トヨタ ミライ(MIRAI)試乗記・評価 安定感抜群の低重心設計。酸素を吸い込むコンプレッサーの吸気音が燃料電池車らしさをアピール!

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【トヨタ】2014/11/19

 

 

335Nmという大トルクを発生するモーターを搭載! 酸素を吸い込むコンプライアンスの吸気音は、燃料電池車ならではのサウンド

トヨタ ミライ(MIRAI)

トヨタ ミライ を走らせてみよう。運転席に乗り込んでシートベルトを締め、スターターボタンを押すとシステムが立ち上がる。READYという表示が点灯するのを見て、インスト中央にあるセレクターレバーをDに入れる。これは、 プリウス の採用されてるのと同じタイプのものだ。

軽くアクセルを踏んで走り出そうとしたら、そうはいかなかった。パーキングブレーキが自動的に解除される電気式ではなく足踏み式だったので、もう一度ペダルを踏み込んで解除する必要があった。燃料電池という最先端技術が使われていながら、古典的な足踏み式パーキングブレーキとは・・・。これは、少しばかりがっかりする部分だが、まあ仕方がない。

トヨタ ミライの走りだしは、静かでスムーズだ。電気でモーターを回して走るクルマなので、当然ながら電気自動車 並みの静粛性がある。スルスルと走り出した後、アクセルを踏み込むとグイっと力強く走り出す。これは、瞬時にトルクが立ち上がるモーターの特性によるものだ。加速の力強さは相当なもので、ガソリン車とは違う異次元の加速といっても良い。

トヨタ ミライの電気モーターは、4JM型で113kW/335N・mのパワー&トルクを発生する。ミライの車両重量は1850kgとかなり重いが、それを苦にしないだけの動力性能を備えている。

アクセルを踏み込んで加速するときには、一定の騒音が入ってくる。これは燃料電池に空気を吸い込むためにコンプレッサーが作動している音だ。この音は、トヨタ ミライという燃料電池車を走らせている実感につながるものでもあるので、特にわずらわしさは感じない。

トヨタ ミライ(MIRAI)
トヨタ ミライ(MIRAI)
トヨタ ミライ(MIRAI)

 

 

トヨタ ミライ(MIRAI)

 

 

 

 

まだまだ車重は重いトヨタ ミライだが、低重心化が図られていて、想像以上のコーナーリング性能と快適な乗り心地を提供

トヨタ ミライ(MIRAI)

 トヨタ ミライの車両重量は重い。燃料電池スタックやニッケル水素電池、水素タンクなどを搭載するためだ。スタックや電池は、床下に搭載されるので、重心高が低くなっている。タンクは後席のシート下など、車両後部の低い位置に搭載されているので、重量バランスに優れている。これは、ミライの走りの質にも貢献するものだ。

トヨタ ミライの駆動方式はFF(前輪駆動)。なのに案外回頭性が良いのは、クルマ中心に近い部分に重量物が搭載されていることで、コーナーで良く曲がるクルマに仕立て上げられている。ただ、プレミアムセダンとしての味付けなので、スポーツタイプのクルマのようにキビキビ曲がる感じとは違う。弱アンダー傾向ながら、良く曲がるといった感覚だ。

また、ミライの走行安定性能は、横滑り防止装置のVSCは比較的早めに効きだすように設定されていて、タイトなコーナーを無理して曲がろうとするとすぐに抑え込まれる。このあたりは安定性志向が強く出ている。この味付けで良いと思う。

ミライの足回りは、前輪がストラット式、後輪がトーションビーム式という割とシンプルな構成とされている。これは重量との関係やタンクの搭載などが関係しているのだろう。

シンプルな構成にもかかわらず、乗り心地がとても良い。タイヤが17インチ55タイヤで、偏平率がそれなりということもあるが、それ以上にクルマの重量が重くて重心が低いことが、乗り心地の良さにつながっている。

今回のトヨタ ミライの試乗は、限られた条件下で短時間の試乗だったので、まだまだ試したいことなどはいろいろあったが、ミライの持つ未来感覚はしっかりと体感できた。

トヨタ ミライは、新しい時代のクルマとして大いに期待できることには間違いない。これを自分のクルマとして使う日が来るのが、とても楽しみでならない。

トヨタ ミライ(MIRAI)
トヨタ ミライ(MIRAI)
トヨタ ミライ(MIRAI)

 

 

トヨタ ミライ(MIRAI)価格、燃費、スペックなど

トヨタ ミライ(MIRAI)

■トヨタ ミライ価格:7,236,000円

代表グレード トヨタ ミライ(MIRAI)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,890×1,815×1,535mm
ホイールベース[mm] 2,780mm
トレッド前/後[mm] 1,535/1,545mm
車両重量[kg] 1,850㎏
最小回転半径[m] 5.7m
FCスタック型式 FCA110
FCスタック最高出力[kw(ps)] 114(155)
高圧水素タンク容量[L](2本) 122.4(前方60.0/後方62.4)
モーター最大出力[kw(ps)] 113(154)
モーター最大トルク[N・m(kg-m)] 335(34.2)
駆動用バッテリー ニッケル水素電池
容量[Ah] 6.5
サスペンション(フロント/リヤ) ストラット式コイルスプリング/トーションビーム式コイルスプリング
最高速度(㎞/h) 175
定員[人] 4人
税込価格[円] 7,236,000円
発表日 2014年11月18日
レポート 松下 宏
写真 編集部

 

 

 

 

 

 

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(レポート:松下 宏

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