進化したハイブリッドシステムで優れた燃費と走りを両立させたトヨタ プリウスが高評価だ
空力と居住空間を考え抜いたエクステリアデザイン
従来のイメージを保ちつつ、より空力的にも洗練されたエクステリアデザイン。これにより高速燃費が改善されているという。
外観デザインは従来のイメージを継承したものになった。5ドアハッチバックの外観デザインはプリウスを象徴するものとして定着しており、高く評価されていることから、基本的にこれを継承した。ただ、ルーフの中央部分を高くした三角形デザインをより強調するとともに、頂点の部分をやや後方に移動することで、室内に十分な居住空間を確保している。
またボディの四隅の部分を中心に空力的な煮詰めを徹底したほか、ボディの下側の空力にも配慮しており、高速燃費の向上につながるデザインが高評価なのだ。
またボディの四隅の部分を中心に空力的な煮詰めを徹底したほか、ボディの下側の空力にも配慮しており、高速燃費の向上につながるデザインが高評価なのだ。
ルーフ中央をより高くし、少し後方へ移動した。空力効果はもちろん居住スペースもアップしている。
プリウスらしさをキープしつつ、新鮮な印象を与えてくれるフロントマスク。ツーリングセレクション(写真)はトヨタ車初のLEDヘッドランプを採用する。
リヤバンパースポイラーはツーリングセレクションに標準装備で、その他のグレード(Lを除く)はオプション。リヤコンビランプの質感も高い。
使いやすく広々したインテリア
従来同様センターメーターを採用。ナビ画面と共用になっていたエネルギーモニターや燃費表示はこちらに表示されるようになり、いろいろな情報を表示することができる。
インテリア回りのデザインは近未来感覚の新鮮なデザインとなった。メーターはドライバーの正面ではなくセンター部分に配置され、従来はカーナビと共用していたエネルギーモニターや燃費表示などもセンター部分に表示されるようになったと評価しよう。
センターメーターは視線移動が少なくてすむが、やや遠くなって表示が小さくなったことから、ちょっと見にくくなった感じもある。特にエネルギーモニターに表示されるエンジンの始動が確認しにくくなった。
ただ、操作系と表示系とが明確に区分けされたインテリアは、全体に見やすく扱いやすいものとされている。また底部を平らにしたステアリングホイールは乗降性に貢献するものだ。
後席の空間は十分だ。特にインサイトとの比較で語られるヘッドクリアランスは確実にプリウスのほうが広い印象だ。また電池の小型化などによってラゲッジスペースの容量も拡大している。
センターメーターは視線移動が少なくてすむが、やや遠くなって表示が小さくなったことから、ちょっと見にくくなった感じもある。特にエネルギーモニターに表示されるエンジンの始動が確認しにくくなった。
ただ、操作系と表示系とが明確に区分けされたインテリアは、全体に見やすく扱いやすいものとされている。また底部を平らにしたステアリングホイールは乗降性に貢献するものだ。
後席の空間は十分だ。特にインサイトとの比較で語られるヘッドクリアランスは確実にプリウスのほうが広い印象だ。また電池の小型化などによってラゲッジスペースの容量も拡大している。
ハイブリッドらしい先進装備や安全装備が充実評価!
装備はハイブリッド車にふさわしいプリウスならではのものがいろいろと用意されている。ステアリングホイールに設けられたスイッチに手を振れると、メーター内に操作系が表示されるタッチトレーサーディスプレーを始め、ソーラーパネル付きムーンルーフによるベンチレーションシステムやリモートエアコンなどがグレードによってオプションまたは標準装備で設定されている。
安全装備も横滑り防止装置のS-VSCが全車に標準装備されるほか、プリクラッシュセーフティシステム、サイド&カーテンエアバッグを含めた6つのSRSエアバッグなど、安全面での充実度も高評価である。
安全装備も横滑り防止装置のS-VSCが全車に標準装備されるほか、プリクラッシュセーフティシステム、サイド&カーテンエアバッグを含めた6つのSRSエアバッグなど、安全面での充実度も高評価である。
従来同様、ハイブリッドらしい近未来的な雰囲気でまとめられたインテリア。各部のスイッチも操作しやすく、使い勝手はとてもいい。
リヤシートのスペースも拡大され、特に頭上の空間は余裕が増している。ヘッドレストや3点式シートベルトも人数分装着され、安全面も問題はない。
フロントシートまわりのスペースは十分で、小物の収納スペースも豊富だ。最上級グレードのGツーリングセレクション レザーパッケージ(写真)は本革シートを装備している。
排気量アップで高速燃費も改善!
新型プリウスは搭載エンジンが1.8リッターへと排気量アップされ、モーターの出力も向上するなど、システムの高度化が図られている。搭載エンジンを大きくしたことは、高速走行などでの余裕につながるため、燃費を良くすることになると評価していい。
また今回のプリウスでは走行モードが4種類も用意されることになった。標準モードのほか、センターコンソールのスイッチを押すことで、燃費の良い走りを実現するエコモード、逆にアクセルレスポンスを良くしたパワーモード、そして電気だけで走るEVモードの4種類だ。
運転席でスターターボタンを押すと、すぐにシステムが立ち上がってREADYランプが点灯する。これは従来のモデルと同じだ。レバーをDに入れて走り出すと、最初はたいていが電気だけで走り出す。電池が残量計の目盛りふたつ分残っていれば、電気だけで走り出すので、ゆっくりアクセルを踏めば、よほど残量が少ないときをのぞくと、電気だけで走り出す。これがプリウスのハイブリッドシステムの大きな特徴だ。上手に走ると時速70kmくらいまでは電気だけで走れるという。
このほか、信号待ちでは確実にエンジンが停止するので、とても静かクルマになる。これもまたプリウスならではの特徴だ。
EVモードやECOモードで走るには、多少の忍耐も必要で、交通状況によっては後続車からあおられるようにもなりかねない。ゆっくりと燃費の良い走りをすることは大切だが、状況によっては周囲への配慮も必要だ。
また今回のプリウスでは走行モードが4種類も用意されることになった。標準モードのほか、センターコンソールのスイッチを押すことで、燃費の良い走りを実現するエコモード、逆にアクセルレスポンスを良くしたパワーモード、そして電気だけで走るEVモードの4種類だ。
運転席でスターターボタンを押すと、すぐにシステムが立ち上がってREADYランプが点灯する。これは従来のモデルと同じだ。レバーをDに入れて走り出すと、最初はたいていが電気だけで走り出す。電池が残量計の目盛りふたつ分残っていれば、電気だけで走り出すので、ゆっくりアクセルを踏めば、よほど残量が少ないときをのぞくと、電気だけで走り出す。これがプリウスのハイブリッドシステムの大きな特徴だ。上手に走ると時速70kmくらいまでは電気だけで走れるという。
このほか、信号待ちでは確実にエンジンが停止するので、とても静かクルマになる。これもまたプリウスならではの特徴だ。
EVモードやECOモードで走るには、多少の忍耐も必要で、交通状況によっては後続車からあおられるようにもなりかねない。ゆっくりと燃費の良い走りをすることは大切だが、状況によっては周囲への配慮も必要だ。
ツーリングセレクションは走りの良さも楽しめる
ECOモードではアクセルに対するエンジンの反応をやや抑えたり、あるいはエアコンの効き具合を制御したりするので、走りは平均的なものになるが、かなり良い燃費が得られる。
今回から設けられたパワーモードを使うと、エンジンとモーターの足し算による力強い走りが得られる。アクセルワークに対して確実なレスポンスが得られるので、なかなかの実力で相当にスポーティな走りが可能だと評価しよう。
騒音や振動については、グレードというか仕様による違いも大きかった。走らせて良いのは17インチタイヤを履いたツーリングセレクションで、乗り心地も上々のレベルだった。ツーリングセレクションでは電動パワーステアリングのモーターもブラシレスモーターになっていて、従来のプリウスとは異なる好ましいステアリングフィールが得られるのも良い点だ。ただ、タイヤサイズが大きくなるために、最小回転半径が5.5mと大きくなるのは残念なところである。
逆にベースグレードのLは、乗り心地があまり良くないことに加え、振動や騒音が大きめであったり、ステアリングのフィールも頼りないものになる。Lには205万円という低価格が設定されていて、燃費もL だけが38.0km/Lを達成しているのだが、走りを考えると選びにくいグレードだ。
ただ、全体としてはとても良くできたクルマという印象があり、いかにもハイブリッド車らしく停車時や走行中にエンジンが停止するのが良いところだ。
すでに大量の受注を抱えていて、納車待ちが長くなっているプリウスだが、買うならSか、あるいはSツーリングセレクションを選ぶと良い。Lは価格スペシャル、燃費スペシャルに振りすぎた印象である。
今回から設けられたパワーモードを使うと、エンジンとモーターの足し算による力強い走りが得られる。アクセルワークに対して確実なレスポンスが得られるので、なかなかの実力で相当にスポーティな走りが可能だと評価しよう。
騒音や振動については、グレードというか仕様による違いも大きかった。走らせて良いのは17インチタイヤを履いたツーリングセレクションで、乗り心地も上々のレベルだった。ツーリングセレクションでは電動パワーステアリングのモーターもブラシレスモーターになっていて、従来のプリウスとは異なる好ましいステアリングフィールが得られるのも良い点だ。ただ、タイヤサイズが大きくなるために、最小回転半径が5.5mと大きくなるのは残念なところである。
逆にベースグレードのLは、乗り心地があまり良くないことに加え、振動や騒音が大きめであったり、ステアリングのフィールも頼りないものになる。Lには205万円という低価格が設定されていて、燃費もL だけが38.0km/Lを達成しているのだが、走りを考えると選びにくいグレードだ。
ただ、全体としてはとても良くできたクルマという印象があり、いかにもハイブリッド車らしく停車時や走行中にエンジンが停止するのが良いところだ。
すでに大量の受注を抱えていて、納車待ちが長くなっているプリウスだが、買うならSか、あるいはSツーリングセレクションを選ぶと良い。Lは価格スペシャル、燃費スペシャルに振りすぎた印象である。
従来の1.5リッターから1.8リッターへと排気量がアップした。これにより高速走行時などでも余裕が生まれ、燃費改善効果があるという。またモーターの出力も向上し、モーターのみで走行可能な速度域も拡大した。
ミッションは電気式無段変速機を引き続き採用する。トルク増幅効果のあるリダクション機構を追加し、もたーの小型化に成功。ECOモードやEVモード、そしてパワーモードなど全部で4つの走行モードを持つ。
ツーリングセレクションは17インチ、その他は15インチのタイヤ&アルミホイールが標準。17インチ仕様はしっかりしたステアリングフィールを持ち、走りも楽しめるセッティングが与えられている。
代表グレード | トヨタ プリウス L |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4460×1745×1490mm |
車両重量[kg] | 1310kg |
総排気量[cc] | 1797cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 99ps(73kw)/5200rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 14.5kg-m(142N・m)/4000rpm |
モーター最高出力[ps(kw)] | 82ps(60kw) |
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] | 21.1kg-m(207N・m) |
ミッション | 電気式無段変速機 |
10・15モード燃費[km/l] | 38.0km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 205.0万円 |
発売日 | 2009/5/18 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 森山良雄 |
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(レポート:松下 宏)
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