コンパクトミニバンに疑問! 3列目シートの価値って?
そりゃさぁ、よりたくさん乗せられるほうが良いじゃん。でも、ねぇ・・・。全幅1695ミリという5ナンバーサイズで、全長が4200ミリ前後というコンパクトなサイズの中で、7人も乗せちゃうって、ムリがありませんか? 狭くてもいいの? 3列目シートの人。なんで、こう、なんでも乗車定員が多いほうがいいみたいな価値観が重要視されるんでしょうか? だって、滅多に使わないんでしょう? 3列目シート!! コンパクト系ミニバンが発売されるたびに思うことだ。
そんな、コンパクトなボディに7人乗りというコンセプトのホンダのフリードから遅れること約7ヶ月、トヨタからパッソ・セッテ、ダイハツからブーン・ルミナスが登場した。こんな不況下でも堅調な販売台数なのだから「スゴイ」と評価していい。
冒頭の滅多に使わない3列目シートなら、ボクは必要ないと思うのだが、日本では価値あるものになるケースが多い。というのは、日本という国では、クルマの複数台所有がよっぽど裕福でないとできない。つまり、あまりに税金が高くフツーの人なら、1台維持するのがやっとだからだ。ならば、帰省したときにおじいちゃんやおばあちゃんと家族6人でとか、近所の仲良し3人家族2組でお出かけとか、滅多に使わなくても3列目シートはあったほうがよいというのは十分に分かる。
そんなこともあり、トヨタで言えばノア・ヴォクシー、ホンダで言えばステップワゴンなどのユーザーが、より税金や維持費(燃費など)の安いこのクラスにダウンサイジングしてきている。
そんな、コンパクトなボディに7人乗りというコンセプトのホンダのフリードから遅れること約7ヶ月、トヨタからパッソ・セッテ、ダイハツからブーン・ルミナスが登場した。こんな不況下でも堅調な販売台数なのだから「スゴイ」と評価していい。
冒頭の滅多に使わない3列目シートなら、ボクは必要ないと思うのだが、日本では価値あるものになるケースが多い。というのは、日本という国では、クルマの複数台所有がよっぽど裕福でないとできない。つまり、あまりに税金が高くフツーの人なら、1台維持するのがやっとだからだ。ならば、帰省したときにおじいちゃんやおばあちゃんと家族6人でとか、近所の仲良し3人家族2組でお出かけとか、滅多に使わなくても3列目シートはあったほうがよいというのは十分に分かる。
そんなこともあり、トヨタで言えばノア・ヴォクシー、ホンダで言えばステップワゴンなどのユーザーが、より税金や維持費(燃費など)の安いこのクラスにダウンサイジングしてきている。
ホンダ フリードに対抗! トヨタは怖い…
で、ようやくパッソ・セッテ、ダイハツからブーン・ルミナスの話。トヨタは怖いです。フリードが売れる! と思ったとたんセッテ&ルミナスというクルマを投入してくるのだから。それも、後出しジャンケンなので、価格もググッとフリードの下の価格帯でリーズナブル。不況下の折、やたらと魅力的に見えてくる。企画・生産はダイハツだというが、個人的にトヨタがダイハツに「フリードってクルマが出るみたい。売れそうだから、パッソベースで作ってよ! トヨタにはリソース無いしさぁ」とダイハツに投げたような感じがする。あくまで憶測。
というのは、センターメーターにある燃費計やオドメーターがあるディスプレーの切り替えスイッチがある。ドライバーがコレに触れようとすると、男性でも腕が伸びきってしまい、女性に至っては届かない・・・、なんてこともあるほど遠い。生産ギリギリになってそのことに気が付いたダイハツは、急遽ステアリングの奥左後方に切り替えスイッチを追加したそうだ。つまり、なんと2つも同じ機能を持つスイッチが存在する。
このことは、コスト意識の高く、石橋を叩いても渡らない、積極的にユニバーサルデザインを取り入れる慎重なトヨタが犯す失敗ではないのだ。それほど、ダイハツにとっても急な商品開発だったのではないだろうかというのが、憶測の理由。
というのは、センターメーターにある燃費計やオドメーターがあるディスプレーの切り替えスイッチがある。ドライバーがコレに触れようとすると、男性でも腕が伸びきってしまい、女性に至っては届かない・・・、なんてこともあるほど遠い。生産ギリギリになってそのことに気が付いたダイハツは、急遽ステアリングの奥左後方に切り替えスイッチを追加したそうだ。つまり、なんと2つも同じ機能を持つスイッチが存在する。
このことは、コスト意識の高く、石橋を叩いても渡らない、積極的にユニバーサルデザインを取り入れる慎重なトヨタが犯す失敗ではないのだ。それほど、ダイハツにとっても急な商品開発だったのではないだろうかというのが、憶測の理由。
トヨタ&ダイハツさすがの完成度は高評価だ!
とはいえ、クルマ全体の仕上がりは、さすがトヨタ&ダイハツといえる完成度だ。コンパクトカーを知り尽くしたダイハツが設計しただけあり、限られたスペースの中でできる限り広い空間を作り出す能力は半端じゃない。とくに、前席のドアまわりをコンパクトにまとめ横方向のスペースを上手に作り出している。これは、最大室内幅という定義ではなく、妙な出っ張りが無かったり、ひざやひじなどがどこかに触れたりということがなく、実際に座っても広々とした空間が確保されているということだ。ドアノブなどの内装デザインに関しては、シンプルで凝ったデザインのものではないが、実用性という意味ではピカイチ。品質感も高く、軽自動車で培ったダイハツの技術の真骨頂といえると評価していい。
ライバルとなるホンダ フリードとの大きな違いは、やはりスライドドアの有無。狭い場所での駐車や小さい子供のいるユーザーにとって、やはりスライドドアは有利。ただ、フリードが圧倒的に便利ということもなく、3列目シートはフリードが跳ね上げ式に対して、パッソ セッテは折り畳み式の床下収納である。どちらも微妙な一長一短があるので、選ぶときは、自分にとってどちらが重要なのかじっくり考えてみる必要がある。
3列目シートの居住性に関しては、フリードが若干有利。と、いった程度で大きな差はない。どちらも、3列目シートは緊急で短距離移動用と割り切るべき。
ライバルとなるホンダ フリードとの大きな違いは、やはりスライドドアの有無。狭い場所での駐車や小さい子供のいるユーザーにとって、やはりスライドドアは有利。ただ、フリードが圧倒的に便利ということもなく、3列目シートはフリードが跳ね上げ式に対して、パッソ セッテは折り畳み式の床下収納である。どちらも微妙な一長一短があるので、選ぶときは、自分にとってどちらが重要なのかじっくり考えてみる必要がある。
3列目シートの居住性に関しては、フリードが若干有利。と、いった程度で大きな差はない。どちらも、3列目シートは緊急で短距離移動用と割り切るべき。
小回り、燃費良し高評価!
安全装備に関しては、パッソ・セッテ&フリード共情けないことに、2列目中央席には3点式シートベルトより安全性に劣る2点式シートベルトしか装着されていない。安全性を売りにしているのにもかかわらず、最も重要でベーシックな安全装備であるシートベルトが2点式とは、両メーカーの安全性に対する本音が見えてくる。
エンジンは1.5リッターで109馬力を発生し4速ATと組み合わされる。重量がそこそこ軽いためか、結構軽快に走る。柔らかめなサスペンションのセッティングのため、乗り心地もよく、車内も静かでとても快適。ただ、7人フル乗車したときにどうなるかは・・・。
ハンドリングは、いわゆるダルなミニバン的。スポーティさとは無縁。ひたすら淡々と走り、とくに気になるところも無く無味無臭。クルマが好きやドライブ好きという人にとっては、とても退屈なクルマといえるが、ツールとし見るならば小回りも効くし燃費も良いし死角はほとんどなく完成度は高い評価を得るだろう。
エンジンは1.5リッターで109馬力を発生し4速ATと組み合わされる。重量がそこそこ軽いためか、結構軽快に走る。柔らかめなサスペンションのセッティングのため、乗り心地もよく、車内も静かでとても快適。ただ、7人フル乗車したときにどうなるかは・・・。
ハンドリングは、いわゆるダルなミニバン的。スポーティさとは無縁。ひたすら淡々と走り、とくに気になるところも無く無味無臭。クルマが好きやドライブ好きという人にとっては、とても退屈なクルマといえるが、ツールとし見るならば小回りも効くし燃費も良いし死角はほとんどなく完成度は高い評価を得るだろう。
無味無臭な白物家電CAR?
そんなパッソ・セッテをドライブしながら、ハッとひらめいた。「これは白物家電CAR?」。たった1人で7人乗りのクルマを運転し、自分のシャレに自画自賛し薄ら笑いを浮かべるボクは、周りから見ればかなり気味悪いだろう・・・。そんな良くも悪くも白物家電系ミニバン、パッソ・セッテのキャッチフレーズは「私たち、主婦で、ママで、女です」。「ボクたち、サラリーマンで、パパで、男ですから(オデッセイ風に)」ってことで、クルマこだわり系男子には、まさに無味無臭で、できの良い洗濯機のような白物家電CARだ。
代表グレード | トヨタ パッソ セッテ G Cパッケージ(FF) |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4180×1695×1620mm |
車両重量[kg] | 1190kg |
総排気量[cc] | 1495cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 109ps(80kw)/6000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 14.4kg-m(141N・m)/4400rpm |
ミッション | 4速AT |
10・15モード燃費[km/l] | 15.6km/l |
定員[人] | 7人 |
税込価格[万円] | 159.5万円 |
発売日 | 2008/12/25 |
レポート | 大岡智彦 |
写真 | 高木博史 |
(レポート:大岡 智彦)
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