【シトロエン 新型 C4 試乗記】ゴルフにはない世界観! 新型1.6リッターエンジンを搭載した独特の乗り味とは!? [CORISM]

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【シトロエン】2009/03/22

マイナーチェンジでエクステリアを一新した!

 シトロエン は現在、日本ではコンパクト なC2やC3をラインナップから外していて、ミドルクラスのC4 をベーシックモデルに、C4ピカソ、C5 、C6のラインナップとしている。そのC4がマイナーチェンジを受けた。クサラからC4に変わったのが日本では2005年5月だったから、約4年振りのマイナーチェンジになる。
 今回の変更では外観デザインや内装の仕様の変更は控えめで、新エンジンの搭載が大きなポイントだ。まずはデザインの変更に触れておこう。
 変わったのはフロント回りのデザインで、シトロエンを象徴するダブルシェブロンから下部のフロントグリルにかけてのデザインが新しくなった。大きな台形に変わったことで、フロント回りの存在感が増し、遠くからでもひと目でシトロエンと分かるようになった。また内装は素材やカラーの変更などによって質感の向上が図られている。透過式のセンターメーターや中央のパッド部分が固定式のステアリングホイールなどは従来と同様にシトロエンの個性となる部分だ。
シトロエン C4 フロントマスク

フロントまわりのデザインが一新され、より存在感が増している。ひと目でシトロエンとわかるアイデンティティを手に入れている。

シトロエン C4 フロント

どっしりとした安定感のあるリヤビューは、とても印象的だ。リヤコンビランプなどのデザインも非常に個性的な雰囲気だ。

シトロエン C4 リヤ

シトロエンを象徴するダブルシェブロンやフロントグリルまわりのデザインが一新され、独特の存在感を感じさせてくれる。

シトロエン C4 走り

従来の2リッターエンジンに代えて1.6リッターターボを搭載

シトロエン C4 1.6リッターエンジン
 全面的に新しくなったのは搭載エンジンだ。従来の1.6リッターと2リッターのエンジンに代わって、プジョー ・シトロエングループとBMW が共同開発した新しい1.6リッターエンジンが搭載されている。これはすでにプジョー308などに搭載されて定評を得ているエンジンだ。
 1.6に搭載される自然吸気エンジンは可変バルブタイミング機構など最新の技術を採用し、120ps(88kW)/16.3kg-m(160N・m)の実力を発揮する。パワー&トルクとも従来の1.6リッターエンジンに対して向上が図られている。実際に走らせた印象でも、吹き上がりがスムーズになったほか、トルク感が向上して走り安くなった印象がある。アクセルを踏み込んで行けばレッドゾーンの手前の6000回転くらいまできっちり回る。回したときのパワーフィールもまずまずの評価である。
 1.6Tエクスクルーシブに搭載されるターボ仕様のエンジンは140ps(103kW)/24.5kg-m(240N・m)のパワー&トルク。ツインスクロールターボの装着により、パワーは2リッター並み、トルクに至っては2.4リッター並みの実力を持つ。このトルクの太さは走りの気持ち良さにつながるもので、ターボではなく排気量の大きなエンジンに乗っているような印象になる。1300kg台のC4のボディに対しては十分すぎる実力だ。
 この1.6リッターターボは従来の2リッターの自然吸気エンジンに代わって搭載されたものだが、パワーはともかくトルクは大きく向上しており、これが好ましい走りのフィールにつながっている。
シトロエン C4 インテリア

インテリアは使用される素材やカラーが変更され、より上質な雰囲気へと生まれ変わった。小物の収納スペースも豊富に用意される。

シトロエン C4 リヤシート

後席のスペースも満足できるもの。頭上や足元の空間にも余裕があり、長距離ドライブでもゆったりとくつろげるスペースだ。

シトロエン C4 フロントシート

シートの造りの良さは、さすがシトロエンらしいもの。ソフトなかけ心地ながら、コーナーなどでもしっかり体を支えてくれる。


シトロエン C4 メーター

デジタル式のセンターメーターは、視認性も良好。デザインも凝っていて、いかにもフランス車らしいおしゃれな雰囲気だ。

シトロエン C4 ラゲッジ

ラゲッジスペースは広さ、形状ともに使いやすいもの。容量はボディサイズを考えれば十分以上で、大きな不満は感じられない。

シトロエン C4 ラゲッジ

リヤシートを収納すれば、驚くほど広いスペースが現われる。開口部も大きく、かさばる荷物や重いものの積み込みも楽にできる。

独特なフィールの味わい深い走り

シトロエン C4 エンブレム
 自然吸気、ターボとも4速ATと組み合わされる。ATは電子制御式の4速でマニュアル操作も可能なタイプだが、DSGなどが普及してきた今の時代にあっては記号的に古さを感じるのは否定できない。MT車が大半を占めるフランスでATの開発が遅れがちなのは止むを得ないだろう。
 ただ、4速ではあるものの、走らせて不満を感じるかと聞かれると必ずしもそうではないと答えることになる。3速ギアがカバーする範囲が広いので、加減速の多い市街地走行でも余分な変速をすることがなく、スムーズな走りが得られるからだ。
 逆にいえば、3速のカバーする範囲が広すぎて、車速が65km/h以上にならないと4速ギアが選択されない点はやや気になった。これは日本での使い方というか、日本の道路での流れを考えるともう少し早くシフトアップしたほうが良いように思う。
 C4はシトロエンの特徴である油圧式サスペンションを採用したモデルではないが、乗り心地の良さはこのクラスのクルマの中でも特筆される存在だ。硬めの足回りを特徴とするゴルフなどのドイツ車とは明確に異なる味付けだ。やや軽めのステアリングフィールと合わせ、独特の味を出していて、シトロエンの一員であることが良く分かる。
 今回のマイナーチェンジで価格は横這いからやや上昇したが、1.6Tエクスクルーシブではパノラミックガラスルーフが標準装備になるなど、仕様が向上した部分もある。それを考えると納得モノの価格と評価だ。
シトロエン C4 1.6リッターエンジン

C4に搭載されるエンジンは1.6リッターのターボと自然吸気の2種類。低速域から十分なトルクを発揮するので、とても扱いやすい。

シトロエン C4 シフトレバー

ミッションは全車4速ATを採用する。マニュアルモードを備えているので、キビキビとした軽快な走りを楽しむことができる。

シトロエン C4 16インチタイヤ&ホイール

タイヤは乗り心地や燃費の良さも考慮したものを装着する。キビキビしたハンドリングとしなやかな乗り心地を両立しているのはさすがだ。

シトロエン C4 走り

代表グレード シトロエン C4 1.6
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4295×1775×1480mm
車両重量[kg] 1300kg
総排気量[cc] 1598cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 120ps(88kw)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 16.3kg-m(160N・m)/4250rpm
ミッション 4速AT
10・15モード燃費[km/l] 11.4km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 269.0万円
発売日 2009/2/26
レポート 松下宏
写真 ウィズフォト

(レポート:松下 宏

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