【ホンダ インサイト 試乗記】ハイブリッド車の価格破壊! 環境にも財布にも優しい究極のエコカー登場!! [CORISM]
【ホンダ】2009/03/15
空力などを煮詰めた結果か、ライバルのプリウスを思わせるエクステリアデザインだ。価格は安いが、安っぽさを感じさせない先進的な雰囲気を持っている。
驚きの価格189万円で登場したハイブリッド車
今年登場するクルマの中で、最大の注目車のひとつであるインサイトが発売されたと、高評価したい。インサイトという名前のクルマは、燃費を徹底追求した2ドアクーペのハイブリッド車があったので、今回のモデルはフルモデルチェンジということになるが、新型インサイトはボディが5ドアハッチバックに変わったので、全く新しいクルマが登場したと考えるほうが妥当だ。
新型インサイトは、環境性能に優れ、使い勝手が良く、運転して楽しいハイブリッド車を、低価格で提供することをコンセプトに開発された。比較的シンプルなホンダ独自のIMA方式のハイブリッドシステムを採用したのを始め、プラットホームのフロント部分をフィット共通化することなど、さまざまな工夫をすることで、低価格で手に入れやすいハイブリッド車に仕上げている。スタート価格が189万円からというハイブリッド車の価格設定は驚きのひと言だ。
新型インサイトは、環境性能に優れ、使い勝手が良く、運転して楽しいハイブリッド車を、低価格で提供することをコンセプトに開発された。比較的シンプルなホンダ独自のIMA方式のハイブリッドシステムを採用したのを始め、プラットホームのフロント部分をフィット共通化することなど、さまざまな工夫をすることで、低価格で手に入れやすいハイブリッド車に仕上げている。スタート価格が189万円からというハイブリッド車の価格設定は驚きのひと言だ。
ライバルのトヨタ プリウスを思わせるデザイン
これまでのハイブリッド車は、同クラスのガソリン車に比べると少なくとも40万〜50万円は高く、いくら燃費が良くても取り戻せないくらいの価格差があった。ハイブリッド車に乗ることの見栄代を払わなければ乗れなかったのがこれまでのハイブリッド車だ。それに対して新型インサイトは現実的な選択肢にできるリアリティのあるハイブリッド車と評価していい。
外観デザインは見るからにプリウスに似た印象がある。5ドアハッチバックのボディで空力特性を追求すると同じような形になるらしいが、これもホンダに言わせるとプリウスに似ているわけではないという。空力特性の徹底追求はホンダが先に初代インサイトで実施したことであり、2代目プリウスのほうがむしろ初代インサイトに似ているとのことだ。その言い分も分からないではないが、Aピラーからルーフにかけてのラインがプリウスと似ているのは否定できない。もう少し違った形にできなかったものかと思う。
外観デザインは見るからにプリウスに似た印象がある。5ドアハッチバックのボディで空力特性を追求すると同じような形になるらしいが、これもホンダに言わせるとプリウスに似ているわけではないという。空力特性の徹底追求はホンダが先に初代インサイトで実施したことであり、2代目プリウスのほうがむしろ初代インサイトに似ているとのことだ。その言い分も分からないではないが、Aピラーからルーフにかけてのラインがプリウスと似ているのは否定できない。もう少し違った形にできなかったものかと思う。
リヤの視界を確保するために設けられたウインドーなど、リヤまわりもプリウスに似た印象だ。
フロントまわりのデザインは、オデッセイや燃料電池車のFCXクラリティに共通するイメージとなっている。
サイドまで大きく回り込んだリヤコンビランプは視認性も良好。質感も高く、安っぽい印象はない。
シンプルながら先進性を感じさせるインテリア
シンプルながら安っぽさはなく、先進的な雰囲気のインテリア。視界も良く、狭い道でも運転はしやすい。
インサイトのインテリアデザインは価格を抑えるために豪華な仕様を排しながらも、安っぽさを感じさせないような先進感のあるデザインに仕上げている。
運転席に座るとまず注目されるのがスピードメーターが上部に、タコメーターなどが通常の位置に配置されたマルチプレックスメーターが目につく。ステアリングの上から見るスピードメーターの部分は、燃費の良い走り方をしているかどうかによって色が変わるアンビエントメーターとされていて、燃費の良い運転を促すコーチング機能を備えている。燃費の良い走りをしているときには速度を示す数字の回りがグリーンになり、燃費の良くない走りをしているときにはブルーになるという仕組みだ。その中間的な色調もあるので、常に燃費を意識して走れると高い評価である。
タコメーターの内側にはマルチインフォメーションディスプレイが備えられ、画面を切り換えることで燃費の良い走りかどうかが分かるなど、さまざまな情報が得られる。
運転席に座るとまず注目されるのがスピードメーターが上部に、タコメーターなどが通常の位置に配置されたマルチプレックスメーターが目につく。ステアリングの上から見るスピードメーターの部分は、燃費の良い走り方をしているかどうかによって色が変わるアンビエントメーターとされていて、燃費の良い運転を促すコーチング機能を備えている。燃費の良い走りをしているときには速度を示す数字の回りがグリーンになり、燃費の良くない走りをしているときにはブルーになるという仕組みだ。その中間的な色調もあるので、常に燃費を意識して走れると高い評価である。
タコメーターの内側にはマルチインフォメーションディスプレイが備えられ、画面を切り換えることで燃費の良い走りかどうかが分かるなど、さまざまな情報が得られる。
フロントシートまわりのスペースはゆったりしている。小物の収納も豊富で、使い勝手はとてもいい。
人数分の3点式シートベルトとヘッドレストは、きちんと装着されている。ただ頭上の空間にはあまり大きな余裕は感じられない。
上下2段式のルチプレックスメーターと呼ばれるメーターを採用。スピードメーター部分は走り方によって色が変わり、エコ走行をサポート。
優れた環境性能だけでなく安全装備も充実!
ECONスイッチをオンにすると、エアコンやエンジンの制御を変更し、より燃費のいい走りが可能になる。
2ドアクーペから5ドアハッチバックに代わって大きく向上したのが居住空間の広さと使い勝手の良さ。ルーフの後端が下がっているため後席のヘッドクリアランスは小さめだが、それでもAM95(アメリカ人男性の95%)に対応する居住空間だという。
安全装備はサイド&カーテンエアバッグが全車にオプションで、VSAは最上級グレードのLSに標準で、ほかのグレードにはオプション設定だ。後席の中央にも3点式シートベルトとヘッドレストが装備されている。このあたりは全世界共通の仕様ということだろう。
快適装備はインターナビのほか、スマートキーやコンフォートビューパッケージが全車にオプション設定されている。基本がオーディオレスなので、ナビを装着しない場合もオーディオの装着が必要だ。
安全装備はサイド&カーテンエアバッグが全車にオプションで、VSAは最上級グレードのLSに標準で、ほかのグレードにはオプション設定だ。後席の中央にも3点式シートベルトとヘッドレストが装備されている。このあたりは全世界共通の仕様ということだろう。
快適装備はインターナビのほか、スマートキーやコンフォートビューパッケージが全車にオプション設定されている。基本がオーディオレスなので、ナビを装着しない場合もオーディオの装着が必要だ。
ラゲッジスペースは広く、使い勝手はとてもいい。開口部も大きいので、荷物の出し入れはとても楽だ。フロアは2段式になっており、普段は使わない三角停止版などもスマートに収納できる。
基本的にはエンジンで走行し必要なときにモーターでアシスト
ホンダのハイブリッドシステムは基本的にエンジンが回っていて、必要に応じて電気モーターがアシストする仕組み。信号待ちのときなどはアイドルストップ機構が働いてエンジンが止まるが、発進時にブレーキを緩めたとたんにエンジンがかかり、エンジンを使って走り出す。発進時にはEVモードにはならないのがホンダのIMAの特徴だ。
アイドルストップはエアコンをオフにしていると減速時に時速6km以下に落ちるとほぼ必ずエンジンが止まる感じ。ブレーキペダルを踏んでいれば、それに必要な負圧が残っている限りはエンジンが止まっている。エアコンを動かしているとアイドルストップになりにくいが、電池の容量に余裕があるとエンジンが止まる。ただ、エアコンがONだと20秒から30秒程度で再始動がかかる。またPレンジではアイドルストップにならない設定になっていのはやや残念なところ。バックギアに入れた段階でアイドルストップが働かなくなる仕組みらしいが、これももうひと工夫してエンジンが止まりやすくしたい。
左足でブレーキを踏んでアイドルストップで停車しているときでも、右足でアクセルを踏み込めばエンジンが始動する。坂道発進などもスムーズにできる。
新しいインサイトでは、シビックのハイブリッドと比べてもEVモーターだけで走れる範囲が拡大されており、時速40km台でうまくアクセルを抜いて流れに乗ると、EVモードの走りになる。これをうまく利用するには慣れも必要だ。
インパネの右側にECONボタンが設けられていて、これを押してONにして走ると全体に燃費の良い走りになる。エアコンの働きを抑えたり、あるいはドライバーがアクセルを踏みすぎたときには、燃料の供給を抑えるなど、燃費志向のモードになる。インサイトに乗るなら、常にECONをONにして走るのが良いだろう。
アイドルストップはエアコンをオフにしていると減速時に時速6km以下に落ちるとほぼ必ずエンジンが止まる感じ。ブレーキペダルを踏んでいれば、それに必要な負圧が残っている限りはエンジンが止まっている。エアコンを動かしているとアイドルストップになりにくいが、電池の容量に余裕があるとエンジンが止まる。ただ、エアコンがONだと20秒から30秒程度で再始動がかかる。またPレンジではアイドルストップにならない設定になっていのはやや残念なところ。バックギアに入れた段階でアイドルストップが働かなくなる仕組みらしいが、これももうひと工夫してエンジンが止まりやすくしたい。
左足でブレーキを踏んでアイドルストップで停車しているときでも、右足でアクセルを踏み込めばエンジンが始動する。坂道発進などもスムーズにできる。
新しいインサイトでは、シビックのハイブリッドと比べてもEVモーターだけで走れる範囲が拡大されており、時速40km台でうまくアクセルを抜いて流れに乗ると、EVモードの走りになる。これをうまく利用するには慣れも必要だ。
インパネの右側にECONボタンが設けられていて、これを押してONにして走ると全体に燃費の良い走りになる。エアコンの働きを抑えたり、あるいはドライバーがアクセルを踏みすぎたときには、燃料の供給を抑えるなど、燃費志向のモードになる。インサイトに乗るなら、常にECONをONにして走るのが良いだろう。
意外なほど元気な走りを楽しめる!
インサイトを走らせた印象は、普通のクルマとそう変わらないなというものだった。基本的にエンジンが回っているタイプのハイブリッド車であるのと同時に、走りの元気の良さについても普通のクルマ並みだからだ。
搭載される1.3リッターエンジンは位相差点火のDSI機構を備えたi-VTECエンジンで、エンジン単体では88ps(65kW)/12.3kg-m(121N・m)を発生する。これに14ps(10kW)/8.0kg-m(78N・ m)の電気モーターが加わる。システムとして発生できる動力性能は単純な足し算ではないが、エンジンに加えてモーターの力も加わるので、走りの元気良さは十分なレベルにある。
インサイトはコンパクトカーとしてはちょっと重い1200kg前後の車両重量があるが、走りの元気良さはフィットよりも上の印象だ。フィットは重量は軽いがエンジンだけで走っているので、元気の良さではインサイトにやや劣る印象だ。
足回りはけっこう硬めの印象。特に後席に座ったときに硬さを感じた。その分だけ安定感のある走りが可能である。逆に電動式のパワーステアリングは手応え不足の感じがあってややフリクションも感じられた。もう少しすっきりしたフィールが欲しい。
インサイトでECONをONにして首都高の都心環状線を2周したときの燃費は 25.2kmだった。渋滞はわずかという燃費を稼ぎやすい状況だったことも理由だろう。このときにはエアコンをOFFにしていたが、エアコンをONにして走ったら燃費は1割ほど悪化して22.7km/Lになった。外気温が12〜13度でエアコンを24度に設定してこの数字だったが、夏場の炎天下ではもっと悪化するかも知れない。
搭載される1.3リッターエンジンは位相差点火のDSI機構を備えたi-VTECエンジンで、エンジン単体では88ps(65kW)/12.3kg-m(121N・m)を発生する。これに14ps(10kW)/8.0kg-m(78N・ m)の電気モーターが加わる。システムとして発生できる動力性能は単純な足し算ではないが、エンジンに加えてモーターの力も加わるので、走りの元気良さは十分なレベルにある。
インサイトはコンパクトカーとしてはちょっと重い1200kg前後の車両重量があるが、走りの元気良さはフィットよりも上の印象だ。フィットは重量は軽いがエンジンだけで走っているので、元気の良さではインサイトにやや劣る印象だ。
足回りはけっこう硬めの印象。特に後席に座ったときに硬さを感じた。その分だけ安定感のある走りが可能である。逆に電動式のパワーステアリングは手応え不足の感じがあってややフリクションも感じられた。もう少しすっきりしたフィールが欲しい。
インサイトでECONをONにして首都高の都心環状線を2周したときの燃費は 25.2kmだった。渋滞はわずかという燃費を稼ぎやすい状況だったことも理由だろう。このときにはエアコンをOFFにしていたが、エアコンをONにして走ったら燃費は1割ほど悪化して22.7km/Lになった。外気温が12〜13度でエアコンを24度に設定してこの数字だったが、夏場の炎天下ではもっと悪化するかも知れない。
●お勧めグレード
いずれにしてもインサイトは、今の時代のハイブリッド車としてけっこう魅力的な存在である。買うならベースグレードのG を選べば良く、189万円にカーナビやVSAなどのオプションを装着すればいい。相当に身近なハイブリッド車といえる。
1.3リッターながらモーターのアシストも加わるので、意外に元気な走りを披露してくれる。停車時は状況に応じてアイドリングストップするので、燃費も優れている。
ミッションはCVTを採用する。燃費に有利なのはもちろん、走りも滑らかで好感が持てるもの。
最上級グレードのLS(写真)は16インチのタイヤを装着するためやや燃費が悪くなってしまう。その他のグレードは15 インチ仕様となり、こちらは30km/Lのカタログ燃費を実現している。
代表グレード | ホンダ インサイト G |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4390×1695×1425mm |
車両重量[kg] | 1190kg |
総排気量[cc] | 1339cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 88ps(65kw)/5800rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 12.3kg-m(121N・m)/4500rpm |
ミッション | CVT |
10・15モード燃費[km/l] | 30.0km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 189.0万円 |
発売日 | 2009/2/5 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 佐藤靖彦 |
(レポート:松下 宏)
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