やエンジントルクを適切に制御するものだ。乗った感想は、ステアリング操作する量が減り、難しいカーブであっても、想像以上に簡単に曲がってしまう。この機能をオフにして走ると、アレっていうぐらいステアリング操作が忙しいのが分かってしまうほどだ、ぜひ高評価したい。
そして、ふたつ目が4輪アクティブステア(4WAS)だ。これは、前輪操舵の状況に合わせて後輪も左右に切り、より早く安定してクルマの向きを変えるというものだ。この動きは、慣れてしまえば問題ないかもしれないが、クルマの動きが実にシャープ。まるでミズスマシが水面を滑るように動くあのイメージだ。新型 日産 フーガには、よりスポーティな走りにも対応するスポーティバージョン切り替えスイッチも用意されるという。

「日産車ってキビキビ走っていいよね。スポーティだよね」そんな”演出”に疑問符

次期「日産 フーガ」に搭載される予定のアクティブスタビリティアシスト&カーナビ協調インテリジェントペダルの概念図[提供:日産自動車]
 どちらの機能も「信頼のドライビングプレジャー」というコンセプトの元に開発されている。だが、正直なところボクにとっては、少々疑問も残る。このふたつの機能のどちらも、運転スキルが上がるプロセス抜きになっているからだ。つまり、120台前後打つゴルフの初心者がいきなり80台の上級者レベルになってしまうイメージだ。ドライビングもクルマの荷重移動やブレーキング、ステアリング操作など、練習して少しずつ上手くなる。こういったテクニックは、意識して練習なしには取得することは難しい。そういった人間が上手に運転するために覚えなくてはいけないテクニックの経験の積み重ねがまったく必要としないからだ。ゴルフも練習を積んで上手くなるからおもしろいのであって、いきなり上手かったら楽しくもないだろう。クルマの運転とドライビングプレジャーも同じだと思う。
もちろん、そもそも運転なんて別に上手くなろうなんて思ってないし・・・。と、言う人にはいいだろう。ただ、こういう人には、逆にスポーティすぎる。実力以上のスピードで走った先は破綻があるかもしれないし、運転が機能任せでさらに雑になってしまう恐れもある。また、その機能のすごさが分からないまま終わる可能性も高く、ドライビングプレジャーとはどういうものなのか、ということが分からないから、日産の意図も伝わらない。まぁ、技術なんてそんなもの、と割り切れればいいが、技術者としては世に出ても理解されないのでは浮かばれない。
「日産車ってキビキビ走っていいよね。スポーティだよね」というイメージ重視なのだろうか。今更クルマにスキルを望むって、それは旧時代的な考えだよね、ってことかもしれない。
日産先進技術「アクティブスタビリティアシスト」テスト車両

(レポート:大岡 智彦

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