トヨタブランドのトップにふさわしい高級感と安全性を実現
セルシオがレクサス LSに変わったことでトヨタブランドのフラッグシップに位置づけられるようになったクラウン マジェスタが、フラッグシップとして初めてのフルモデルチェンジを受けた。
それだけに、車名をどうするかということからいろいろな議論があったそうで、結果としてクラウン マジェスタの名前が継承された。議論の中ではトヨタ マジェスタではダメなのか、あるいはいっそのことセルシオの名前を使ったらどうかという議論さえあったらしい。結果的には英字で表記したときのクラウンとマジェスタの文字の大きさの関係なども含めて、従来のモデルと同じになった。
新しいマジェスタでは高級車らしい乗り心地の良さや静粛性の高さ、安全性などが徹底追求され、それを運転席だけでなく後席でも実現させたのが特徴だ。
それだけに、車名をどうするかということからいろいろな議論があったそうで、結果としてクラウン マジェスタの名前が継承された。議論の中ではトヨタ マジェスタではダメなのか、あるいはいっそのことセルシオの名前を使ったらどうかという議論さえあったらしい。結果的には英字で表記したときのクラウンとマジェスタの文字の大きさの関係なども含めて、従来のモデルと同じになった。
新しいマジェスタでは高級車らしい乗り心地の良さや静粛性の高さ、安全性などが徹底追求され、それを運転席だけでなく後席でも実現させたのが特徴だ。
マジェスタらしさを追求した存在感のあるフォルムが高評価
大きなヘッドライトやフロントグリルがとても印象的だ。塗装やメッキの質感なども申し分はない。
外観デザインはマジェスタらしい存在感がいっぱいに表現された。ボディの基本骨格などではクラウンと共通部分の多いクルマだが、外観デザインについては全く異なるクルマに仕上げられていると評価していい。
ボディは従来に比べてひと回り大きくなった。全長は20mm拡大したが5m以内に抑え、逆に全幅は 15mm拡大して1800mmを超えた。全高は10mm高い1475mmになった。ホイールベースは大きく延長されて75mmも長くなり、ボディの拡大では足りない分は前後のオーバーハングを切り詰めている。モデルチェンジを重ねるごとに大きく豪華にというのは、従来の価値観を踏襲した部分でもある。
ボディは従来に比べてひと回り大きくなった。全長は20mm拡大したが5m以内に抑え、逆に全幅は 15mm拡大して1800mmを超えた。全高は10mm高い1475mmになった。ホイールベースは大きく延長されて75mmも長くなり、ボディの拡大では足りない分は前後のオーバーハングを切り詰めている。モデルチェンジを重ねるごとに大きく豪華にというのは、従来の価値観を踏襲した部分でもある。
ボディサイズが少し拡大され、より高級車にふさわしい存在感が増している。それでいて全長は5m以内に抑えるなど、国内専用車らしい配慮もなされている。
立体的な造形の前後フェンダーなど、どっしりとした雰囲気を感じさせてくれる。またボディサイドやナンバープレートまわりにメッキパーツを配置することで、車格に見合った高級感も演出されている。
立体的な造形のリヤコンビランプは、クオリティの高さを感じさせてくれる。LED式を採用しているので、悪天候下でも視認性に優れるのはもちろん、消費電力を抑え、燃費にも貢献する。
後席も含めて室内空間の広さは驚くほど高評価!
インテリアは高級感たっぷり。本木目パネルは色を統一するため、一度脱色してから着色し直すなどの手間がかけられている。
室内空間は後席が大きく拡大したのが今回のマジェスタの特徴だ。ホイールベースの延長分の75mmが丸々後席の空間の拡大に充てられたから、後ろの席に座ると本当に広いクルマという印象を受ける。
今回のモデルではGタイプFパッケージという4座の後席重視仕様が用意されていて、ショーファードリブンとして使われることも考慮されている。そのためも含めての後席空間の拡大だ。Fパッケージの後席に座って見ると、本当に広いという印象を受けると評価しよう。
今回のモデルではGタイプFパッケージという4座の後席重視仕様が用意されていて、ショーファードリブンとして使われることも考慮されている。そのためも含めての後席空間の拡大だ。Fパッケージの後席に座って見ると、本当に広いという印象を受けると評価しよう。
本革シートの手触りはとても良く、いかにも高級車に乗っているという雰囲気が味わえる。フロントシートは、ベンチレーション機能も備え、1 年中快適なドライブが楽しめる。またボディサイズやホイールベースの拡大分は、後席のスペースにあてられているので驚くほどの広さが確保されている。後席を重視した4人乗りのGタイプFパッケージ(写真右)は、世界初の後席センターエアバッグが装備されるなど、快適性だけではなく安全性も世界トップレベルだ。
マジェスタ専用のデザインが与えられたインテリア
インテリア回りのデザインは、従来のモデルが基本的にクラウンと共通の形状にまとめられていたのに対し、今回のモデルではマジェスタ専用のデザインが採用されている。単に素材や色使いで差別化するのではなく、造形そのものが専用になった。
木目パネルが艶や紋様を強調したものではなく、割と平凡というかオーソドックスなものに変わったのも今回のマジェスタの特徴。ゴテゴテした過剰な装飾を排して、木目そのものの良さを強調したいとの考えからだ。高い質感を備えるとともに、すっきりした印象を与えるインテリアデザインだ。
装備は快適装備から安全装備までさまざまなものが用意されている。安全装備についていえば、GタイプFパッケージ用に後席中央のSRSエアバッグや前側方&後方プリクラッシュセーフティシステムなど、マジェスタから採用が始まった装備がいろいろある。オーディオについてはマークレビンソンから富士通テン製に変わったが、20スピーカーのシステムが用意され、優れた音場空間を作っている。
木目パネルが艶や紋様を強調したものではなく、割と平凡というかオーソドックスなものに変わったのも今回のマジェスタの特徴。ゴテゴテした過剰な装飾を排して、木目そのものの良さを強調したいとの考えからだ。高い質感を備えるとともに、すっきりした印象を与えるインテリアデザインだ。
装備は快適装備から安全装備までさまざまなものが用意されている。安全装備についていえば、GタイプFパッケージ用に後席中央のSRSエアバッグや前側方&後方プリクラッシュセーフティシステムなど、マジェスタから採用が始まった装備がいろいろある。オーディオについてはマークレビンソンから富士通テン製に変わったが、20スピーカーのシステムが用意され、優れた音場空間を作っている。
Aタイプを除くグレードにオプションのファイングラフィックメーター(写真左)。これは1280×480ドットの液晶パネルにメーターやナビのルート、そしてナイトビューといったさまざまな情報が表示できるもの。新型マジェスタには最新の安全装備が満載されている。プリクラッシュセーフティシステムは前方だけでなく、側方や後方からの衝突にも対応したもの。ナイトビュー(写真右)は、夜間に見えにくい歩行者や障害物をメーター上に表示してくれる装備。
静かで滑らかな走りが味わえる。
新型マジェスタはパワートレーンが新しくなり、V型8気筒4.6リッターエンジンと8速ATとの組み合わせが搭載された。これはレクサス LS460に搭載されたのと同じものだが、細かな部分ではマジェスタ用にさまざまなチューニングが加えられたという。
走り出してすぐに感じるのは静かさだ。トヨタはクラウンの歴史を重ねる中で、そしてセルシオ=レクサスにおいて、静粛性の追求を大きなテーマにしてきた。今回のマジェスタにおいてもそれがはっきりした特徴として表現されている。今回のモデルではリヤドアガラスやリヤウインドーなどの厚みを増やして静粛性を高めているが、それも静粛性の向上に大きく影響している。
静かさと同時に滑らかさも大きな特徴だ。エンジンの吹き上がりと8速ATのフィールは、いずれもスムーズそのもので、とても気持ち良く走らせることができる。特に8速ATはいつの間に変速しているのか全く分からないくらいの滑らかさを実現する。LSでもそうなのだが、このATでは何速のギアを使って走っているかは表示されない。でも、そんな表示が意味を持たないくらいにスムーズな走りが味わえる。なまじ表示したなら数字の変化にビジー感を感じるだけの結果に終わるかも知れない。
走り出してすぐに感じるのは静かさだ。トヨタはクラウンの歴史を重ねる中で、そしてセルシオ=レクサスにおいて、静粛性の追求を大きなテーマにしてきた。今回のマジェスタにおいてもそれがはっきりした特徴として表現されている。今回のモデルではリヤドアガラスやリヤウインドーなどの厚みを増やして静粛性を高めているが、それも静粛性の向上に大きく影響している。
静かさと同時に滑らかさも大きな特徴だ。エンジンの吹き上がりと8速ATのフィールは、いずれもスムーズそのもので、とても気持ち良く走らせることができる。特に8速ATはいつの間に変速しているのか全く分からないくらいの滑らかさを実現する。LSでもそうなのだが、このATでは何速のギアを使って走っているかは表示されない。でも、そんな表示が意味を持たないくらいにスムーズな走りが味わえる。なまじ表示したなら数字の変化にビジー感を感じるだけの結果に終わるかも知れない。
ソフトさとしっかり感を両立させたエアサスペンションに注目
動力性能についても何の不満もない。V8エンジンの発生する347ps(255kW)/46.9kg-m(460N・m)のパワー&トルクは余裕十分で、1800kg前後の重量を持つマジェスタのボディをグイグイと力強く加速させていく。高級セダンならではの余裕を感じさせるエンジンだ。
足回りの乗り心地の良さも特筆モノ。今回のモデルでも全車に電子制御エアサスペンションが採用されていて絶妙の乗り心地を感じさせる。それでいて妙にフワついた感じなどを与えることのない、引き締まった感じもあるエアサスペンションだ。
特徴あるシャシーを採用したのがAタイプLパッケージというモデル。可変ギア比のステアリングと、それを車両の挙動を総合的に制御するVDIMと統合制御することで、高い操縦安定性を実現している。可変ギア比も違和感を感じさせるような極端なものではなく、ごく自然な滑らかなフィールのものとされているのは、いかにもマジェスタらしいところである。パーソナルユーザーが買うなら、これは相当にお勧めできるモデルである。
足回りの乗り心地の良さも特筆モノ。今回のモデルでも全車に電子制御エアサスペンションが採用されていて絶妙の乗り心地を感じさせる。それでいて妙にフワついた感じなどを与えることのない、引き締まった感じもあるエアサスペンションだ。
特徴あるシャシーを採用したのがAタイプLパッケージというモデル。可変ギア比のステアリングと、それを車両の挙動を総合的に制御するVDIMと統合制御することで、高い操縦安定性を実現している。可変ギア比も違和感を感じさせるような極端なものではなく、ごく自然な滑らかなフィールのものとされているのは、いかにもマジェスタらしいところである。パーソナルユーザーが買うなら、これは相当にお勧めできるモデルである。
ミッションはFR(写真左)が8速AT、4WDは6速ATとなる。特に8速ATのスムーズさは驚くほどで、いつ変速しているのかわからないほど。タイヤとアルミホイールは、全車17インチが標準だが、AタイプLパッケージ(写真右)は5本スポークの専用ホイールとなり、他のグレードとは差別化が図られている。
代表グレード | トヨタ クラウン マジェスタ GタイプFパッケージ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4995×1810×1475mm |
車両重量[kg] | 1820kg |
総排気量[cc] | 4608cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 347ps(255kw)/6400rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 46.9kg-m(460N・m)/4100rpm |
ミッション | 8速AT |
10・15モード燃費[km/l] | 9.1km/l |
定員[人] | 4人 |
税込価格[万円] | 790.0万円 |
発売日 | 2009/3/26 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 和田清志 |
(レポート:松下 宏)
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