国会議事堂
日本が誇る最新技術こそ経済成長のカギだ
総理大臣官邸
2番を狙うということができるのだろうか? 順位というのは、結果として定まるものであり、たとえばブービー賞(最下位のひとつ上の順位)を狙うのは、不可能に近い。いずれにしても、最善をつくせば、得られた結果への達成感は満たされる。これは、科学技術はもちろん、スポーツにおいても同じことがいえる。
電気自動車に欠かすことのできないリチウムイオン電池も、また太陽エネルギーを活用した太陽光発電も、発明したのは海外だが、これを実用化し、我々の生活の中に採り入れる技術として発展させたのは日本だ。
そしてリチウムイオン電池を使った電気自動車技術は、日本が世界を牽引している。とはいえ、ノートパソコン用など汎用のリチウムイオン電池を使った電気自動車が、アメリカのベンチャー企業で注目を集め、中国製リチウムイオン電池が安く手に入れられるようになりはじめている。
また太陽光発電も、2005年ごろまでは日本が生産能力で世界をリードしていたが、いまはドイツが先行している。つまり、日本が道を拓いた実用化が、またたく間に他の国にまねされ、追いつかれ、追い抜かれようとしているのである。そして、リチウムイオン電池や電気自動車、そして太陽光発電は、いずれもこれからの成長産業と期待されている分野だ。
1人勝ちすればいいわけではない。だが、日本も常に世界一の力を備えていなければ、たちまち技術力や価格で負け組に陥り、成長産業の分野で競争力を失いかねない。太陽光発電を見ても、わずか数年で順位をくつがえされている。
電気自動車に欠かすことのできないリチウムイオン電池も、また太陽エネルギーを活用した太陽光発電も、発明したのは海外だが、これを実用化し、我々の生活の中に採り入れる技術として発展させたのは日本だ。
そしてリチウムイオン電池を使った電気自動車技術は、日本が世界を牽引している。とはいえ、ノートパソコン用など汎用のリチウムイオン電池を使った電気自動車が、アメリカのベンチャー企業で注目を集め、中国製リチウムイオン電池が安く手に入れられるようになりはじめている。
また太陽光発電も、2005年ごろまでは日本が生産能力で世界をリードしていたが、いまはドイツが先行している。つまり、日本が道を拓いた実用化が、またたく間に他の国にまねされ、追いつかれ、追い抜かれようとしているのである。そして、リチウムイオン電池や電気自動車、そして太陽光発電は、いずれもこれからの成長産業と期待されている分野だ。
1人勝ちすればいいわけではない。だが、日本も常に世界一の力を備えていなければ、たちまち技術力や価格で負け組に陥り、成長産業の分野で競争力を失いかねない。太陽光発電を見ても、わずか数年で順位をくつがえされている。



電気自動車や太陽光発電、そしてリチウムイオン電池といった技術は、日本が世界をリードしている。だが、世界一を目指し続けなければ、あっという間に他の国に抜かれてしまう。
資源のない国だからこそ世界一の技術を目指す
では、世界と競い合える実力を保持するにはどうすればいいか?
やはり、資金を湯水のように投入して世界一を狙い続けるしかない。それはプロスポーツも同じことだ。自動車レースを例に挙げれば、世界最高峰とうたったF1も、コスト削減を言い出したとたん、その人気の凋落(ちょうらく)振りは目を覆うばかりである。そして、ホンダもトヨタも手を引いた。
リーマンショックが尋常でない世界規模の経済恐慌であったとしても、もしF1が、世界最高峰の価値を持続していたなら、ホンダもトヨタも簡単に手は引けなかっただろう。世界の上位に位置する日本の自動車メーカーが、それより下位のメルセデスやルノーがF1を続けているのだから、F1に価値があると思えば、簡単に参戦を止めるわけはない。
世界一を目指すということは、世界での存在意義を保持することにつながる。
かつ、日本は、狭い国土に1億3000万人もの人口を抱え、その人々が生活するための稼ぎは、働くことでしかまかなえない。働く場が、中国やインドなどの海外へ移れば、日本人は生きてゆけないのだ。働く場、それは世界一の成長産業を保持し、日本企業が元気ハツラツと世界と競争し続けることによって手に入るものである。
日本で、馬車が発達・普及しなかった理由のひとつに、江戸時代の人口の多さを上げる説がある。大八車やかごなど、人貨の移動手段は家畜に頼らず人が動力とならなければ仕事が減って食べて行けなかったからだと、その説はいう。
その真偽はともかくも、日本人は、とにかく働かなければ生きては行けない。そのために、常に世界一を目指して頑張らなければならないのだ。
2番手でも3番手でもいいと思ったとたん、明日から食べられなくなると思えばいい。それほど日本は、人が智恵を絞り、懸命に働く以外、国に資源の無い、過酷な国なのだ。
やはり、資金を湯水のように投入して世界一を狙い続けるしかない。それはプロスポーツも同じことだ。自動車レースを例に挙げれば、世界最高峰とうたったF1も、コスト削減を言い出したとたん、その人気の凋落(ちょうらく)振りは目を覆うばかりである。そして、ホンダもトヨタも手を引いた。
リーマンショックが尋常でない世界規模の経済恐慌であったとしても、もしF1が、世界最高峰の価値を持続していたなら、ホンダもトヨタも簡単に手は引けなかっただろう。世界の上位に位置する日本の自動車メーカーが、それより下位のメルセデスやルノーがF1を続けているのだから、F1に価値があると思えば、簡単に参戦を止めるわけはない。
世界一を目指すということは、世界での存在意義を保持することにつながる。
かつ、日本は、狭い国土に1億3000万人もの人口を抱え、その人々が生活するための稼ぎは、働くことでしかまかなえない。働く場が、中国やインドなどの海外へ移れば、日本人は生きてゆけないのだ。働く場、それは世界一の成長産業を保持し、日本企業が元気ハツラツと世界と競争し続けることによって手に入るものである。
日本で、馬車が発達・普及しなかった理由のひとつに、江戸時代の人口の多さを上げる説がある。大八車やかごなど、人貨の移動手段は家畜に頼らず人が動力とならなければ仕事が減って食べて行けなかったからだと、その説はいう。
その真偽はともかくも、日本人は、とにかく働かなければ生きては行けない。そのために、常に世界一を目指して頑張らなければならないのだ。
2番手でも3番手でもいいと思ったとたん、明日から食べられなくなると思えばいい。それほど日本は、人が智恵を絞り、懸命に働く以外、国に資源の無い、過酷な国なのだ。



世界最高峰の自動車レースであるF1も、コスト削減などのせいで人気が急速に下降した。F1に価値があると思えば、世界的不況でもトヨタとホンダも簡単に撤退はしなかっただろう。
( レポート:御堀 直嗣[みほりなおつぐ:モータージャーナリスト] )
(レポート:CORISM編集部)
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