ホンダN-ONE試乗評価 元F1エンジニア渾身の軽を超えた軽自動車!!

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【ホンダ】2013/01/03

 

 

軽自動車メーカーを震撼させる、ホンダ軽自動車戦略、第3のモデルがN-ONE

ホンダN-ONE フロント

N-ONE G・Lパッケージ。

 新型N-ONEは、ホンダの新世代軽自動車の本命モデルともいえるクルマで、相当に気合の入ったクルマ作りがなされている。ホンダは2011年の東京モーターショーで、3車種の軽自動車の投入を表明したN BOX、N BOXカスタム、N BOX+、そしてN-ONEであり、軽自動車市場のど真ん中に投入するモデルだ。

驚かされたのは、ホンダの新世代軽自動車はこれで終わりではないことだ。N-ONEの発表よりも前に行われた伊東社長の記者会見では、2015年度までの間に6車種の軽自動車を発売することが表明された。

N-ONEは、3車種目として新世代軽自動車の最後のモデルになるのではなく、N-ONEを皮切りに新たに6車種の投入が予定されているといのだ。この中には当然ながら、燃費志向を強めたライフ、オープンスポーツのビート後継モデル、1BOX系のバモスなどが含まれることになるのだろう。

ホンダの軽自動車攻勢はまだまだ続くわけで、これはこれで大いに楽しみである。

<ホンダN-ONEの人気グレードや色を分析評価! 詳しくはコチラ↓↓↓↓>
ホンダN-ONE(エヌワン)新車情報/購入ガイド 売れてます! 1ヶ月で2万5000台、その内訳を分析評価する!

ホンダN-ONE リヤスタイル

初期の受注では、約53%が価格も安いN-ONEを選択。

ホンダN-ONE タイヤ ホイール

N-ONEツアラープレミアムLパッケージ。
ホンダN-ONE エンブレム

 

ホンダN-ONE リヤスタイル

 

 

 

 

ミニからのインスピレーションは、N360譲り。質感を高めたプレミアムは、軽自動車を超えた?

 話をN-ONEに戻そう。まずは外観デザインだ。ホンダではタイムレスデザインという言い方をしていた。団塊世代に懐かしさを感じさせるデザインであると同時に、若い世代には新鮮なデザインとして映るようなデザインを目指したという。

ルーフだけをボディカラーと異なる色に塗り替えるツートーンカラースタイルを設定するなど、ミニの影響を受けている部分もあるが、一般的な軽自動車とは違う独特の個性を表現したデザインである。

ちなみに、ツートーンカラースタイルは、生産ラインから外して手作業で塗装するとのことで、生産台数に制約があるため、納車までにかなり時間がかかる状態だという。

N-ONEはインテリア回りも仕上がりも、並みの軽自動車とは違うレベルにある。特にプレミアムと呼ばれるシリーズは、専用にコーディネートしたインテリアが用意され、本革巻きステアリングホイールや手触りの良さシート表皮、専用のインパネ素材などが高い質感を表現している。

プレミアムは単にデザインや素材などだけの問題ではなく、入念な防音対策を施すことによって静かな走りも実現している。走りの面での質感も高めているわけだ。

ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用したパッケージングの良さは、先に発売されているN BOXなどと変わらない。N-ONEはやや全高が低くなる分だけ室内空間の容量は小さくなるが、後席に座ったときの足元空間の広さは十分なもので、座面のチップアップや背もたれを倒すことで、長尺物からかさばるものまで、さまざまな形状と大きさの荷物を積めるようになる。

運転席回りを中心に豊富な収納スペースが確保されるほか、後部のラゲッジスペース下にはサブトランクも用意されている。

ホンダN-ONE インパネ

N-ONE G・Lパッケージインパネ

ホンダN-ONE メーター

メーターはホンダらしい、コッテリとしたデザイン

ホンダN-ONE フロントシート

シンプルなシート表皮。少しアップライトなポジションで運転はしやすい

 

ホンダN-ONE リヤシート

余裕ある後席。床面がフラットなので乗り降りも容易

ホンダN-ONE リヤシート跳ね上げシート

2分割で跳ね上げ可能なリヤシート。どう使うかは別として、N-ONEならではの機能

ホンダN-ONE ラゲッジスペース

196Lの容量を確保したラゲッジスペース。

 

ホンダN-ONE リヤシートフラット ラゲッジスペース

リヤシートを倒すと広大なスペースに。長尺物もらくらく収納。

ホンダN-ONE アンダーラゲッジスペース

床下にも収納スペースがあるので、いざというときに便利

ホンダN-ONE インパネ

スッキリとした助手席まわり。

F1エンジニアが創り出した意欲作

ホンダN-ONE ターボエンジン

アイドリングストップ機能はないターボエンジンだが、クラストップレベルのパワフルさをもつ

 N-ONEは、走りに関しても相当に意欲的だ。開発責任者の浅木LPLは、F1エンジニアとしての経験から、ターボを装着すれば排気量が倍のエンジンに相当すると言い、660ccターボは1.3Lエンジンを搭載するフィット並みの走りが得られるという。

N-ONEには、ターボエンジンの搭載車にツアラーという名前が付けられているが、これは高速での長距離ドライブも意識してのこと。それに耐えるパワートレーンや足回りに仕上げている。

エンジンの動力性能は、先に発売されたN BOXなどと変わらないが、N BOXに比べるとN-ONEは車両重量がやや軽くなる分だけ走りが良くなり、燃費も向上している。

N-ONEの走りの良さは、ターボ仕様のエンジンを搭載したツアラーが際立っている。低速域から十分なトルクを発生するので、力強い加速感がスムーズに得られる。CVTとの組み合わせでダイレクト感は、それほどではないが、特に違和感を感じるシーンもない。

ターボ車は、ツアラーLパッケージとプレミアムツアラーLパッケージの両方に試乗した。この両モデルの間にはタイヤの違いがある。プレミアムツアラーLパッケージは15インチタイヤを履いていて、ツアラーLパッケージの14タイヤ装着車に比べると、乗り心地がちょっと硬めの印象になる。

コーナーでの安定感などは当然ながら15インチタイヤのほうが勝るが、総合的に考えたらどちらが良いかは微妙な感じ。乗り心地を考えたら14インチタイヤのほうが良いが、プレミアムの装備や仕様が欲しい人は自動的に15インチになる。

 

スタビライザーを持たない自然吸気のG系は、さすがに走りは今一歩

ホンダN-ONE 自然吸気エンジン

燃費は他車に劣るが、パワフルでよく回る自然吸気エンジン

 自然吸気エンジンを搭載する標準車のG・Lパッケージにも試乗したが、G系のモデルにはフロントスタビライザーが装着されていない。プレミアムの自然吸気エンジンの搭載車には装着されるのに、G系にだけはないのだ。

このため、走り出すとすぐに安定性の違いが分かる。軽めのステアリングフィールで、中央付近に少しあいまいさがあった後、舵を切るとすぐに姿勢が傾く感じになるからだ。

また、自然吸気エンジンの搭載車は、元気良く走らせようとするとエンジンを回しがちなり、その分だけエンジン音が入ってくる。プレミアムツアラー・Lパッケージなどが静粛性の面で頑張っているのに比べると、はっきりした違いがある印象だ。

予算が許せば、N-ONEはターボのプレミアムツアラーLパッケージがオススメ

 N-ONEでは、ターボ仕様車のツアラーがメインといった感じであり、ターボ車を中心に考えたい。ターボ車は自然吸気エンジンの搭載車に比べると10万円以上高くなるが、走りの性能や仕様の違いなどを考えたら止むを得ないだろう。

タウンユースを中心にした日常ユースなら、自然吸気エンジンの搭載車でも十分だが、その場合でも足回りの違いを考えるとプレミアムを選んだほうが良い。

ターボ車でも、できればプレミアムを選びたい。内外装の仕様に明確な違いがあり、軽自動車的な安っぽさを感じさせないプレミアムは、コンパクトカーやミドルセダンなどからダウンサイジングするユーザーに最適のモデルといえる。

N-ONEには、さらに、各グレードにLパッケージが設定されている。サイドカーテンエアバッグなどが標準装備となるのがLパッケージで、サイドエアバッグがオプション設定されるのもLパッケージだけだ。プレミアムツアラーLパッケージには、サイドエアバッグもサイドカーテンエアバッグも標準で装備されている。

安全装備の有無につながるLパッケージは、必須の選択といえるもので、プレミアムツアラーLパッケージとなると、FF車でも153万円になり、その上でツートーンカラースタイルを選ぶとさらに5万円ほど高くなる。

欲を言ったらきりがないという感じなので、自分の予算に合わせてグレードを決めるしかないのだが、予算に余裕があるなら、最上級グレードがイチ推し。前述の15インチタイヤだけがわずかに気になる点だ。

ホンダN-ONE インパネ

N-ONEツアラープレミアムLパッケージのインパネ。

ホンダN-ONE フロントシート

プレミアムのシート表皮も高級感はある。

ホンダN-ONE インパネ

プレミアムは、インパネ塗装など、光沢があるり高い品質感を感じる。

 

 

N-ONE価格、スペック 燃費など

<ホンダN-ONE価格>
■N-ONE
G FF 1,150,000円 4WD 1,270,000円
G 2トーンカラースタイル 1,207,750円 4WD 1,327,750円
G・Lパッケージ FF 1,240,000円 4WD 1,360,000円
G・Lパッケージ 2トーンカラースタイル FF 1,297,750円 4WD 1,417,750円
Tourer FF 1,230,000円 4WD 1,350,000円
Tourer 2トーンカラースタイル FF 1,287,750円 4WD 1,407,750円
Tourer・Lパッケージ FF 1,370,000円 4WD 1,490,000円
Tourer・Lパッケージ 2トーンカラースタイル FF 1,427,750円 4WD 1,547,750円

■N-ONE Premium
Premium FF 1,360,000円 4WD 1,480,000円
Premium 2トーンカラースタイル FF 1,417,750円 4WD 1,537,750円
Premium・Lパッケージ FF 1,390,000円 4WD 1,510,000円
Premium・Lパッケージ 2トーンカラースタイル FF 1,447,750円 4WD 1,567,750円
Premium Tourer FF 1,440,000円 4WD 1,560,000円
Premium Tourer 2トーンカラースタイル FF 1,497,750円 4WD 1,617,750円
Premium Tourer・Lパッケージ FF 1,530,000円 4WD 1,650,000円
Premium Tourer・Lパッケージ 2トーンカラースタイル FF 1,587,750円 4WD 1,707,750円

代表グレード ホンダN-ONE G・Lパッケージ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3,395×1,475×1,610mm
ホイールベース[mm] 2,520mm
トレッド前/後[mm] 1,305/1,305mm
車両重量[kg] 840
総排気量[cc] 658cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 43(58)/7,300
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 65(6.6)/3,500
ミッション CVT
タイヤサイズ 155/65R14
JC08モード燃費 27.0km/L
定員[人] 4人
税込価格[円] 1,240,000円
発表日 2012/11/1
レポート 松下 宏
写真 編集部

 

【関連記事】

(レポート:松下 宏

【オススメ記事】

【関連記事】

【オススメ記事】