【EV新時代のキーパーソンPART2】街のあり方すら変える電気自動車(EV)の力。日産自動車 有光 大さん[ CORISM ] [CORISM]

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【その他】2010/05/20
EV リーフ 日産

電気自動車(EV)普及のカギは航続距離

日産 新型電気自動車(EV) リーフ 充電風景
 電気自動車(EV)の普及の妨げになっているのは、実際の走行が可能な航続距離。現在の電気自動車(EV)の航続距離は、100km前後と短い。近距離用として割り切ればいいという説もあるが、クルマの保有コストが異常に高い日本においては、近距離用と長距離用のクルマを2台以上持つことは現実的に難しい。一家に一台でガソリン車のように扱える電気自動車(EV)の時代はまだまだ先なのだろうか。

充電設備の整備が進めば街は変わり、経済も活性化する?

日産自動車 渉外部EV充電インフラ戦略チーム主担 有光 大さん

日産自動車 渉外部EV充電インフラ戦略チーム主担 有光 大さん

 電気自動車(EV)の短い航続距離を補う方法は、充電設備の整備が重要だ。いたるところに充電器があり、こまめに充電さえできれば、航続距離の心配も少なくなるからだ。今年秋に電気自動車(EV)リーフを発売する日産自動車も、専門部署を立ち上げて充電設備の整備を急ぐ。日産自動車の渉外部 EV充電インフラ戦略チーム主担 有光 大さんに、充電設備について聞いた。
「30分程度で80%充電が可能な急速充電器を設置することがメインに思われていますが、重要なのは200V電源の設置です。ディーラーすべてに200V電源を設置して、24時間対応にするべきだと思っています。家と会社にはもちろん、目的地になるショッピングセンターや旅館などでの設置も重要です。立ち寄る経路で充電できれば、航続距離の心配も一気に減るからです。日産では全国旅館生活衛生同業組合連合会さまと連携してインフラ整備を進めています。もちろん、これだけではダメなので、連携先をたくさん増やしていく予定です。こういった連携先を弊社の電気自動車リーフのナビに表示させ、充電ネットワークを作ることでユーザーと連携先相互にメリットがあればと思っています。こういった200V電源の連携が起きると、街のあり方が変わるとさえ感じています。例えば、200V電源の充電設備があるマンションは資産価値が上がるとか、ショッピングセンターならお客様がよく来るとか、住宅メーカーなら太陽光や燃料電池で発電して充電する家が売れるなどいろいろなことが予想されますよね。いろいろな業種の方々と連携に関してお話しさせえていただいていますが、前向きにお考えいただいている方々は、本当に未来のことに対して楽しそうに語られているのが印象的です」
 電気自動車の普及は、自動車メーカーだけの努力ではダメ。多くの業種が便利に電気自動車を使える世界を考える。その先には、街は変化し新しい商品やサービスが生まれ経済が活性化する可能性をも秘めているようだ。

[※動画提供:日産自動車/YouTube]

(レポート:大岡 智彦

【オススメ記事】