ボルボS60新車試乗記/評価 その名は「Drive-E」。新世代2.0Lターボ低燃費エンジン8速ATで、劇的進化したS60 T5 Rデザインを試す!

新世代の4気筒2.0L直噴ターボ+8ATとパワートレインを大幅変更

ボルボ の中心車種である60系のS60 /V60 は2011年にデビューした。SUV のXC60は、さらに2年前に登場。XC60 を含めた2014年モデルが、内外装のデザインを変更し登場した。さらに、2014年2月に新しいパワートレーンを搭載している。今回は新しくなった新エンジンを搭載したボルボS60 T5 Rデザインに試乗した。
外観デザインは、標準車のボルボS60もより彫りの深いデザインに変わったが、T5 Rデザインには専用のバンパーやトランクスポイラー、ディフューザー付きリヤバンパーなどが採用され、一段とスポーティな雰囲気が演出されている。
今回の改良のポイントは、新しいパワートレーンだ。搭載エンジンがDrive-Eと呼ぶ新世代の直列4気筒2.0Lの直噴ターボ仕様エンジンに変更され、トランスミッションも電子制御8速ATに変わった。
少しばかりややこしいのは、従来はT4といえば4気筒で、T5は5気筒、T6は6気筒とエンジンの気筒数でシリーズ名が決められていたが、今回からTの後にくる数字は動力性能(トルク)のレベルを示すものになったとのこと。そんな理由で、4気筒エンジンなのにT5 Rデザインとなっている。



ターボらしからぬ? 自然でスムースな走行性能が際立った!

新開発されたDrive-Eと呼ばれるエンジンは、180kW/350N・mの余裕ある動力性能を発生する。スバル など、他のメーカーには2.0Lで200kW/400N・m級の実力を持つターボ仕様エンジンがあるから、絶対的な数値でいえば際立ってパワフルなエンジンとはいえない。だが、ボルボS60はRデザインとはいえ、本格的なスポーツモデルではなく、普通のセダン であることを考えると、十分な動力性能といっていい。
好感が持てたのは、動力性能よりも洗練された走りのフィールだ。パワーの出方がとてもスムーズで、しかも幅広いレンジを持つアイシン製の8速ATと組み合わされて滑らかに加速していく。とても自然な加速感が得られる。
古典的なターボにあったような段付きの加速感は全くなく、自然な加速感なのだ。これが、とても良かった。



高い安全装備と低燃費性能を持ちながら、買い得感の高い価格は高評価!

ボルボS60の基本的な仕様が、アウトバーンなどを含むヨーロッパ向けとしているため、時速80kmのクルージングをDレンジのままでこなしていると、なかなか8速には入りにくい。速度の低い日本で、8速を使おうとすると高速道路の制限速度域付近となる。
当然、8速ともなるとエンジンン回転数も低く抑えられており、低燃費に貢献する。また、エンジンの回転数が低ければ静粛性もアップする。高級セダンとしての価値も上がる。
S60 T5は燃費が良く、1.6Lエンジンを搭載するT4が13.6km/Lなのに対して、T5は14.4km/Lを達成。エコカー減税レベルもT5のほうが上位にある。6速のT4に比べT5は8速なので、高速クルージングに入るシーンが多くなれば、実用燃費も向上するというメリットも得られる。
S60 T5の燃費が良いのは、スタート/ストップ機構が備えられたのを始め、電動式のパワーステアリングを採用したことや8速ATの採用などが貢献している。
ボルボS60 T5 Rデザインには、18インチタイヤが採用されているため、乗り心地はちょっと硬めの印象だった。乗り比べていないので断言はできないが、17インチタイヤのT5 SEならもう少し乗り心地も良いと思う。
ボルボS60の魅力は、リーズナブルな価格設定にある。T5 Rデザインの価格は500万円をわずかに超えるレベルとなるが、標準モデルのT5 SEなら450万円以下で手に入る。安全装備の充実度なとを考えると、このクラスの輸入車としてかなり割安な印象である。



ボルボS60/V60 T5 Rデザイン価格と燃費、スペックなど
代表グレード | ボルボ S60 T5 Rデザイン |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4630x1865x1480mm |
ホイールベース[mm] | 2,775mm |
車両重量[kg] | 1600kg |
総排気量[cc] | 1,968cc |
最高出力[kw(ps)/rpm] | 180(245)/5,500rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 350(35.7)/1,500-4,800rpm |
トランスミッション | 8速AT |
JC08モード燃費[km/L] | 14.6km/L |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[円] | 5,029,714円 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | CORISM編集部 |
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