【スズキ パレット/スズキ パレット SW 試乗記】スズキ版「パレット カスタム」”SW”と新開発CVT追加でルックスもエコも大きく進化!

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【スズキ】2009/10/25

 

新シリーズSWを追加しライバルのダイハツ タントを追撃する!

スズキ パレット SW フロントマスク
 ダイハツのタントに対抗し、徹底して室内空間の広さを追求したスズキ パレットは、タントには及ばないもののまずまず好調な売れ行きを続けていると評価。軽自動車のユーザーのスペース志向は相当に強いものがあるようだ。
パレットは08年1月のデビューから2年近くが経過したこともあり、パレット SWという外観デザインを差別化した新しいシリーズを追加すると同時に、主要グレードに新開発の副変速機付きCVTを設定してきた。
パレット SWという新シリーズはワゴンRでいえばスティングレーに相当するような存在で、ややスポーティで質感を追求した内外装備が用意され、ターボ仕様のエンジンを搭載するのはSWの最上級グレードだけになった。
スズキ パレット SW フロントビュー
スズキ パレット SW リヤビュー
スズキ パレット SW リヤコンビランプ

 

スズキ パレット フロントビュー
スズキ パレット リヤビュー
スズキ パレット フロントマスク
今回新たに加わった新シリーズがパレット SW(写真上段)だ。ちょうどワゴンRのスティングレーのような仕様で、精悍なルックスとスポーティなインテリアが最大の特徴だ。またターボエンジンは、このSWにのみ設定される。

副変速機付きのCVTを世界初採用が高評価!

スズキ パレット 走り
 新たに搭載された副変速機付きCVTはスズキがジャトコや日産と共同開発したもので、日産が先に技術発表を行っている。市販車に採用するのは発売する車種のタイミングからパレットのほうが先になり、スズキが世界初の副変速機付きCVT搭載を標榜することになった。
ハイ-ロー2段切り換えの副変速機を持つことで、機構としてはやや複雑になるものの、CVTの変速比の幅が格段に大きくなるため、低速では力強い走りが、また巡航時には燃費の良い走りを実現できるのが特徴。小さめの滑車を使うことで、比較的コンパクトな設計にできることや、油圧系のロスを減らせることなども特徴となる。
実際に走らせた印象はかなり好感度の高いものだった。今回は自然吸気エンジンとの組み合わせとなるパレットXと、ターボ仕様エンジンとの組み合わせとなるパレット SWのTSに試乗したが、どちらも好印象だった。
良かったのはCVTならではの滑らかな変速フィールで、副変速機による切り換えが行われるときにもエンジンとの協調制御が働くため、いつの間に副変速機のハイとローが切り換わったのが分からないほどだっだ。
強いて気になった点を上げるなら、ブレーキを踏んで停車するときにわずかなショックが感じられること。これは停車中にはエンジンのトルク伝達を抑えて燃費を向上させる仕組みを採用しているためで、そのときのわずかなショックが残っている。まあこれも、注意していないと分からないレベルではあるのだが……。
スズキ パレット 走り
スズキ パレット 走り
スズキ パレット 走り

スズキ パレット 自然吸気エンジン

ボディの全高が高く車重もあるため、自然吸気エンジンでは、上り坂などでやや力不足を感じる場面もある。

スズキ パレット ターボエンジン

SWにのみ設定されるターボエンジン。パワーも4psほどアップした。予算に余裕があるならこちらがオススメ。

スズキ パレット シフトレバー

日産などと共同開発した副変速機付きのCVTを世界初採用。低速の力強さと高速巡航の低燃費を両立させた。

 

スズキ パレット 14インチタイヤ&ホイール

標準車はグレードにより13インチまたは14インチ(写真)のタイヤを装着している。

スズキ パレット SW 14インチタイヤ&ホイール

SWは14インチのアルミホイールを装備する。見た目もスポーティでキャラクターに合ったデザインだ。

スズキ パレット SW 走り

足まわりのセッティングはややソフトで、ロールは大きめだ。だが不安感はなく、快適性は高い。

快適性をより重視したソフトな足まわりを採用

スズキ パレット SW 走り
 パレットはボディの全高が高い分だけ車両重量がやや重いので、54ps(40kW)の自然吸気エンジン搭載車だと走りはちょっと物足りない感じになる。今回からパレット SWのTSだけに絞られたターボ仕様のエンジンは、60ps(44kW)から64ps(47kW)へとパワーアップが図られたこともあって十分にボディに見合った余裕ある走りだ。
パレットもタントと同様に子育てママが主なターゲットユーザーなのだろうから、自然吸気エンジン搭載車のほうが良く売れると思うが、予算に余裕があるならパレット SWのターボ車を選んだほうが良いと思う。
足回りは相変わらず柔らかめの味付けで、コーナーを曲がるときには車体がはっきり傾く感じになる。不安を感じるような傾きではないし、このクルマでワインディングを積極的に走るわけではないが、もう少し硬めの味付けでも良いように思う。
スズキ パレット インテリア
スズキ パレット フロントシート
スズキ パレット リヤシート

 

スズキ パレット SW インテリア

標準車(写真上)は明るめの内装色で広々感を演出。対するSWはブラック内装でスポーティな雰囲気だ。

スズキ パレット SW フロントシート

ベンチシートタイプのフロントシートを採用する。小物の収納なども豊富で、実用性は高い。

スズキ パレット SW リヤシート

リヤシートは十分な広さがあり、とても快適だ。特に上下方向の余裕は軽自動車とは思えないほど。

スズキ パレット メーター

標準車は大きな文字盤のスピードメーターが印象的。表示は大きいので視認性にも優れている。

スズキ パレット SW メーター

パレット SWは、タコメータを装備している。とてもスポーティな雰囲気で好感が持てる。

スズキ パレット 助手席下収納

助手席の下には収納スペースが用意されている。取り外すこともでき、靴などを入れておくのに便利だ。

 

スズキ パレット ラゲッジ
スズキ パレット ラゲッジ
スズキ パレット ラゲッジ
代表グレード スズキ パレット SW XS(FF)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3395×1475×1735mm
車両重量[kg] 930kg
総排気量[cc] 658cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 54ps(40kw)/6500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 6.4kg-m(63N・m)/3500rpm
ミッション CVT
10・15モード燃費[km/l] 21.5km/l
定員[人] 4人
税込価格[万円] 142.8万円
発売日 2009/9/17
レポート 松下宏
写真 佐藤靖彦

(レポート:松下 宏

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