今までの弱点を解消し、セレナの良さを高めた
軽自動車やコンパクトカーとともに日本で良く売れるクルマがミニバン。その中でも5ナンバーサイズの手頃なサイズで背の高いボディを持つミドルクラスのミニバンが中心を占めている。
このクラスの市場で好調な売れ行きを続けてきたのがセレナで、モデルサイクルの後半に3年連続してクラストップの売れ行きを続けた人気モデルだ。
セレナが良く売れたのは背の高さやボディの長さなど、5ナンバー枠をいっぱいに使ったパッケージングが見るからに広いミニバンをイメージさせ、「物より思い出」のテレビCMに象徴される明るい家族を連想させたからだ。
このクラスにはノア/ヴォククシーやステップワゴンなどの強力なライバル車があるが、ノア/ヴォククシーは全長が短い分だけ室内空間がやや狭く、ステップワゴンも全高を抑えている分だけ広さがイメージされない。このあたりがセレナの売れ行きにつながった。
このため、今回のフルモデルチェンジでセレナは従来のモデルの良さをしっかり継承するとともに、弱点ともいえる走りの部分を補い、使い勝手を高めるさまざまな機能を追加してきたと評価していい。
このクラスの市場で好調な売れ行きを続けてきたのがセレナで、モデルサイクルの後半に3年連続してクラストップの売れ行きを続けた人気モデルだ。
セレナが良く売れたのは背の高さやボディの長さなど、5ナンバー枠をいっぱいに使ったパッケージングが見るからに広いミニバンをイメージさせ、「物より思い出」のテレビCMに象徴される明るい家族を連想させたからだ。
このクラスにはノア/ヴォククシーやステップワゴンなどの強力なライバル車があるが、ノア/ヴォククシーは全長が短い分だけ室内空間がやや狭く、ステップワゴンも全高を抑えている分だけ広さがイメージされない。このあたりがセレナの売れ行きにつながった。
このため、今回のフルモデルチェンジでセレナは従来のモデルの良さをしっかり継承するとともに、弱点ともいえる走りの部分を補い、使い勝手を高めるさまざまな機能を追加してきたと評価していい。
ラインナップは標準系とハイウエイスターの2本立て
新型セレナをひと目見ると、従来のモデルとあまり変わっていないような印象を受けるかも知れない。でも自分のクルマを見慣れている従来のモデルのオーナーならすぐに違いが分かるし、そうでない人も少し見比べたら似ているようで違うことが分かると思う。
室内広さ感を感じさせるデザインにまとめたのは従来のセレナと変わらない点だが、同時に傾斜を強めた前ピラーや切り上がっていく後ろのピラーなどが特徴。標準系とエアロパーツを装着したハイウェースターが設定されているのは従来と変わらない。
フロント部分の左右に大きな三角窓が設けられたのは、ピラーの死角に歩行者などが入らないようにするためで、安全性の向上につながるデザインだ。
室内広さ感を感じさせるデザインにまとめたのは従来のセレナと変わらない点だが、同時に傾斜を強めた前ピラーや切り上がっていく後ろのピラーなどが特徴。標準系とエアロパーツを装着したハイウェースターが設定されているのは従来と変わらない。
フロント部分の左右に大きな三角窓が設けられたのは、ピラーの死角に歩行者などが入らないようにするためで、安全性の向上につながるデザインだ。
トールスタイルというのは、当然堅持。ただし、角の部分に滑らかなラインを取り入れるなど、新鮮な感じを演出している。またフロントはハイウエイスターはもちろんのこと、標準系でも精悍さが増している
このクラスの傾向として、インパネまわりはシンプルかつ、操作性重視になりがち。セレナはメータークラスター上のなだらかなラインなど、質感はかなり高い
インテリアはマルチグラフィックのアッパーメーターが印象的。ハンドルの中ではなく上からメーター見るタイプだ。センタークラスターの部分もいかにも新鮮な印象。これらを見ただけで新しいクルマであることが感じられる。グレードによる違いもあって、最上級グレードの20Gでは手触りの良いフェザーインテリアが採用され、ハイウェースターではスポーティなブラックのインテリアが採用されている。
従来からクラストップの広さのあった室内空間は、新しいセレナでは一段と広さが際立つ感じになった。カタログ上の数字でもほとんどの室内寸法でクラストップとなるほか、実際に乗ったときの広さ感でも随一である。
スライドドアの開口部も大きく、低めの床面によって乗り降りのしやすいクルマになっているし、スライドドア自体がボタンを押すだけのワンタッチで開閉できるようにして老人や子どもの乗降性を向上させた。
また広さとともに開けた視界も特筆モノ。運転席や助手席に座ると前にも横にも大きく開けた視界が広がっているし、後席からの視界も良い。逆に近くを歩く人から室内が見えすぎるのではないと心配になるくらいだ。
サードシートがはね上げたときに斜め後方視界を妨げないスマートアップサードシートに変わったほか、14種類もの豊富なシートアレンジのバリエーションが確保されているのも変わらない。
後方のラゲッジスペースには大容量のアンダーボックスが設けられるほか、後席のシートを倒せばマウンテンバイクを4台も積載できるなど、使い勝手は相当に良い評価である。
従来からクラストップの広さのあった室内空間は、新しいセレナでは一段と広さが際立つ感じになった。カタログ上の数字でもほとんどの室内寸法でクラストップとなるほか、実際に乗ったときの広さ感でも随一である。
スライドドアの開口部も大きく、低めの床面によって乗り降りのしやすいクルマになっているし、スライドドア自体がボタンを押すだけのワンタッチで開閉できるようにして老人や子どもの乗降性を向上させた。
また広さとともに開けた視界も特筆モノ。運転席や助手席に座ると前にも横にも大きく開けた視界が広がっているし、後席からの視界も良い。逆に近くを歩く人から室内が見えすぎるのではないと心配になるくらいだ。
サードシートがはね上げたときに斜め後方視界を妨げないスマートアップサードシートに変わったほか、14種類もの豊富なシートアレンジのバリエーションが確保されているのも変わらない。
後方のラゲッジスペースには大容量のアンダーボックスが設けられるほか、後席のシートを倒せばマウンテンバイクを4台も積載できるなど、使い勝手は相当に良い評価である。
まずは室内空間自体がかなり広い。これは乗ってすぐに感じられること。そこに対して置かれたシートの各クリアランスには余裕がある。シート自体の造りもよく、とくに3列目のクッションは厚くて、今までの要に補助的な存在ではなくなった
ステアリング上のスイッチは小ぶりながら、ブラインドでの操作性もいい。またほかのスイッチ類も手を伸ばしやすい
右側には平均/瞬間燃費が大きく表示される。同時に表示されることで、視覚的にもさらに燃費向上の運転をアシストしてくれる
エコモードも今や欠かせない装備。オンにしても走りに違和感が出ることなく、ごく普通に走ることができ、ストレスもなし
余裕はたっぷりで、荷物に合わせて簡単に拡大できる。特筆すべきはサードシートの収納方法で、跳ね上げ式は変らないが、低い位置にしたため、畳やすくなった。また後方視界を妨げない
燃費はもちろんのこと、走りの質も確実に向上
直噴化だけでなく、吸排気両方を可変化(ツインVTC)。さらにアイドリングストップもプラスすることで、15.4km/Lとクラストップを達成した
実際に走らせた印象も良かった。というか、従来のセレナは柔らかすぎる感じの足回りが高速レーンチェンジなどでの落ち着きのなさを感じさせ、長距離ドライブには使いたくないなと思わせたが、今回のモデルではそれが大幅に改善された。
プラットホームはキャリーオーバーなのでシャシー系も大きな変更を受けているわけではないとのことで、ジオメトリーを小変更し、ブッシュ類を変更した程度というが、その割にはとても良くなった印象があった。これは従来のモデルに乗ったときにネガティブな印象が強かったことが影響しているかも知れない。
静粛性の向上も大きなポイントで、市街地の路面の良いところではほとんど音が聞こえないくらいの静かさがある。
搭載エンジンは直噴仕様のMR20DD型エンジンで、主要モデルはこれにアイドリングストップ機構が追加される。直噴化のほかにもバルブ機構にツインVTCを採用するなどさまざまな改良が加えられ、さらにアイドリングストップ機構が採用されたことで、動力性能が108kW/210N・mに向上すると同時に10・15モード燃費も15.4km/Lとクラストップになった。
このクラスの燃費はセレナの従来モデルが一番悪く、新エンジンにCVTを組み合わせたステップワゴンにもバルブマチックを採用したノア/ヴォククシーにも負けていたが、今回のモデルで一気に逆転挽回してきた。
このエンジンはトルク感にあふれていて、重量の重いミニバンボディをしっかり走らせてくれる。また、アイドリングストップ機構がとても良く止まって始動もスムーズだ。
エンジンの始動にスターターを使うのではなく、ベルトを駆動させるエコモーター方式を採用することで、ブレーキペダルから足を話した瞬間に始動を始めたと思ったら、もうエンジンが回っているという感じ。最近のアイドリングストップ機構装着車の中で最もデキが良いと思う。
またアイドリングストップ機構を採用するのに合わせ、横滑り防止装置のVDCも主要モデルに搭載されている。安全性の向上につながった点も好感が持てる。
プラットホームはキャリーオーバーなのでシャシー系も大きな変更を受けているわけではないとのことで、ジオメトリーを小変更し、ブッシュ類を変更した程度というが、その割にはとても良くなった印象があった。これは従来のモデルに乗ったときにネガティブな印象が強かったことが影響しているかも知れない。
静粛性の向上も大きなポイントで、市街地の路面の良いところではほとんど音が聞こえないくらいの静かさがある。
搭載エンジンは直噴仕様のMR20DD型エンジンで、主要モデルはこれにアイドリングストップ機構が追加される。直噴化のほかにもバルブ機構にツインVTCを採用するなどさまざまな改良が加えられ、さらにアイドリングストップ機構が採用されたことで、動力性能が108kW/210N・mに向上すると同時に10・15モード燃費も15.4km/Lとクラストップになった。
このクラスの燃費はセレナの従来モデルが一番悪く、新エンジンにCVTを組み合わせたステップワゴンにもバルブマチックを採用したノア/ヴォククシーにも負けていたが、今回のモデルで一気に逆転挽回してきた。
このエンジンはトルク感にあふれていて、重量の重いミニバンボディをしっかり走らせてくれる。また、アイドリングストップ機構がとても良く止まって始動もスムーズだ。
エンジンの始動にスターターを使うのではなく、ベルトを駆動させるエコモーター方式を採用することで、ブレーキペダルから足を話した瞬間に始動を始めたと思ったら、もうエンジンが回っているという感じ。最近のアイドリングストップ機構装着車の中で最もデキが良いと思う。
またアイドリングストップ機構を採用するのに合わせ、横滑り防止装置のVDCも主要モデルに搭載されている。安全性の向上につながった点も好感が持てる。
CVTとの組み合わせとなる。エンジンのうま味を引き出す感じで、つながり感も十分。レスポンスよく走ることができる
ナビを中心にして各スイッチを集中して配置している。エアコンにはプラズマクラスターやビタミンフィルターなどが付く
足回りには大幅な変更はくわえていないというが、細かい部分をしっかりと煮詰めることで、走りの質感は確実に高まっている
足回りがドタバタするのは、このクラスでは仕方がないと思っていたが、新型セレナではそれがほとんど感じられなくなった。しっとり感すら感じられるほど。また、よく曲がるのも好感が持てるところ
ユーザーが欲しい装備を大量にご用意
高級車の定番装備であるシェードも装備。プライバシーを保護し、日差しの侵入も防いでくれる
今回のセレナは細かな装備にも関してもいろいろな配慮がなされている。先に述べたボタンひとつでスライドドアの開閉を可能にしたのもそのひとつだし、ほかにもスライドドアのガラス窓にロール式のサンシェードを備えて子供の安眠を妨げないようにしたり、ビタミンCを放出するビタミンフィルターを備えたエアコンを採用するなど、いろいろと小技が効いているのも注目される点だ。
価格は、たとえばプレマシー(ハイト系ではないが)が際立って安めの価格を設定しているのに比べると、必ずしも割安な印象を与えるほどではないが、装備や仕様の中身を考えるとそこそこ買い得な印象もある。
ミニバンの主力モデルとして、売れそうな要素をテンコ盛りで用意したのが今回のセレナといっても良い。
価格は、たとえばプレマシー(ハイト系ではないが)が際立って安めの価格を設定しているのに比べると、必ずしも割安な印象を与えるほどではないが、装備や仕様の中身を考えるとそこそこ買い得な印象もある。
ミニバンの主力モデルとして、売れそうな要素をテンコ盛りで用意したのが今回のセレナといっても良い。
クラストップクラスの大型リヤモニター。11インチにもなり、この大きさは驚くほど。映画などを見るとかなりの迫力だ
セカンドシート下にもアンダーボックスがあり、細々としたモノが入れられる。あれば便利な装備だ
ラゲッジ下にはさらに収納スペースを用意。もちろんフタを外して、長いモノを縦に積むこともできる
代表グレード | 日産 セレナ ハイウェイスター 2WD |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4770×1735×1865mm |
車両重量[kg] | 1630kg |
総排気量[cc] | 1997cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 147ps(108kW)/5600rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 21.4kg-m(210N・m)/4400rpm |
トランスミッション | エクストロニックCVT |
10・15モード燃費[km/L] | 15.4km/L |
定員[人] | 8人 |
消費税込価格[万円] | 249.9万円 |
発売日 | 2010/11/29 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | オフィスマッシュルーム |
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(レポート:松下 宏)
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