【アストンマーティン DBS ヴォランテ 新車試乗記】アストン生誕の地で夢のドライビング・ハイを味わう!
【アストンマーチン】2009/09/07

200時間をかけ手造り生産される工芸品が高評価

1台3000万円を軽く超えるオープンモデルなどそうざらにはない。日本で買えるとなるとロールスロイスなどの超高級車ならいざ知らず、スポーツカーでは、あのフェラーリですら現行モデルにはこの価格帯にモデルが用意されていない。アストンマーチンは手作りを売り物にする。その手作りの工場を見せてもらった。
さすがである。1台作り上げるのに、このDBSというクルマは200時間もかかる。このうち50時間は塗装にかけている。量産車が行うような塗料の池の中へどぶ漬けする方法はとらず、1台1台ほとんどが手作業のスプレー吹き付けだ。しかもその後の磨きは職人技が存分に発揮されて、見事なまでに綺麗が塗装面を輝かせていた。シート作りにしても90も の本革の部位を縫い合わせていくのだが、縫製は1台について2人の職人までと決められている。理由はステッチのかけ方は人によって異なり、極力均一化を図るための措置だという。とにかく何もかもが素晴らしく丁寧だったと評価する。
さすがである。1台作り上げるのに、このDBSというクルマは200時間もかかる。このうち50時間は塗装にかけている。量産車が行うような塗料の池の中へどぶ漬けする方法はとらず、1台1台ほとんどが手作業のスプレー吹き付けだ。しかもその後の磨きは職人技が存分に発揮されて、見事なまでに綺麗が塗装面を輝かせていた。シート作りにしても90も の本革の部位を縫い合わせていくのだが、縫製は1台について2人の職人までと決められている。理由はステッチのかけ方は人によって異なり、極力均一化を図るための措置だという。とにかく何もかもが素晴らしく丁寧だったと評価する。
イギリス・コッツウォルズ地方にあるアストンマーチンの本社。
1台1台丁寧に行われる塗装工程。写真は塗装・後磨き工程の模様。
1台あたり最大2名の職人が手掛ける本革内装の製縫工程。

ただただひたすら「気持ちよい」!

まだ生産が始まったばかりで、あのジェームス・ボンドですらクーペにしか乗っていないこの「アストンマーティン DBS」のオープンモデル『ヴォランテ』を、アストンマーチンの生地、イギリスのコッツウォルズ地方で走らせた。ここはシェークスピアの生まれ故郷に近く、車好きならシルバーストーン・サーキットがすぐ近くにあることで有名な場所である。一般道でもその気になればかなりのスピードで走らせることができるが、大方のクルマは100km/h程度で走っている。信号はほとんど無い。適度なワインディングとかなりの高低差がある丘が組み合わされた気持ちの良いカントリーロードだ。
このスピード領域ではただひたすら気持ち良いという印象しか残らなかった。サスペンションはノーマルとスポーツにその硬さを変えられる、可変ダンピングシステムを持つ。スピードが40km/h以下に落ちるような市街地だとスポーツモードはその硬さが残るが、一旦100km/h 近くにまで上がってしまうと市街地で感じていた突き上げ感は全くない。むしろ前述した高低差のある丘を越えるような時は確かな接地感があって好評価が持てた。
このスピード領域ではただひたすら気持ち良いという印象しか残らなかった。サスペンションはノーマルとスポーツにその硬さを変えられる、可変ダンピングシステムを持つ。スピードが40km/h以下に落ちるような市街地だとスポーツモードはその硬さが残るが、一旦100km/h 近くにまで上がってしまうと市街地で感じていた突き上げ感は全くない。むしろ前述した高低差のある丘を越えるような時は確かな接地感があって好評価が持てた。




流行りに流されず、静かに貫き通すアストン・スタイルの真髄

クーペのDBS には日本市場では6速のマニュアルしか用意されていなかったが、今回のヴォランテには6速ATが設定される。日本のユーザーにとっては待望と言えよう。しかもV8ヴァンテージに使われているセミオートマチックではなく、ZF製のフルオートマチックだ。AT車では感じられなかったのだが、搭載される6.4 リットル517psのV12ユニットは、恐ろしく低速トルクが充実していて、14%というスキー場並みの坂を5速1000rpmでこともなげに登って行くのには驚かされた。ソフトトップの開閉は14秒でこなすというが、ウィンドーの上下を含めるともう少しかかる。でも、信号待ちで開け閉めが出来る程度の時間である。敢えてソフトトップにしているのは軽量化が目的。そういえばプロペラシャフトにもカーボンファイバーを使うなど、極力軽量化を考慮している。
デザインはアストンマーチン流に、流行に流されない伝統的モチーフを生かしたスタイル。やはり大人を感じさせるクルマである。つい先頃トヨタからiQが OEM供給される話が出たばかり。レース好きの社長同士が気があったのか、今後も注目される。
デザインはアストンマーチン流に、流行に流されない伝統的モチーフを生かしたスタイル。やはり大人を感じさせるクルマである。つい先頃トヨタからiQが OEM供給される話が出たばかり。レース好きの社長同士が気があったのか、今後も注目される。




代表グレード | アストンマーティン DBS ヴォランテ[5.9リッターV12/FR]※数値は欧州値 |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4721x1905x1280mm |
車両重量[kg] | 1810kg |
エンジン | V型 12気筒 DOHC 48Vエンジン |
総排気量[cc] | 5935cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 517ps(380kW)/6500rpm |
最大トルク[N・m/rpm] | 570N・m/5750rpm |
トランスミッション | Touchtronic2(電子制御6速AT) |
0-100km/h加速 | 4.3秒 |
最高速度 | 307km/h |
定員[人] | 2人 |
レポート | 中村 孝仁 |
写真 | Aston Martin |
(レポート:CORISM編集部)
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