【フォルクスワーゲン ゴルフ6試乗記】環境性能を磨き上げ、まさに全方位スキなし!! [CORISM]

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【VW】2009/04/30

ヘッドライトや全体のシルエットなどは従来のゴルフのイメージを受け継いでいる。しかしグリルのデザインは大きく変更され、新鮮さをプラスすることに成功している。

歴代ゴルフの良さを受け継いだ正統派のフルモデルチェンジが高評価

フォルクスワーゲン ゴルフ フロント
 フォルクスワーゲン の主力車種であるゴルフ の6代目モデルが登場した。5代目ゴルフがデビューしてからすでに5年が経過しており、その間にTSI エンジンやDSGを搭載するなど進化を重ねてきたが、今回のモデルチェンジで6代目に進化した。
 新しいゴルフでは、デザイン、質感、静粛性、安全性などが特徴とされており、TSIエンジン+DSGという高い評価を受けているパワートレーンはきちんと継承された。

ひと目でゴルフとわかるシンプルなデザインに注目!

フォルクスワーゲン ゴルフ TSIハイライン リヤ
 5ドアハッチバック ボディの外観デザインはいかにもゴルフらしいものだ。というか、今回もまたひと目でゴルフと分かるデザインが採用された。フロントのグリル回りは変更されて顔つきがやや変わったが、それでもゴルフと分かる顔をしている。
 サイドビューはシンプルでクリーンなもので、ゴルフらしさが明快に表現されている。ショルダー部分のしっかりしたキャラクターラインは力強さを感じさせるものだ。
 ボディは少し大きくなった。今回のモデルは基本プラットホームを継承し、基本骨格も変わっていないのだが、ボディはやや拡大されている。全長はわずか5mm長くなっただけにとどまったが、全幅は30mmも拡大されて1790mmになった。これはドアの把手部分が出っ張っていることが大きいものの、30mmの拡大は数値としては大きいと評価だ。
フォルクスワーゲン ゴルフ リヤ

リヤビューもひと目でゴルフとわかるもの。プラットホームは先代のものと共通だが、ボディは少し大きくなり全幅が 30mm広くなった。

フォルクスワーゲン ゴルフ フロントマスク

フロントグリルは、従来よりもわずかに横長のイメージに変更された。またバンパー下部の開口部も大きくなっている。

フォルクスワーゲン ゴルフ リヤコンビランプ

リヤコンビランプのデザインは、全体のフォルムにマッチしたシンプルなデザイン。質感は大幅に向上したという印象だ。

使い勝手の良さはそのままに質感が大幅にアップした!

フォルクスワーゲン ゴルフ インテリア
 室内空間の広さは従来と変わっていない印象だ。前席、後席とも大人が余裕で乗れる空間が確保されていて、広さについては何の不満もない。ゴルフらしい合理的なパッケージングが素直に実現されていて、後席に座ると頭上にも足元にも十分な空間がある。
 機能性や操作性を重視したインテリアはゴルフが得意とするところだが、今回のモデルでは高い質感を追求したのが大きな特徴だ。上級車の品質をゴルフでも採用するという考えのもとに、これまでにないクォリティが与えられたと高評価である。
フォルクスワーゲン ゴルフ インテリア

新型ゴルフは質感が大幅にアップしたのが特徴で、インテリアも上質さが増している。使い勝手などの機能性はそのままなので、ユーザーにはうれしい変更といえるだろう。

フォルクスワーゲン ゴルフ フロントシート

室内の広さに不満は感じられない。フロントシートはしっかりと体を包み込んでくれるのでスポーティな走りも楽しめ、長距離ドライブでも疲れにくいのが特徴だ。

フォルクスワーゲン ゴルフ リヤシート

リヤシートも広さは十分で、大柄な男性でも窮屈な印象はまったくない。もちろん人数分の3点式シートベルトとヘッドレストは標準装備だ。

充実した快適装備と安全装備で安心感は抜群

フォルクスワーゲン ゴルフ ラゲッジ
 シートをひとつをとっても、コンフォートラインにはファブリックのコンフォートシートが、ハイラインにはアルカンターラとファブリックのスポーツシートが用意され、さらにハイラインにはオプションでレザーシート(8ウェイパワーシート、シートヒーター付き)も設定されている。
 カーナビは日本仕様として専用に開発されたRNS510がオプション設定される。CDプレーヤー付きAM/FMラジオは標準装備で、iPod接続も可能とされている。窓ガラスに遮音性能を高めた厚めのガラスを採用したことで静粛性が高まり、オーディオも良い音で聞けるようになった。
 安全装備は新たにSRSニーエアバッグが採用され、全部で9つのエアバッグが装備されるなど、一段と充実したものになった。もちろんESP、EBD付きABS、DSR(ドライバーステアリング・リコメンデーション)、全席3点式シートベルト、むち打ち低減ヘッドレスなどは全車に標準だ。
フォルクスワーゲン ゴルフ メーター
フォルクスワーゲン ゴルフ ラゲッジ
フォルクスワーゲン ゴルフ ラゲッジ

メーターのデザインもゴルフらしい雰囲気。中央のインフォメーションディスプレーの表示は大きく見やすい。歴代ゴルフの美点でもあるラゲッジの広さは文句なし。開口部の広さや容量、そして形状などに不満はなくとても使い勝手がいい。

洗練された7速DSGとTSIエンジンによりパワフルで滑らかな走りを実現

フォルクスワーゲン ゴルフ 走り
 今回発売された新型ゴルフは、1.4リッターエンジンにターボを装着した120ps(90kW)/20.4kg-m(200N・m)の仕様と、1.4 リッターエンジンにターボとスーパーチャージャーを装着した160ps(118kW)/24.5kg-m(240N・m)の2機種だ。トルクの数字から見たらそれぞれ2リッターと2.4リッターエンジン並みの実力を持つ。トランスミッションは両方とも7速DSGが組み合わされる。従来はツインチャージのエンジンには湿式の6速DSGが組み合わされていたが、今回のモデルでは全車に乾式の7速DSGが組み合わされるようになった。
 その7速DSGは今回のゴルフではより洗練されたものになった。湿式の6速に比べると乾式の7速は低速域でのギクシャク感がやや大きめに感じられたが、それがうまく解消されて走りの質感を向上させてきたのが今回のゴルフである。オイルを介在させる湿式並みの滑らかさといっても良いくらいだ。
フォルクスワーゲン ゴルフ 1.4リッターTSIエンジン(シングルターボ)
フォルクスワーゲン ゴルフ 1.4リッターTSIエンジン(ターボ+スーパーチャージャー)
フォルクスワーゲン ゴルフ シフトレバー

ゴルフに搭載されるのは2種類の1.4リッターTSIエンジンだ。コンフォートライン(写真左)はシングルターボ、ハイラインはターボとスーパーチャージャーを組み合わせたツインチャージタイプ。どちらも大排気量エンジン並みのパワー&トルクを発揮するのはもちろん、 16km/Lを越えるカタログ燃費を誇る環境性能の高さも持っている。ミッションは全車に乾式の7速DSGを搭載する。従来はややギクシャクする場面もあったが新型では滑らかさが増し、クルマ全体の質感を高めることに成功している。

しなやかな足まわりはドイツ車らしい安定感を味わえる

フォルクスワーゲン ゴルフ 走り
 エンジンはコンフォートライン用のシングルターボ仕様でも十分といえる実力。低速域から十分なトルクを発生するので、とても1.4リッターエンジンとは思えないような走りを見せる。ツインチャージ仕様のエンジンになると低速トルクは一段と太くなり、余裕十分といった感じの走りになる。わずか1500回転で2.4リッター並みのトルクを発生するのだから、走りの気持ち良さも当然という感じだ。ツインチャージのエンジンでアクセルを踏み込んでいくと、レッドゾーンに飛び込むところまで一気に回って変速していく。シングルターボに比べるとより高回転まで回るのが気持ち良い。
 足回りの安定感はさすがにドイツ車といった感じ。乗り心地も決して悪いものではないのに、コーナーではゆったりとロールしてそこで踏ん張る感じになる。この安定感と懐の深さはゴルフの伝統ともいえるものだ。
 乗り心地に関して言うと、コンフォートラインが16インチの55扁平、ハイラインが17インチの45扁平で、ハイラインのほうがサイズ的にはスポーティなものを履いていたが、ブランドは同じミシュランでも16インチはエコタイヤのエナジー、17インチはラグジュアリータイヤのプライマシーだったため、17インチのハイラインのほうが逆に乗り心地が良いくらいの印象があった。
フォルクスワーゲン ゴルフ 16インチタイヤ&アルミホイール
フォルクスワーゲン ゴルフ 17インチタイヤ&アルミホイール
フォルクスワーゲン ゴルフ 走り

コンフォートライン(写真左)は16インチ、上級モデルのハイラインは17インチ仕様となる。タイヤ銘柄が異なるせいか、17インチ仕様のハイラインでも驚くほど乗り心地はいい。

代表グレード フォルクスワーゲン ゴルフ TSIコンフォートライン
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4210×1790×1485mm
車両重量[kg] 1290kg
総排気量[cc] 1389cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 122ps(90kw)/5000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 20.4kg-m(200N・m)/1500〜4000rpm
ミッション 7速DSG
10・15モード燃費[km/l] 16.8km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 275.0万円
発売日 2009/4/14
レポート 松下宏
写真 佐藤靖彦

(レポート:松下 宏

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