「レパード」と言われて思い浮かべるのは・・・?実は4ドアがないのは2代目のみ!
名は体を表すと言いますが、市販車の中でレパードほど車名に忠実だった車は他にないでしょう。とはいえレパードの車名が廃止になったのが今から13年前、1999年。なのでレパードそのものをご存じない読者の方もいらっしゃると思います。
今回はレパードの歴史を少しひも解きながらお話を進めてまいりましょう。
むかしむかし、国産メーカーがまだ日本でたくさん車を売ろうと考えていた時代、各メーカーとも競って販売チャネルを増やしていた時期がありました。1980年、5チャネルの販売系列を持っていた日産は、日産店系列で売る高級車として初代レパードを投入したのでした。
ボディタイプは4ドア&2ドアのハードトップ。既存の高級車で会社のお偉いさんの送迎で使われることも多かったセドリック/グロリアとは違う新しいタイプの高級車をつくろうという意気込みで、例えばエレクトロニック・ボイスインフォメーションという電子式音声合成による女性の声での警告装置を装備するなど、ドライバー中心のパーソナル・ユースを意識した斬新な高級車でした。
初代、3代目は斬新だったが・・・。実はライバル対抗でコンサバな2代目!?
しかし当初ねらったパーソナル感が4ドアと2ドアの両方を作ったことで中途半端となってしまったこと、高級車をうたいながら1.8Lの4気筒モデルを用意したことで実用車的なイメージも出てしまったことなどで、1年遅れで登場した2ドア・6気筒モデルのみのトヨタ・ソアラに市場を奪われ販売は振るいませんでした。
そこでライバル・ソアラの完全なライバル車として企画され、2ドア専用モデルとして世に送り出されたのがこの2代目レパード(F31型)です。
流麗なクーペボディをまとい6気筒モデルのみとなって高級感もました2代目はソアラと互角の戦いを期待されたのですが、同じ年(1986年)にモデルチェンジしたライバルにまたも苦汁をなめさせられます。
それはやはりエンジン。レパードは3Lツインカムが最高グレードだったのに対して、ソアラは3Lツインカム・ターボという「全部載せ」で高級感を大きくアピールしたのです。レパードのインテリアが俗に「絶壁」と呼ばれるほど切り立っていて特に助手席に座る女性から不評だったことも不人気に拍車をかけました。
ライバルに敗れた現役時代から一変!「あぶない刑事」人気で大復活!「あぶない刑事」が2代目に火をつけた!
レパードはマイナーチェンジでそれらの弱点をすべて解消しますが、時すでに遅く・・・。いったん不人気のレッテルを貼られると嗜好性の強いパーソナル・カーでは人気を取り戻すのは難しく、とうとう国内では最後まで販売が振るわないまま3代目へとバトンタッチします。
その3代目ではソアラにはかなわないと思ったのか、突然ガラリとコンセプトを変えて超大柄な高級4ドアセダン「レパードJフェリー」としてデビュー。2代目のスリークな直線基調から、アメリカンな丸々とした宇宙船のようなボディに豹変しました。
しかし、バブルがはじけたためこの車もあまり売れず、4代目はとうとう専用ボディではなくセドリック/グロリアの姉妹車として登場し、その後車名が消滅したのです。
モデルチェンジのたびにコンセプトが豹変し、それゆえ固定ファンが育てられず現役時代は人気のなかったレパード。
しかし人間、もといクルマは何があるかわかりません。刑事ドラマ「あぶない刑事」の人気が高まると、主人公が乗り回していた2代目レパードも人気に火がつき、今や中古車が高値で売買されています。ちょうど漫画「イニシャルD」でトヨタ・レビン/トレノ(86)の人気に火がつき中古車が高値で売買されているように・・・。
ファンの声に押され86がとうとう復活しましたが、この2代目レパードも復活しないかな、と思う今日この頃なのでした。
日産レパード(F31)写真集
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