【メルセデス・ベンツ Mクラス 試乗記】マイナーチェンジでMクラスがより高級志向に[CORISM] [CORISM]
【メルセデスベンツ】2008/11/26
内外装をさらにリファイン
メルセデス・ベンツのSUVラインナップの中で、これまではベーシックラインを受け持っていたのがMクラス。2008年10月に新たにGLKクラスが発売され、これがメルセデス・ベンツSUVのエントリーモデルとして位置付けられるようになったため、Mクラスはマイナーチェンジによってより高級化の方向に進むことになった。
初代Mクラスは1998年にデビューし、当時は500万円台の価格が設定されていたが、2005年からの2代目モデルではベースグレードの価格が700万円近くになり、今回の改良で装備の充実化が図られたことなどもあって700万円台中盤にまで価格帯が上昇した。これによってGLKクラスからGLクラスまでの体系が整えられたことになる。
改良のポイントは、外観はフロント回りのデザインが中心で、グリル、ヘッドライト、バンパー、ドアミラー、アルミホイールなどのデザインが新しくなった。インテリアは質感の向上が図られ、手に触れる部分や目に見える部分の素材を変更するなどして質感を高めている。装備についてはパークトロニック、SRSニーエアバッグ、アダプティブブレーキなどによって安全性を高めたほか、最新の HDDナビゲーションを装備するなどした。
本格SUVらしいやや高めの全高を持ち、シート座面もやや高めの設定。でも標準体型の人なら無理なく乗り降りできるシート高が設定されていて、自然な姿勢で乗り降りできる。運転席に座ると、ステアリングホイールやドアトリムなどが新しくなっていて、高級 SUVらしい雰囲気が演出されている。
搭載エンジンなどの基本メカニズムについては変更を受けていないので、ML350 4MATICの走りも基本的には従来のモデルと同じ。V型6気筒3.5リッターエンジンは272ps(200kW)/35.7kg-m(350N・m)のパワー&トルクを発生する。ML350でも車両重量は2120kgに達していて相当に重いのだが、それに見合った動力性能と評価していい。
シフトレバーは廃止されていて、ダイレクトセレクトのレバーをDレンジに入れて走り出すと、2tを超えるような重いクルマに乗っている感じはしない。7Gトロニックがスムーズな加速を実現するからだ。変速操作が必要なときにはステアリングコラムの裏側に設けられたパドルを操作するが、これが必要になるのは下り坂でエンジンブレーキをかけるときくらい。普通の走りは7Gトロニックに任せておけば良い。
初代Mクラスは1998年にデビューし、当時は500万円台の価格が設定されていたが、2005年からの2代目モデルではベースグレードの価格が700万円近くになり、今回の改良で装備の充実化が図られたことなどもあって700万円台中盤にまで価格帯が上昇した。これによってGLKクラスからGLクラスまでの体系が整えられたことになる。
改良のポイントは、外観はフロント回りのデザインが中心で、グリル、ヘッドライト、バンパー、ドアミラー、アルミホイールなどのデザインが新しくなった。インテリアは質感の向上が図られ、手に触れる部分や目に見える部分の素材を変更するなどして質感を高めている。装備についてはパークトロニック、SRSニーエアバッグ、アダプティブブレーキなどによって安全性を高めたほか、最新の HDDナビゲーションを装備するなどした。
本格SUVらしいやや高めの全高を持ち、シート座面もやや高めの設定。でも標準体型の人なら無理なく乗り降りできるシート高が設定されていて、自然な姿勢で乗り降りできる。運転席に座ると、ステアリングホイールやドアトリムなどが新しくなっていて、高級 SUVらしい雰囲気が演出されている。
搭載エンジンなどの基本メカニズムについては変更を受けていないので、ML350 4MATICの走りも基本的には従来のモデルと同じ。V型6気筒3.5リッターエンジンは272ps(200kW)/35.7kg-m(350N・m)のパワー&トルクを発生する。ML350でも車両重量は2120kgに達していて相当に重いのだが、それに見合った動力性能と評価していい。
シフトレバーは廃止されていて、ダイレクトセレクトのレバーをDレンジに入れて走り出すと、2tを超えるような重いクルマに乗っている感じはしない。7Gトロニックがスムーズな加速を実現するからだ。変速操作が必要なときにはステアリングコラムの裏側に設けられたパドルを操作するが、これが必要になるのは下り坂でエンジンブレーキをかけるときくらい。普通の走りは7Gトロニックに任せておけば良い。
グリルやヘッドライト、そしてバンパーなどのデザインが変更され、よりスタイリッシュで高級感を増したエクステリアデザインが印象的だ。
前後のフェンダーの張り出しやアンダーガード風の処理が施されたバンパーなど、いかにもSUVらしい雰囲気で、力強さを感じさせてくれる。
大きなグリルが印象的なフロントマスク。バンパーやヘッドライトも存在感のあるデザインで、高級感をプラスすることに成功している。
リヤコンビランプのデザインはレンズのカットも複雑で、高級感を感じさせるもの。サイドまで回り込んだ立体的な造形も非常に印象的だ。
ML 63 AMG専用の295/35R21タイヤ+AMG 5ツインスポークアルミホイール。そして専用のAMG強化ブレーキシステムがのぞく。
ML350のタイヤ&ホイールは18インチ仕様だが、写真はスポーツパッケージに装着される19インチ5ツインスポークアルミホイール。
ML63 AMGに搭載されるV8 6.3リッターDOHCエンジン。最高出力510ps(375kW)、最大トルク630N・mで、強烈な走りを実現させる。
ML350に搭載されている3.5リッターV6エンジン。こちらでも十分な動力性能を発揮してくれるので、不満を感じる場面は皆無といっていい。
シフトレバーは廃止され、代わりにドライブセレクトレバーが装備されている。マニュアル操作も可能で、パドルシフトも装着されている。
中央に大きなインフォメーションディスプレー、左右にスピード&タコメーターを装備する。シンプルで見やすいデザインで、好感が持てるもの。
センターコンソールにあるオフロードスイッチを押すだけで、スロットルやシフトタイミング、ABSなどの制御がオフロード用に切り替え可能だ。
メルセデス言うところの「キーレスゴー」。いわゆるスマートキーで、鍵を差さずに携帯するだけでプッシュスタートが可能なシステムだ。
アメリカ向けのSUVらしいゆったりとした走りは高評価
足回りはけっこう柔かめの味付けで、このあたりはアメリカ向けに作られたSUVらしさが表れた部分。アイポイントも高めなのでコーナーでのロール感などは大きめに出る。ステアリングの操舵フィールも含めてアメリカンSUVらしいおおらかさというか、大味さというかが感じられると評価していい。
ML63 AMGもマイナーチェンジで外観デザインの変更や装備の充実化が図られた。このAMGモデルの走りはML350とは大違いだ。搭載エンジンはV型8気筒 6.2リッターのDOHCで、510ps(375kW)/64.2kg-m(630N・m)のパワー&トルクだから、性能的に大きな違いがあるのだから走りに違いがあるのは当然のこと。
エンジンの吹き上がりも格段にスムーズでアクセルワークに合わせて一気に吹き上がっていく。高速道路で走ってもアッという間に制限速度に達している。ML63はさらに重くなって2350kgもの重量があるが、その重量をものともしない豪快かく迫力十分の加速を見せる。この先どこまで伸びていくのかと思わせるような加速感だ。それでいて、時速100kmでクルージングするときの回転数はわずか1800回転に抑えられている。静かで滑らかなクルージングが楽しめる。
パドルによって変速操作をするのはML350と同じだが、パドルそのものもAMG専用になっている。ML63では積極的にパドルを操作して走りを楽しみたい気分になる。
そんな気分にさせるのは、エンジンだけでなく足回りもML350とは大きく違っているからだ。タイヤは超大径の21インチだし、AMGチューンの専用サスペンションは硬めの味付けとともに、どっしりとした安定感を感じさせる。ローダウンされた硬めの足回りになので、コーナーでのロールが抑えられた安心感のある走りが得られる。しっかりした手応えのあるステアリングフィールなども含め、とても好ましい走りのフィールだ。
ただ、本体価格ベースで見ても、ML350が756万円なのにML63は1490万円もする。ほとんど2倍に近い価格設定なのだから、内外装の仕様から走りに至るまで大きな違いがあって当然のこと。自由に使えるお金がたくさんあってMクラスを買うならML63がお勧めだが、1500万円近いクルマは一般のユーザーには縁遠いものだ。というか、ML350でもオプションを装着すると800万円を超え、諸費用を含めると900万円級の予算が必要だから、これとて簡単に買えるクルマではない。
ML63 AMGもマイナーチェンジで外観デザインの変更や装備の充実化が図られた。このAMGモデルの走りはML350とは大違いだ。搭載エンジンはV型8気筒 6.2リッターのDOHCで、510ps(375kW)/64.2kg-m(630N・m)のパワー&トルクだから、性能的に大きな違いがあるのだから走りに違いがあるのは当然のこと。
エンジンの吹き上がりも格段にスムーズでアクセルワークに合わせて一気に吹き上がっていく。高速道路で走ってもアッという間に制限速度に達している。ML63はさらに重くなって2350kgもの重量があるが、その重量をものともしない豪快かく迫力十分の加速を見せる。この先どこまで伸びていくのかと思わせるような加速感だ。それでいて、時速100kmでクルージングするときの回転数はわずか1800回転に抑えられている。静かで滑らかなクルージングが楽しめる。
パドルによって変速操作をするのはML350と同じだが、パドルそのものもAMG専用になっている。ML63では積極的にパドルを操作して走りを楽しみたい気分になる。
そんな気分にさせるのは、エンジンだけでなく足回りもML350とは大きく違っているからだ。タイヤは超大径の21インチだし、AMGチューンの専用サスペンションは硬めの味付けとともに、どっしりとした安定感を感じさせる。ローダウンされた硬めの足回りになので、コーナーでのロールが抑えられた安心感のある走りが得られる。しっかりした手応えのあるステアリングフィールなども含め、とても好ましい走りのフィールだ。
ただ、本体価格ベースで見ても、ML350が756万円なのにML63は1490万円もする。ほとんど2倍に近い価格設定なのだから、内外装の仕様から走りに至るまで大きな違いがあって当然のこと。自由に使えるお金がたくさんあってMクラスを買うならML63がお勧めだが、1500万円近いクルマは一般のユーザーには縁遠いものだ。というか、ML350でもオプションを装着すると800万円を超え、諸費用を含めると900万円級の予算が必要だから、これとて簡単に買えるクルマではない。
インテリアは使用する素材を変更し、大幅に質感を高めている。高級感を備えているのはもちろん、実用性の高さも十分満足できるもの。
本革シート(写真)は、職人が丁寧に仕上げた最高級のレザーが使用されている。ホールド性も高く、オフロード走行でもしっかり体を支えてくれる。
リヤシートは十分なゆとりがあり、快適なドライブが楽しめる。ML550とML63AMGには後席も独立して温度調整が可能なエアコンを装備する。
ML350のスポーツパッケージには、中央にアルカンターラを用いた専用のスポーツシートが装着される。アクセントの白いステッチも印象的だ。
ラゲッジは開口部が大きく取られ、内部の凹凸もないので使い勝手はとてもいい。テールゲートは電動式(ML350はオプション)となっている。
リヤシートは左右分割して収納可能。両方とも倒せば驚くほど広いスペースが現われ、大きな荷物でも余裕で積み込むことができるのだ。
四角い大開口部を備えた専用フロントスポイラーやAMGの21インチアルミが静かな凄みを湛える、ML63 AMGのエクステリア。
AMGの4MATICは前:40%・後:60%のトルク配分。専用チューンのAIRマティックサスペンションやAMG強化ブレーキシステムとともに走りを支える。
高速道で前方にこのバッチを見つけたら、下手に仕掛けても無駄だ。きっとアクセルひと踏みで、あっという間に置いていかれることだろう。
代表グレード | メルセデス・ベンツ ML350 4MATIC |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4790×1910×1815mm |
車両重量[kg] | 2120kg |
総排気量[cc] | 3497cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 272ps(200kw)/6000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 35.7kg-m(350N・ m)/2400〜5000rpm |
ミッション | 7速AT |
10・15モード燃焼[km/l] | 7.9km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 756.0万円 |
発売日 | 2008/10/24 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 佐藤靖彦 |
(レポート:松下 宏)
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!