【フォルクスワーゲン パサートヴァリアントR36 試乗記】パサートヴァリアント最強のスポーツモデル[CORISM]
【VW】2008/12/28
パワフルな3.6リッターV6エンジンによる刺激的な走りは高評価
フォルクスワーゲン は最近、ラインナップの幅を広げようとする姿勢を強めている。それは単純にラインナップを上下に広げるのではなく、機能性を重視したクルマだけでなくエモーショナルな要素も合わせ持ったクルマをラインナップするという意味だ。
先に投入されたパサート CCはそれを代表するものだし、その少し前に発売されたパサートR36もそうした流れの中にある。アウディ もSやRSのシリーズによってスポーツイメージを高めているが、フォルクスワーゲンもゴルフR32に次いでパサートヴァリアント R36を投入することで、スポーティモデルのラインナップを強化しようという考えのようだ。Rはレーシングを意味する文字だが、フォルクスワーゲンがパサートヴァリアントで直接レースに参加することではない。
パサートシリーズ最速モデルという触れ込みで登場したR36は、日本ではセダンではなくヴァリアントにのみ設定された。国内ではセダン に対してヴァリアントの販売比率が高いことが理由だろう。搭載されるV型6気筒3.6リッターエンジンは、標準モデルのV6 4MOTIONに搭載される3.2リッターエンジンをベースに開発されたもので、排気量を3.6リッターに拡大すると同時に専用のチューニングを施した FSI(直噴)エンジンで、6速DSGと組み合わされている。
R36を走らせると本当に“速い”という印象を受ける。220kWのパワーは馬力に換算すると299psに相当し、35.7kg-m(350N・m)のトルクと合わせて余裕の動力性能を持つのだから当然だ。でも、そのパワーの出方はとても洗練された印象があり、妙な荒々しさは感じない。ごく自然に速度に乗っていくという感じで滑らかに速いのだ。
自然吸気エンジンらしくアクセルワークに素直に反応することが、滑らかな走りのフィールにつながっている。また6速DSGのフィールも上々で、DSGに任せるだけでもスムーズな走りが可能だし、パドルシフトを操作して積極的に変速操作を楽しむのも良い。
先に投入されたパサート CCはそれを代表するものだし、その少し前に発売されたパサートR36もそうした流れの中にある。アウディ もSやRSのシリーズによってスポーツイメージを高めているが、フォルクスワーゲンもゴルフR32に次いでパサートヴァリアント R36を投入することで、スポーティモデルのラインナップを強化しようという考えのようだ。Rはレーシングを意味する文字だが、フォルクスワーゲンがパサートヴァリアントで直接レースに参加することではない。
パサートシリーズ最速モデルという触れ込みで登場したR36は、日本ではセダンではなくヴァリアントにのみ設定された。国内ではセダン に対してヴァリアントの販売比率が高いことが理由だろう。搭載されるV型6気筒3.6リッターエンジンは、標準モデルのV6 4MOTIONに搭載される3.2リッターエンジンをベースに開発されたもので、排気量を3.6リッターに拡大すると同時に専用のチューニングを施した FSI(直噴)エンジンで、6速DSGと組み合わされている。
R36を走らせると本当に“速い”という印象を受ける。220kWのパワーは馬力に換算すると299psに相当し、35.7kg-m(350N・m)のトルクと合わせて余裕の動力性能を持つのだから当然だ。でも、そのパワーの出方はとても洗練された印象があり、妙な荒々しさは感じない。ごく自然に速度に乗っていくという感じで滑らかに速いのだ。
自然吸気エンジンらしくアクセルワークに素直に反応することが、滑らかな走りのフィールにつながっている。また6速DSGのフィールも上々で、DSGに任せるだけでもスムーズな走りが可能だし、パドルシフトを操作して積極的に変速操作を楽しむのも良い。
前後のエアロバンパーやシルバーのフロントグリルなど、数々のR36専用アイテムがスペシャルモデルであることを物語っている。
ルーフスポイラーやダークテールレンズ、そしてツインエキゾーストパイプなどがスポーツモデルらしい雰囲気をプラスしている。
R36専用に開発された3.6リッター V6エンジンは、非常にパワフルで豪快な走りが楽しめる。荒々しさはなく洗練されたフィーリングだ。
しっかりしたハンドリングとしなやかさを両立させた足まわり
フロントシートレザーとアルカンターラを組み合わせた R36専用のシートを装備する。スポーツモデルにふさわしく、サイドのサポート性はかなりのもの。
こうした走りの質感の高さは足回りについても同様で、専用のスポーツサスペンションを採用するものの、ゴツゴツした硬さを感じさせることなく、しっかりした安定感のある乗り味と乗り心地の良さとが両立されている。これには電子制御サスペンションのDCCが採用されていることもあるが、DCCでスポーツモードを選択しても、乗り心地が悪くはならないのだ。さらにいえば、フルタイム4WD システムの4MOTIONの採用で、操縦安定性はより高いレベルに達していると評価しよう。
ボディサイズはちょっと大きめながら、ワインディングなどではけっこう気持ち良く走れ、走っている途中ではボディサイズを忘れてしまうくらいの軽快さがあった。
外観デザインなどはやや控えめな印象だ。シルバーにメッキされたグリルやエアロバンパー、18インチタイヤ&ブルーのブレーキキャリパーなどによって差別化が図られているものの、全体としてR36であることを強く主張する感じではない。控えめに主張している印象だ。
インテリアもブラックを基調にメタル調シルバーの加飾が施されているが、これもあくまでもパサートをベースにしたものだ。サイドサポートの張り出したレザー&アルカンターラのスポーツシートが採用されているのは大きな相違点で、スポーティな走りを楽しむときにもしっかりと体を支えてくれる。サイドサポートの出っ張りによってシートベルトが装着しにくいのは小さな難点だ。インテリアではほかにステンレス製の専用ペダルなども注目される。
パサートヴァリアントR36の価格は590万円に設定されていて、標準のパサートヴァリアントV6 4MOTIONの512万円に比べて78万円高の設定。装備の仕様の差があるので単純な比較はできないが、ゴルフGTI とゴルフ R32との価格差が100 万円に設定されていることから見てもパサートヴァリアントR36の価格はそこそこリーズナブルなものといえる。ただ、パサートのブランド力はゴルフよりも弱いくらいであるのが現実で、パサートで約600万円の予算というと、ちょっと考えてしまうところがあるのも実情だ。
ボディサイズはちょっと大きめながら、ワインディングなどではけっこう気持ち良く走れ、走っている途中ではボディサイズを忘れてしまうくらいの軽快さがあった。
外観デザインなどはやや控えめな印象だ。シルバーにメッキされたグリルやエアロバンパー、18インチタイヤ&ブルーのブレーキキャリパーなどによって差別化が図られているものの、全体としてR36であることを強く主張する感じではない。控えめに主張している印象だ。
インテリアもブラックを基調にメタル調シルバーの加飾が施されているが、これもあくまでもパサートをベースにしたものだ。サイドサポートの張り出したレザー&アルカンターラのスポーツシートが採用されているのは大きな相違点で、スポーティな走りを楽しむときにもしっかりと体を支えてくれる。サイドサポートの出っ張りによってシートベルトが装着しにくいのは小さな難点だ。インテリアではほかにステンレス製の専用ペダルなども注目される。
パサートヴァリアントR36の価格は590万円に設定されていて、標準のパサートヴァリアントV6 4MOTIONの512万円に比べて78万円高の設定。装備の仕様の差があるので単純な比較はできないが、ゴルフGTI とゴルフ R32との価格差が100 万円に設定されていることから見てもパサートヴァリアントR36の価格はそこそこリーズナブルなものといえる。ただ、パサートのブランド力はゴルフよりも弱いくらいであるのが現実で、パサートで約600万円の予算というと、ちょっと考えてしまうところがあるのも実情だ。
フロントだけでなく、リヤシートの背もたれにもR36のロゴが入れられている。スペースは広く、ゆったりと快適なドライブが楽しめる。
インテリアのデザインは基本的にノーマルモデルと共通だが、専用ステアリングやアルミのセンターコンソールなどで、差別化が図られている。
ラゲッジの容量や使い勝手はノーマルモデルとまったく同じ。スペシャルモデルといえども、ワゴンらしい実用性はしっかり確保されている。
代表グレード | フォルクスワーゲン パサートヴァリアントR36 |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4820×1820×1490mm |
車両重量[kg] | 1770kg |
総排気量[cc] | 3598cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 299ps(220kw)/6600rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 35.7kg-m(350N・ m)/2400〜5300rpm |
ミッション | 6速AT |
10・15モード燃焼[km/l] | 8.8km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 590.0万円 |
発売日 | 2008/9/4 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 佐藤靖彦 |
(レポート:松下 宏)
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