タイヤ選び、タイヤ交換新車情報の目次
<お勧め記事>
■OEMタイヤとREタイヤの違いと見分け方
タイヤには様々な種類がある。「スポーツタイヤ」、「ラグジュアリータイヤ」、「エコタイヤ」など世の中にたくさん出回っている。また冬以外に履く「サマータイヤ」と冬に履く「スタッドレスタイヤ」という種類もある。ちなみにヨーロッパではアイスバーンに強い「スタッドレスタイヤ」より、高速道路でもしっかりしたグリップで走れる「ウインタータイヤ」を使う地域が広い。
このようなタイヤの分け方の他に、「OEMタイヤ」と「REタイヤ」という種別もある。ちょっと耳慣れないかもしれないが、OEMというのは「オリジナル・エクイップメント・オブ・マニュファクチャラーズ」の略で、カーメーカーが新車に装着するパーツを意味する。つまりカーメーカーが承認したスペックで作られたということだ。
もうひとつのREというのは「リプレイス」の略で、タイヤを買い替え用に用意されたもので、タイヤショップやカー用品店で一般的に販売されている商品だ。
ヨーロッパのカーメーカーでは「OEMタイヤ」に指定のマークを入れることにより「REタイヤ」と区別している。そしてタイヤを履き換えるときも「OEMタイヤ」を推奨している。それはそのクルマにとってジャストフィットな性能を持っているからで、他の純正パーツと同じようにもとのクルマの性能を発揮させようとするなら「OEMタイヤ」がベストだという考えだ。
「OEMタイヤ」が専用スペックとして作られた歴史は古いが、それに指定のマークが入れられたのはボクが知る限りポルシェが最初だと思う。N0(エヌゼロ)、N1(エヌイチ)、N2(エヌニ)というようにタイヤにマークが入れられ、どのモデルの何年式ならどのタイヤ、という指定がされている。その後にBMWは☆、メルセデスベンツはMO(メルセデス・オリジナルの略)、ジャガーはJ、アウディはAO、R01(Rが付くモデル用)などが付けられるようになった。
■ポテンザRE050ⅡのOEMタイヤに履き替えると、新車の頃のフィーリングがよみがえった
我が家のBMW320ⅰツーリングもブリヂストンのポテンザRE050Ⅱ☆という「OEMタイヤ」に交換してから1年が過ぎた。BMWの純正スペックだから、新しいタイヤに換えたときから新車の味が取り戻せた。
ハンドルの応答性はシャープ過ぎず切った分だけ正確に反応してくれクセが無い。しっかりしたグリップはコーナリングでの安定感、ブレーキング時の制動感に安心感がある。雨の日のウェットグリップや高速道路での耐ハイドロプレーン性能も文句ない。快適性は音に関しては低周波のロードノイズも高周波のパターンノイズも気にならないレベルに抑えてある。乗り心地はウルトラソフトではないところがいい。グニャつくことはなくスッキリしている。路面の凹凸を通過するときの当たりには角の丸さがあり、ダンピングが効いていて揺れが残らないから快適だ。
タイヤの均一性という意味のユニフォーミティもいい。タイヤがちゃんと丸くできている証明でもある。1万km以上乗っても偏摩耗はなく、減りは早くない。トレッド面全体に渡って新品時とほぼ同じトレッドパターンデザインに見える。つまりそのクルマにとって、すべての面で素晴らしい性能を発揮するようにできていることが証明されたのだ。
■ヨーロッパ車に乗るこだわり派ユーザーには、OEMタイヤをお勧めする
「OEMタイヤ」と「REタイヤ」ではどれくらいの性能差があるのか。これはなかなか難しい問題だ。ヨーロッパのカーメーカーと日本のカーメーカーの考え方の違いもある。
日本のカーメーカーはクルマの悪い部分をタイヤの性能で隠そうとしたこともある。クルマをいじればコストが掛るが、タイヤのスペック変更ならコストが掛らないからだ。あるいは極端に静かなタイヤや極端に燃費の良いタイヤを作らせて、グリップが犠牲になった例もある。このことから普通の「REタイヤ」に換えるだけで簡単にグリップアップすることから、「OEMタイヤ」は安物だと誤解される原因になっている。
ヨーロッパでは「OEMタイヤ」の承認を取ってから同じパターンを「REタイヤ」として発売するのが普通だ。だから日本と違って「OEMタイヤ」と「REタイヤ」がまったく異なるブランドやトレッドパターンということがない。何社かに承認されたパターンがあれば、ほぼ中央の性能が出るスペックを「REタイヤ」として売り出すことが多い。だから承認スペックでなくても素人には区別が付かない程度の性能差だ。特に謳ってなくても「OEMタイヤ」はLRR(低転がり抵抗)タイヤになっていて、燃費性能も良いはずだ。
ヨーロッパ車に乗っていて、細かいところまでこだわりたいならカーメーカー承認スペックの「OEMタイヤ」を選ぶことをお奨めする。
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