「オレってイケてる?」
新型日産フーガは、国内日産車のフラッグシップモデル。ある意味、日産の最新技術と方向性を色濃く反映したモデルである。ありがたいことに、そんな新型日産フーガのプロトタイプに試乗する機会をいただいた。
場所は、日産追浜工場にあるテストコース「日産グランドライブ」。タップリと試乗した後、感想を伝えていると、「オレって、イケてる?」って感じですか? と日産広報の田中さんがニコニコしながら尋ねてきた。「そうそう、かなりイケてる感じ」。と、答えるボク。それほど、新型日産フーガはイケていた。
なにが、そんなにイケていたのか? それは、旋回性能と乗り心地の両立だ。通常、旋回性能を高めると、サスペンションを固める方向に進み、どうしても乗り心地が悪くなる。ところが、新型日産フーガは高い旋回性能と快適な乗り心地を両立し高評価。
場所は、日産追浜工場にあるテストコース「日産グランドライブ」。タップリと試乗した後、感想を伝えていると、「オレって、イケてる?」って感じですか? と日産広報の田中さんがニコニコしながら尋ねてきた。「そうそう、かなりイケてる感じ」。と、答えるボク。それほど、新型日産フーガはイケていた。
なにが、そんなにイケていたのか? それは、旋回性能と乗り心地の両立だ。通常、旋回性能を高めると、サスペンションを固める方向に進み、どうしても乗り心地が悪くなる。ところが、新型日産フーガは高い旋回性能と快適な乗り心地を両立し高評価。
ボディも足回りも余裕のキャパシティ
試乗したのは、新型日産フーガ370GT Type Sだ。20インチホイールに245/40というロープロタイヤを履く、やる気満々のスポーツグレード。高い旋回性能と乗り心地確保を両立した技術は、高剛性ボディと新開発リヤサスペンション、そしてダブルピストンショックアブソーバーの三つの組み合わせによるものだ。試乗コースの速度域は、それほど高くなく高剛性ボディの実力を試すほどではなかった。それほど、今回のボディは強い。それこそ、150km/hを超えるような高速域で、長い時間強烈な横Gがかかるシチュエーションでないと実力はまったく見えてこないだろう。
さらに、リヤサスは新開発。このリヤサスの操縦安定性も高い。これは、インフィニティM56という北米仕様にある5.6リッターエンジン車の強大なトルクにも十分に耐えられるように設計されたものだ。だから、3.7リッターで 333馬力、37.0kg-m程度のエンジン出力なら、余裕で受け止める実力を持つ。この高剛性ボディと新開発のリヤサスの恩恵で日産フーガ370GT Type Sは、20インチタイヤのパフォーマンスを余すことなく発揮する。それどころか、オーバークオリティ? とも感じるほどのリヤサスだった。日本仕様には 2.5リッターも用意されるが、2.5リッターでは完全にオーバークオリティとなりそうだ。
さらに、リヤサスは新開発。このリヤサスの操縦安定性も高い。これは、インフィニティM56という北米仕様にある5.6リッターエンジン車の強大なトルクにも十分に耐えられるように設計されたものだ。だから、3.7リッターで 333馬力、37.0kg-m程度のエンジン出力なら、余裕で受け止める実力を持つ。この高剛性ボディと新開発のリヤサスの恩恵で日産フーガ370GT Type Sは、20インチタイヤのパフォーマンスを余すことなく発揮する。それどころか、オーバークオリティ? とも感じるほどのリヤサスだった。日本仕様には 2.5リッターも用意されるが、2.5リッターでは完全にオーバークオリティとなりそうだ。
走り好きにはたまらないクイックな走りを堪能し高評価
通常、こういう高速性能よりのクルマにすると、低速域ではゴツゴツとした細かい振動を吸収できず乗り心地は悪化の傾向になる。新型日産フーガでは「ダブルピストンショックアブソーバー」を開発。ゴツゴツとした乗り心地を吸収することと、高い速度域で発生する大きな揺れの両方を吸収することに成功している。実際の高速道路の継ぎ目を再現した試験路では、旧型フーガがゴツン、ゴツンという感じなら、新型フーガはコン、コンといった感じ。走りが好きなら十分に納得できるし、同乗者からも文句も出ないだろう。
さて、ハンドリングは? と、いうと、これまた先代フーガ同様とってもクイック。先代フーガは、最初の切り出しだけクイックで、あとはアレレ? といった雰囲気系スポーティだったが、新型フーガは初期の操舵と同様にしっかりとクルマも反応する。それこそ指一本分でもノーズがスイスイと動く。好みの問題でもあるが、スポーツモード以外でもこの動きは正直ボクには機敏過ぎた。色んな操作系のスイッチを確認するのに視線を他に動かしていると、無意識のうちにステアリングに微妙な力が加わる。実際の道でも、そんなシチュエーションは多いと思う。その力に対しても微妙に反応するので、そのまま気が付けばLDP(車線逸脱防止支援システム)が作動。他のスポーティセダン系もそうだが、ステアリングセンター付近の操作に対して過敏に反応するのは、高速道路の長時間移動では疲れの要因になるので、もう少し穏やかであってほしいと評価。
さて、ハンドリングは? と、いうと、これまた先代フーガ同様とってもクイック。先代フーガは、最初の切り出しだけクイックで、あとはアレレ? といった雰囲気系スポーティだったが、新型フーガは初期の操舵と同様にしっかりとクルマも反応する。それこそ指一本分でもノーズがスイスイと動く。好みの問題でもあるが、スポーツモード以外でもこの動きは正直ボクには機敏過ぎた。色んな操作系のスイッチを確認するのに視線を他に動かしていると、無意識のうちにステアリングに微妙な力が加わる。実際の道でも、そんなシチュエーションは多いと思う。その力に対しても微妙に反応するので、そのまま気が付けばLDP(車線逸脱防止支援システム)が作動。他のスポーティセダン系もそうだが、ステアリングセンター付近の操作に対して過敏に反応するのは、高速道路の長時間移動では疲れの要因になるので、もう少し穏やかであってほしいと評価。
いつでも誰でもどんな時でもテストドライバー並みの鋭い走り!?
ようやく「オレってイケてる?」という話の真髄。今回のフーガは「オレってイケてる?」と誰もが思ってしまうくらい運転が上手くなってしまう機能だ。それは、VDC(横滑り防止装置)を巧みに使い、誰もがテストドライバー並みの運転スキルを享受できるコーナーリングスタビリティアシストだ。クネクネと曲がった道は、何度も左右にステアリングを切ったり戻したり、アクセルとブレーキを何度も踏み変えたりとドライバーのスキルが要求される。下手なドライバーが乗ると、クルマがフラフラとして安定しない。
ところが、このコーナーリングスタビリティアシスト機能があると、各輪のブレーキやエンジンのトルクを絶妙に制御して、運転の難しい山道も何事もなかったように安定して走ることができるのだ。実際のテストコース内では、激しくタイヤからスキール音が出るほどのスピードで走っても、フーガはひたすら安定するように制御されていた。結果として、自分の能力以上に速く走れてしまう。そこで、冒頭の「オレってイケてる?」と勘違いしてしまうのだ。恐れ入るのは、どんなに荒い操作をしてもさり気なく制御されてしまうので、自分の雑な運転になかなか気が付かない。そういう意味では、コーナーリングスタビリティアシスト機能は、オンとオフのスイッチが必要なのではないかと思う。また、アシスト機能が働いているときには、なんらかのインフォメーションがないと、いかに自分が機械に助けられているかが分からなくなる。運転をアシストしてくれるのは、とてもありがたいが機械に助けられていることに気が付かずに、運転が荒くっていくのが分からなくなっていくようでは本末転倒ではないだろうか。
その他、新型日産フーガには、アクセルの踏みすぎに対して反力を与え省燃費運転支援をするエコペダルや、前方を走るクルマとの車間距離が近くなるとアクセルペダルが押し戻す方向へ反力を与えるインテリジェントペダルなど、日産の最新技術がたくさん盛り込まれている。
内装に関しても、職人が純銀粉を手で刷り込む特殊加工をした銀粉本木目フィニッシャーなど、独自の演出が光る。このあたりの質感やアイディアは、レクサスをも凌ぐほどだ。日産のフラッグシップカーとなる新型フーガ。走りとクオリティ共に、高い質感をもってもうすぐデビューする。
ところが、このコーナーリングスタビリティアシスト機能があると、各輪のブレーキやエンジンのトルクを絶妙に制御して、運転の難しい山道も何事もなかったように安定して走ることができるのだ。実際のテストコース内では、激しくタイヤからスキール音が出るほどのスピードで走っても、フーガはひたすら安定するように制御されていた。結果として、自分の能力以上に速く走れてしまう。そこで、冒頭の「オレってイケてる?」と勘違いしてしまうのだ。恐れ入るのは、どんなに荒い操作をしてもさり気なく制御されてしまうので、自分の雑な運転になかなか気が付かない。そういう意味では、コーナーリングスタビリティアシスト機能は、オンとオフのスイッチが必要なのではないかと思う。また、アシスト機能が働いているときには、なんらかのインフォメーションがないと、いかに自分が機械に助けられているかが分からなくなる。運転をアシストしてくれるのは、とてもありがたいが機械に助けられていることに気が付かずに、運転が荒くっていくのが分からなくなっていくようでは本末転倒ではないだろうか。
その他、新型日産フーガには、アクセルの踏みすぎに対して反力を与え省燃費運転支援をするエコペダルや、前方を走るクルマとの車間距離が近くなるとアクセルペダルが押し戻す方向へ反力を与えるインテリジェントペダルなど、日産の最新技術がたくさん盛り込まれている。
内装に関しても、職人が純銀粉を手で刷り込む特殊加工をした銀粉本木目フィニッシャーなど、独自の演出が光る。このあたりの質感やアイディアは、レクサスをも凌ぐほどだ。日産のフラッグシップカーとなる新型フーガ。走りとクオリティ共に、高い質感をもってもうすぐデビューする。
代表グレード | フーガ「370GT Type-S」[FR](※プロトタイプ) |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4945×1845×1500mm |
車両重量[kg] | 1750kg |
総排気量[cc] | 3696cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 333ps(245kW)/7000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 37.0kg-m(363N・m)/5200rpm |
ミッション | 7M-ATx(マニュアルモード付フルレンジ電子制御7速AT) |
10・15モード燃費[km/l] | 9.5km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | - |
発売時期 | 2009年11月 |
レポート | 大岡智彦 |
(レポート:大岡 智彦)
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