【右脳で決める!クルマ選び Vol.2】思いっきりベタなのがむしろ「ぐぅ!」 感性に訴えかける「ルノー ルーテシア イニシャル・パリ」の深い味わいとは [CORISM] [CORISM]
【ルノー】2008/03/17
クルマ選びは「左脳」でするもの!?
左脳は、脳の中でも物事をじっくり考えたり計算したりする時に活躍する部分。クルマ選びも、その左脳でじっくり比較して、じっくり理解して選ぶのが一般的でしょう。特に男性はその傾向が強いかもしれない。試乗記事読んで燃費性能とか比較して。高スペックでリセールバリュー良いモデルを探してる・・・。思い当たるでしょ。我が「CORISM」でも、5つ星★★★★★で評価点をつけるなどして比較基準を設け、そんな皆さんのニーズに応えている、つもり。
で、その総合評価のチャート表がまんべんなく円形になるようなクルマって、やっぱりドイツか日本製のモデルが多いし、つまり世間で多く買われている車のこと。それ以外の国のクルマ、主にフランスやイタリアのクルマの場合、オートマの多段化が遅れていたり、あるいはちょっと癖のあるセミATのようなものを使っていたりと、スペック的にやや寂しい傾向。プラスチックの質感が見劣ってて、ショールームでの見栄え性能もちょっとばかり弱かったりして。機械の信頼度も、多くの人はドイツ製か日本製がずば抜けて高い、と思っていたりするワケ。実際に乗ってみると、それが単なるイメージというか偏見なのだけれど・・・。ともあれ、そもそもクルマ選びのテーブルに上ってもこない人が多いみたい。もちろん販売網の規模が少ないのも、少なからずハードルになっているんだろうと思う。
で、その総合評価のチャート表がまんべんなく円形になるようなクルマって、やっぱりドイツか日本製のモデルが多いし、つまり世間で多く買われている車のこと。それ以外の国のクルマ、主にフランスやイタリアのクルマの場合、オートマの多段化が遅れていたり、あるいはちょっと癖のあるセミATのようなものを使っていたりと、スペック的にやや寂しい傾向。プラスチックの質感が見劣ってて、ショールームでの見栄え性能もちょっとばかり弱かったりして。機械の信頼度も、多くの人はドイツ製か日本製がずば抜けて高い、と思っていたりするワケ。実際に乗ってみると、それが単なるイメージというか偏見なのだけれど・・・。ともあれ、そもそもクルマ選びのテーブルに上ってもこない人が多いみたい。もちろん販売網の規模が少ないのも、少なからずハードルになっているんだろうと思う。
実は左脳で感じるルーテシアの魅力
ただしいっぽうで、右脳がつかさどっている『感性』にビビビっと(古い)くるようなクルマって、なぜだかフランスやイタリアといったラテン系のモデルに多い。例えば、あまりクルマに詳しくない女性が「カワイイ」「オシャレ」「色づかいがステキ」などと直感的に反応してしまうようなね。そんな、数値に表しにくい部分の魅力を多く持っているんだと評価したい。
さて、今回のお題はフランスのコンパクトカー「ルノー ルーテシア」。果たしてこのクルマ、右脳の『ツボ』にハマるクルマなのかというと、実のところちょっと雲行きが怪しくなってくる。多くの人がイメージしている『オシャレ』『パリのエスプリ』『アバンギャルド』とかなんとか、我々が勝手に想う『ベタ』なフランス車像からすると、現行型ルノー ルーテシアはちょっと押しが弱いところがある。
でもそれは狙い通りのセン。ルーテシア(欧州名「クリオ」)は世界市場を目指して造られたクルマであり、別にアバンギャルドさで売るつもりはそもそもないのだから。パッケージングも真面目だし、特別な派手さはない。難を言えばオートマが4速だってことくらいで、左脳派にも積極的にオススメしたいところですね。
しかし今回の試乗車は、最近追加された高級仕様のモデル「イニシャル・パリ」。良い意味で『ベタ』なのだ! これぞ、日本人が(勝手に)フランス車に求めていた世界観、右脳にズキューンと響くものではないだろうか。ん、そういう「思い込み」の部分って、あるいは左脳の部分なのかしらん?
さて、今回のお題はフランスのコンパクトカー「ルノー ルーテシア」。果たしてこのクルマ、右脳の『ツボ』にハマるクルマなのかというと、実のところちょっと雲行きが怪しくなってくる。多くの人がイメージしている『オシャレ』『パリのエスプリ』『アバンギャルド』とかなんとか、我々が勝手に想う『ベタ』なフランス車像からすると、現行型ルノー ルーテシアはちょっと押しが弱いところがある。
でもそれは狙い通りのセン。ルーテシア(欧州名「クリオ」)は世界市場を目指して造られたクルマであり、別にアバンギャルドさで売るつもりはそもそもないのだから。パッケージングも真面目だし、特別な派手さはない。難を言えばオートマが4速だってことくらいで、左脳派にも積極的にオススメしたいところですね。
しかし今回の試乗車は、最近追加された高級仕様のモデル「イニシャル・パリ」。良い意味で『ベタ』なのだ! これぞ、日本人が(勝手に)フランス車に求めていた世界観、右脳にズキューンと響くものではないだろうか。ん、そういう「思い込み」の部分って、あるいは左脳の部分なのかしらん?
レザーシートの内装。昔ほどじゃないけれど、包み込まれるようなやわらかいサポート性の高さは、ルノー流のおもてなしなのだ。
ウッドフィニッシャーのあしらい方は、あくまでも控えめ。しかも木目「調」印刷じゃなくって、「本木目」ってのがポイント。
明るい車内のムードをさらに盛り立てる電動パノラミックグラスルーフはイニシャル・パリに標準装備。1.6eLeにもオプション装着可能だ
良い意味で「ベタ」なフランス風味!
かつて、オシャレさんなフランス車の筆頭だった小さな高級車「サンク バカラ」(知ってる?)のイメージそのままに、小型大衆車だっていうのにシート地はなんとも贅沢な本革! しかもパッと明るいベージュ系の内装色なのだ。ベースモデルがダーク系の落ち着いた(ドイツ車みたいな!)内装色なのとは違って、ちょっとセレブな雰囲気。さらに桜とくるみの木を使った明るい色調のウッドフィニッシャーをいやみにならない程度にさりげなく装飾してるのは、日本の高級車「クラウン」が(高級車だというのに)ドーンと木目『調』パネルを貼っているのとは大違いで、その絶妙なセンスがまた泣かせる。
で、トドメは標準装備の電動パノラミックグラスルーフ。屋根のほとんどがガラス張りになるツインサンルーフから、春の日差しがたっぷりと降り注いでくる。ただ乗っているだけで、実に贅沢な気分にさせてくれるのだ。イイジャン!と高評価だ。
ちなみに写真のボディカラー「ポワーブル・ベージュメタリック」はイニシャル・パリ専用色。日本車にはありそうでない繊細にして美しい色合いは、パッと見の派手さに一目ぼれするタイプとは無縁だけど、じわじわと、気づいたら好きになってゆきそうなタイプではないでしょうか。うーん、オトナの恋だなあ。
で、トドメは標準装備の電動パノラミックグラスルーフ。屋根のほとんどがガラス張りになるツインサンルーフから、春の日差しがたっぷりと降り注いでくる。ただ乗っているだけで、実に贅沢な気分にさせてくれるのだ。イイジャン!と高評価だ。
ちなみに写真のボディカラー「ポワーブル・ベージュメタリック」はイニシャル・パリ専用色。日本車にはありそうでない繊細にして美しい色合いは、パッと見の派手さに一目ぼれするタイプとは無縁だけど、じわじわと、気づいたら好きになってゆきそうなタイプではないでしょうか。うーん、オトナの恋だなあ。
小ぶりなボディに1.6リッター 16Vの組み合わせだから、走りは思いのほか活発。
じっくりボディを眺めてみると、実は凝った面構成で創られたスタイリングだということが判るはずだ。
車幅がわずか20mm広いため3ナンバー登録となってしまうが、依然としてコンパクトなことに変わりはない。
フル装備てんこ盛り!
1250kgの車重に1.6リッター DOHC 16Vエンジンと4速ATの組み合わせは、ひとことでいえば「活発」。ルーテシアで唯一、安全装置のESP(横滑り防止装置)が標準装備なのは左脳派にもウレシイところでしょう。ステアリングの向こうにそびえるでっかいパドルシフトだけは雰囲気にそぐわなくって「なんじゃこら」って感じなんだけどね。いくらフル装備てんこ盛りの最上級モデルだからって、付けりゃいいってもんじゃないよなあ。
ちなみに5速ATとかCVTじゃないけどどうなの?の質問に対しては「高速で元気に飛ばし過ぎなきゃ大丈夫」とお答えしておきます。やっぱりもう1段欲しいシーンがないワケではないから。ただし学習機能の入ったATは、慣れると実に按配がよろしい。短時間の試乗だったので実用燃費のチェックは出来なかったのが心残りだけど、ちなみに10.15モード燃費は11.6km/Lナリ。
いやあ、でも総じてなかなか魅力的でした、イニシャル・パリの上品な世界観ってば。パッと見の派手さはないけれど、ひとたび感性にハマれば長く所有出来るのではないでしょうか。唯一にして最大の難点は、285.0万円というプライスだけ・・・上級クラスの「メガーヌ」2.0リッター(280.0万円)が買えちゃうんだからね。でも、あえてこう言ってみるワケだ。
「狭いパリの街中じゃ、コッチのほうがいいんだよ」ってね(むっちゃベタやね)。
ちなみに5速ATとかCVTじゃないけどどうなの?の質問に対しては「高速で元気に飛ばし過ぎなきゃ大丈夫」とお答えしておきます。やっぱりもう1段欲しいシーンがないワケではないから。ただし学習機能の入ったATは、慣れると実に按配がよろしい。短時間の試乗だったので実用燃費のチェックは出来なかったのが心残りだけど、ちなみに10.15モード燃費は11.6km/Lナリ。
いやあ、でも総じてなかなか魅力的でした、イニシャル・パリの上品な世界観ってば。パッと見の派手さはないけれど、ひとたび感性にハマれば長く所有出来るのではないでしょうか。唯一にして最大の難点は、285.0万円というプライスだけ・・・上級クラスの「メガーヌ」2.0リッター(280.0万円)が買えちゃうんだからね。でも、あえてこう言ってみるワケだ。
「狭いパリの街中じゃ、コッチのほうがいいんだよ」ってね(むっちゃベタやね)。
これが、イニシャル・パリにしか(なぜか)付いていないパドルシフト。ステアリングの奥に固定されていて、コレが妙にデッカイ。
1.6リッター DOHC 16Vエンジンは最高出力112ps(82kW)/6000rpm、最大トルク15.4kg-m(151N・m)/4250rpmを発生させる。
195/50R16タイヤ+16インチアロイホイールも専用装備。見た目重視でちょっとサイズが大きい分、低速ではバタつく傾向も。
こちらは標準仕様「ルノー ルーテシア 1.6」。写真のボディカラーは、シックなブルーグレーメタリック。こちらも日本車にもありそうで、実はない微妙な色合いがオシャレだ。
標準仕様の内装はご覧の通りシックなダークグレー系。写真だと判らないけれど、シート生地にはさりげなく赤と青が織り込まれているあたり、おフランス生まれらしいセンスが光る。
ファンが登場を待ち望む「ルーテシア RS(ルノースポール)」。2.0リッター 16Vエンジンを搭載する「ホットハッチ」だ。昨年の東京ショーに参考出品されていた。年内には登場か。
代表グレード | ルノー ルーテシア イニシャル・パリ[FF] |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3990x1720x1485mm |
車両重量[kg] | 1250kg |
総排気量[cc] | 1598cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 112ps(82kW)/6000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 15.4kg-m(151N・m)/4250rpm |
トランスミッション | マニュアルモード付きプロアクティブ4速AT |
10・15モード燃費[km/L] | 11.6km/L |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[万円] | 285.0万円 |
発売日 | 2007年12月10日 |
レポート | 徳田 透(CORISM編集部) |
写真 | 和田 清志・佐藤 靖彦・CORISM編集部 |
(レポート:admin)
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