兄貴分をも上回る機能と評価しオフロード性能を実現した!
トヨタ ランドクルーザーの普及モデルに位置づけられるのがランドクルーザー プラドで、最上級シリーズのランクル200系に比べるとボディサイズはやや小さく、搭載エンジンも排気量が小さいモデルだ。ただ、機能面ではランドクルーザーに匹敵するものが与えられているし、ランドクルーザーの名前を冠する以上は絶対的な信頼性や耐久性が求められる。
卓越したオフロード性能と日常シーンでの快適性を開発の基本テーマとして大きな進化を遂げた今回のモデルは、結果としてランドクルーザー200系を上回るような機能・性能を備えたモデルに仕上げられた。
卓越したオフロード性能と日常シーンでの快適性を開発の基本テーマとして大きな進化を遂げた今回のモデルは、結果としてランドクルーザー200系を上回るような機能・性能を備えたモデルに仕上げられた。
都会でもオフロードでもオフロードでも映えるモダンでたくましいフォルムを目指したというだけあり、存在感の高さはかなりのものがある。
立体的な造形の前後フェンダーなど、いかにもSUVらしい力強さを感じさせてくれる。
大きなフロントグリルがとても印象的だ。ボンネットの両端を少し持ち上げることで、狭い道での取り回しにも配慮している。
今まで以上に上質で存在感のあるフォルムが評価
外観デザインはこれまで以上に堂々とした感じのものになった。ボディは衝突安全のためもあって全長が45mm伸びたが、全幅の拡大は10mmだけ、全高は逆に20mm低くなっているというのに、従来にも増して堂々とした力強い印象を与えるようにになった。
ただ、フロント回りのデザインが表現する偉そう感については、ランドクルーザー200系に一歩譲る感じ。このあたりは逆に、ランドクルーザー プラドらしい存在感をしっかり継承したデザインに仕上げたといえるだろう。
従来のモデルにはショートホイールベースの3ドア車の設定も合ったが、今回のモデルでは5ドア車のみに絞られた。
ただ、フロント回りのデザインが表現する偉そう感については、ランドクルーザー200系に一歩譲る感じ。このあたりは逆に、ランドクルーザー プラドらしい存在感をしっかり継承したデザインに仕上げたといえるだろう。
従来のモデルにはショートホイールベースの3ドア車の設定も合ったが、今回のモデルでは5ドア車のみに絞られた。
リヤコンビランプも立体的な造形とされている。面積も大きめで、視認性にも優れている。
ルーフスポイラーの内部にリヤワイパーが収納される。見た目にもすっきりとしており、好感が持てる工夫だ。
バックドアは左右に開くヒンジ式となっている。狭い場所や小さな荷物の積み下ろしでは、このようにガラスハッチ部分のみの開閉ができるので、非常に便利だ。
オフロードでの機能性も考慮した豪華なインテリア
SUVとしての機能性を求めつつも、まるで高級車のような豪華なインテリア。質感の高さは兄貴分のランクル200にも負けないものがある。
ランドクルーザー プラドはフレーム付きのプラットホームを採用するSUVであるだけに、乗降性については必ずしも良いとはいえない。運転席部分にもステップが設けられているので、それを踏んで、さらにAピラーに設けられたアシストグリップを握って乗り込む形になる。これはオフロードでの走破性とも関係する要素なので止むを得ないところか。
運転席に乗り込むと、コクピット回りの雰囲気はSUVというより高級車に近い印象がある。価格帯の高いクルマだから、高級車的な雰囲気も備えるのは当然でもある。水平基調のインパネに垂直に立つセンタークラスターが特徴で、オフロードに出たときの機能性や操作の確実性などを基本に、日常的な操作性にも優れた快適な運転席回りが作られている。
運転席に乗り込むと、コクピット回りの雰囲気はSUVというより高級車に近い印象がある。価格帯の高いクルマだから、高級車的な雰囲気も備えるのは当然でもある。水平基調のインパネに垂直に立つセンタークラスターが特徴で、オフロードに出たときの機能性や操作の確実性などを基本に、日常的な操作性にも優れた快適な運転席回りが作られている。
最上級グレードのTZ-G(写真)と2.7リッターTX Lパッケージは、本革シートが標準装備される。
セカンドシートも広々しており、ゆったりとくつろげる。左右独立してのスライド機構も装備。
パッケージングを見直すことで、サードシートの着座姿勢はより自然になった。十分実用に耐える快適性は確保されている。
ミニバンにも負けない豊富で使いやすいシートアレンジ
シート配置は3列7人乗りが基本。ベースグレードにだけ2列5人乗りのシートが設定されている。ミニバン的な使い方も意識して作られており、3列目のシートに十分な居住空間が確保されただけでなく、2列目のシートにウォークイン機構を備えて3列目のシートへの乗り降りを容易にしたり、逆に簡単な操作で 3列目のシートを格納してフラットなラゲッジスペースを作ることもできる。
7人乗車時でも最低限のラゲッジスペースが確保されている。
サードシートの収納はとても簡単だ。上級グレードは電動だが、手動式の場合でもワンタッチで格納できるのがポイント。
セカンドシートは4:2:4の分割式で、乗車人数や荷物の量にあわせて様々なアレンジが可能だ。
オフロード走行重視なら4リッターモデルがオススメ
ランドクルーザー プラドのパワートレーンは2種類で基本的には従来のモデルと変わらない。直列4気筒2.7リッターエンジンと電子制御4速ATの組み合わせと、V型6気筒 4リッターエンジンと電子制御5速ATとの組み合わせの2種類だ。4リッターエンジンは改良によって出力と燃費の向上が図られている。
フロントがダブルウィッシュボーン式でリヤが4リンク式のサスペンションも従来と変わらないが、本格的な4WDシステムに加えてKDSSやマルチテレインセレクト、マルチテレインモニター、クロールコントロール、AVS&リヤ電子制御エアサスペンションなど、オフロードを走破するための先進装備がいろいろと盛り込まれた。これらの装備の中にはランドクルーザー200系に先に採用されたものもあるが、逆にプラドが先になった装備もあり、全体としてはランドクルーザー200系を上回る仕様を備えている。
2.7リッターエンジン+4速ATの走りは平凡。2トンを超える車両重量に対して 163ps(120kW)/25.1kg-m(245N・m)のパワー&トルクは、特に不満を感じるものではないとはいえ、余裕十分の走りということでもない。オフロードに出ることのないユーザーが選ぶモデルだ。
4リッターエンジンは従来のモデルの途中から搭載されているV型6気筒の1GR- FE型。今回のモデルでは276ps(203kW)/38.8kg-m(380N・m)のパワー&トルクを発生するようになった。これだけの動力性能があると2トン級のボディを引っ張るのも楽々。オンロード、オフロードを問わず元気良く走らせることができる。
前後のスタビライザーを自動的に制御してオフロードでの走破性を高める(同時にオンロードでの快適性も向上させる)KDSSは、4リッターエンジンを搭載したTZ系に標準装備されている。またマルチテレインセレクト+クロールコントロールなどはセットでTZ系にオプション設定だ。いずれの装備も、4リッター車でもTXや2.7リッター車には装備されない。
フロントがダブルウィッシュボーン式でリヤが4リンク式のサスペンションも従来と変わらないが、本格的な4WDシステムに加えてKDSSやマルチテレインセレクト、マルチテレインモニター、クロールコントロール、AVS&リヤ電子制御エアサスペンションなど、オフロードを走破するための先進装備がいろいろと盛り込まれた。これらの装備の中にはランドクルーザー200系に先に採用されたものもあるが、逆にプラドが先になった装備もあり、全体としてはランドクルーザー200系を上回る仕様を備えている。
2.7リッターエンジン+4速ATの走りは平凡。2トンを超える車両重量に対して 163ps(120kW)/25.1kg-m(245N・m)のパワー&トルクは、特に不満を感じるものではないとはいえ、余裕十分の走りということでもない。オフロードに出ることのないユーザーが選ぶモデルだ。
4リッターエンジンは従来のモデルの途中から搭載されているV型6気筒の1GR- FE型。今回のモデルでは276ps(203kW)/38.8kg-m(380N・m)のパワー&トルクを発生するようになった。これだけの動力性能があると2トン級のボディを引っ張るのも楽々。オンロード、オフロードを問わず元気良く走らせることができる。
前後のスタビライザーを自動的に制御してオフロードでの走破性を高める(同時にオンロードでの快適性も向上させる)KDSSは、4リッターエンジンを搭載したTZ系に標準装備されている。またマルチテレインセレクト+クロールコントロールなどはセットでTZ系にオプション設定だ。いずれの装備も、4リッター車でもTXや2.7リッター車には装備されない。
新型ランドクルーザー プラドに搭載されるエンジンは2種類。4リッターのV6(写真上)は低速域でも力強く、オフロードから街中まで扱いやすい特性だ。回転フィールも滑らかで静粛性も高い。対する2.7リッターの直4は、重い車重に対しての余裕は少ないが、特に不満を感じることはない。
最新の電子デバイスで驚くほどの悪路走破性を体感できる
今回の試乗では、富士ヶ嶺オフロードでの試乗も設定されていて、雨でぬかるんだオフロードコースも体験した。まず副変速機を4Lにセットした上で、マルチテレインセレクトで路面に合ったモードを選び、ぬかるみなどの状況ではクロールコントロールを使って走ると、クルマでこんなところを走れるのかと驚くくらいに高い走破性を持つのが分かる。
ランドクルーザー200系では3段階切り替えだったクロールコントロールの速度制御は、今回のランドクルーザー プラドでは5段階切り換えに変わっていて、よりきめの細かい制御が可能になった。特に下り坂を下るときのヒルデセントコントロールとして使うには、5段階の制御が役に立った。
このような機能を考えたら、プラドを買うなら4リッターエンジンを搭載した上級グレード車を選ぶのが良いが、価格がかなり高くなるのがまずひとつの問題。またもうひとつの問題として、年に何回かはクルマをオフロードに持ち出すようなユーザーでないと、プラドの持つ機能を所有する意味がないことがあげられる。
プラドの機能や性能は素晴らしいし、こうした機能・性能を求めるユーザーが世界中にいるのだが、高いオフロード性能を持てば持つほど、多くの日本人ユーザーにとって縁の薄いクルマになってしまうのも確かである。
ランドクルーザー200系では3段階切り替えだったクロールコントロールの速度制御は、今回のランドクルーザー プラドでは5段階切り換えに変わっていて、よりきめの細かい制御が可能になった。特に下り坂を下るときのヒルデセントコントロールとして使うには、5段階の制御が役に立った。
このような機能を考えたら、プラドを買うなら4リッターエンジンを搭載した上級グレード車を選ぶのが良いが、価格がかなり高くなるのがまずひとつの問題。またもうひとつの問題として、年に何回かはクルマをオフロードに持ち出すようなユーザーでないと、プラドの持つ機能を所有する意味がないことがあげられる。
プラドの機能や性能は素晴らしいし、こうした機能・性能を求めるユーザーが世界中にいるのだが、高いオフロード性能を持てば持つほど、多くの日本人ユーザーにとって縁の薄いクルマになってしまうのも確かである。
ミッションは4リッターV4が5速AT(写真)で、2.7リッターは4速ATが組み合わされる。どちらも滑らかな変速が味わえるが、5速ATはマニュアルモードを備え、スポーティな走りも楽しめる。
トルセンLSD付きのフルタイム4WDシステムを搭載。デフロックやトランスファーの切り替えはこちらのスイッチで行なえる。また悪路でのホイールスピンなどを防いで脱出をアシストするクロールコントロール(写真右のスイッチ)は4リッターエンジン搭載のTZ系にオプションで用意されている。
最上級グレードのTZ-Gにはリヤのエアサスペンションが標準装備される。また足まわりの硬さもコンフォート/ノーマル /スポーツの3種類が選べるAVSという足まわりを装備している。
TZ系は18インチ(写真左)、その他のグレードは17インチのタイヤ&アルミホイールが標準装備される。タイヤは悪路での走破性だけでなく街中や高速道路での快適性も重視したものが装着されている。
代表グレード | トヨタ ランドクルーザー プラド TZ-G |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4760×1885×1835mm |
車両重量[kg] | 2180kg |
総排気量[cc] | 3955cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 276ps(203kw)/5600rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 38.8kg-m(380N・m)/4400rpm |
ミッション | 5速AT |
10・15モード燃費[km/l] | 8.2km/l |
定員[人] | 7人 |
税込価格[万円] | 475.0万円 |
発売日 | 2009/9/14 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 高木博史 |
(レポート:松下 宏)
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