【マセラティ グラントゥーリズモ(GT) 試乗記】もうタダでは帰れない!? ヤバイほど危険な空間に酔う [CORISM]
【マセラティ】2009/05/17
優雅なスタイリングが魅力のグランドツーリングカーが高評価
2008年度の新車販売は37年ぶりの300万台割れになり、いわゆる高級車を中心に新車の販売が低迷し、一方環境に優しく燃費の良いハイブリッド車が注目されている。クルマ好きの私には冬の時代になったが、この時期だからこそ経済性を優先するのではなくカッコいいクルマに乗りたい。今回試乗したマセラティ グラントゥーリズモは私が出会ったクルマの中では間違いなく5本の指に入るカッコいいクルマと評価だ。
全長は4.9m、全幅は1.9mを超える大きなクルマであるが全高は1.35mしかないため、実車を目の前にすると写真では感じる事が出来ないインパクトがある。撮影をしている間、隅々まで見ていると「ピニンファリーナは何でこんなにカッコいいクルマが作れるのだろう」と、ため息が出てしまう。大きなドアを開けるとインテリアもエクステリアに負けないエレガントな世界が広がっている。直線と曲線を上手く組み合わせレザーも効率的に使用し、価格以上(と言っても車両価格は1530万円から)の上質感がある。
ドイツ車の機能的な、計算された冷たさを感じるインテリアと対局にあるのがイタリア車で、その最右翼(左翼と呼ぶべきか)がこのグラントゥーリズモの明るくモダンなインテリアである。この素敵なインテリアと美しいボディラインに走り出す前にノックアウトされてしまった。
全長は4.9m、全幅は1.9mを超える大きなクルマであるが全高は1.35mしかないため、実車を目の前にすると写真では感じる事が出来ないインパクトがある。撮影をしている間、隅々まで見ていると「ピニンファリーナは何でこんなにカッコいいクルマが作れるのだろう」と、ため息が出てしまう。大きなドアを開けるとインテリアもエクステリアに負けないエレガントな世界が広がっている。直線と曲線を上手く組み合わせレザーも効率的に使用し、価格以上(と言っても車両価格は1530万円から)の上質感がある。
ドイツ車の機能的な、計算された冷たさを感じるインテリアと対局にあるのがイタリア車で、その最右翼(左翼と呼ぶべきか)がこのグラントゥーリズモの明るくモダンなインテリアである。この素敵なインテリアと美しいボディラインに走り出す前にノックアウトされてしまった。
誰もが格好いいと思えるようなスタイリッシュなスタイリングが最大の魅力だ。このあたりは、いかにもイタリア車らしい部分といえるだろう。
立体的に盛り上がった前後フェンダーや、伸びやかなルーフラインがとても美しい。高級パーソナルクーペにふさわしい存在感を感じさせてくれる。
ドイツ車的な機能美とは対極にある優雅さを感じさせるインテリア。各部に使われる本革などの素材は選び抜かれたものが使用されている。
上質で落ち着いた雰囲気のインテリア
搭載している4.7リッターV8エンジンは440psを絞り出し、約1.9トンの車重をものともせず0-400mを13秒台で駆け抜けるほど強力。軽くアクセルペダルに足を載せるだけで周囲のクルマをリードする。車外には力強い排気音が響くが、窓を閉めれば排気音が遠くから囁くように聞こえてくるだけであり、官能的なサウンドを期待してアクセルを強く踏みこんでみても、音量が少し増すだけである。
フロントオーバーハングは88cmと長いがエンジンはフロントミッドシップに搭載され、前後の重量配分は49対51とリヤがやや重い理想的なレイアウトである。スペック通りにアンダーは軽く、長いノーズがターンインで気持ち良いほどハンドルの切れ角に追従する。
サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーンを採用し、スイッチでノーマルとスポーツモードの選択が可能であるが、スポーツでも硬すぎず適度のダンピングが効き、19インチのタイヤも履きこなし乗り心地も滑らかである。
素敵なインテリアを眺めながこのクルマを運転していると逸る気持ちが消える。イタリアン・スポーツカーのフェラーリやランボルギーニのハンドルを握るとアドレナリンが放出され“臨戦態勢”になるのと対照的に、このグラントゥーリズモでは副交感神経が優位となり“休戦態勢”となってしまう。周囲の雑踏から身も心も離れ、ノンビリと周囲の風景や時間の流れを楽しむ“大人”になった気分である。心にゆとりを持つ“大人”になって運転していると、本来は速く走るためのアイテムであるパドルシフトはデザインとしての必要性だけで、指を動かしてパドルシフトを使うより6速ATに任せた方がシフトショックもなく優雅なマセラティの世界を楽しめる。
正直、期待しないでグラントゥーリズモに試乗したが、独創的なスタイリングとインテリアに包まれながらハンドルを握ると、すっかり感情までコントロールされてしまった。贅沢なパーソナルクーペとして明確なキャラクターを持ち、心も身体も(そして財布)余裕のある紳士淑女に相応しいクルマと評価しよう。
フロントオーバーハングは88cmと長いがエンジンはフロントミッドシップに搭載され、前後の重量配分は49対51とリヤがやや重い理想的なレイアウトである。スペック通りにアンダーは軽く、長いノーズがターンインで気持ち良いほどハンドルの切れ角に追従する。
サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーンを採用し、スイッチでノーマルとスポーツモードの選択が可能であるが、スポーツでも硬すぎず適度のダンピングが効き、19インチのタイヤも履きこなし乗り心地も滑らかである。
素敵なインテリアを眺めながこのクルマを運転していると逸る気持ちが消える。イタリアン・スポーツカーのフェラーリやランボルギーニのハンドルを握るとアドレナリンが放出され“臨戦態勢”になるのと対照的に、このグラントゥーリズモでは副交感神経が優位となり“休戦態勢”となってしまう。周囲の雑踏から身も心も離れ、ノンビリと周囲の風景や時間の流れを楽しむ“大人”になった気分である。心にゆとりを持つ“大人”になって運転していると、本来は速く走るためのアイテムであるパドルシフトはデザインとしての必要性だけで、指を動かしてパドルシフトを使うより6速ATに任せた方がシフトショックもなく優雅なマセラティの世界を楽しめる。
正直、期待しないでグラントゥーリズモに試乗したが、独創的なスタイリングとインテリアに包まれながらハンドルを握ると、すっかり感情までコントロールされてしまった。贅沢なパーソナルクーペとして明確なキャラクターを持ち、心も身体も(そして財布)余裕のある紳士淑女に相応しいクルマと評価しよう。
代表グレード | マセラティ グラントゥーリズモ S |
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4881×1915×1353mm |
車両重量[kg] | 1955kg |
総排気量[cc] | 4691cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 440ps(323kw)/7000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 50.0kg-m(490N・m)/4750rpm |
ミッション | 6速AT |
10・15モード燃費[km/l] | 未公表 |
定員[人] | 4人 |
税込価格[万円] | 1750.0万円 |
発売日 | 2008/5/22 |
レポート | 丸山和敏 |
写真 | 佐藤靖彦 |
(レポート:丸山 和敏)
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