日産 NEW エルグランド 対 トヨタ アルファード/ヴェルファイア徹底比較 ROUND2 達人によるコダワリ評価 [CORISM]
【対決】2012/05/09
構成・文/近藤暁史
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達人によるコダワリ評価〜デザイン〜
日産 エルグランド | トヨタ ヴェルファイア | |
---|---|---|
松下 宏 | 偉そうに見えるデザインはエルグランドのほうが先。今回のモデルも全高を抑えながら、従来からのイメージをしっかり継承している。堂々とした感じは十分だ。
7 点
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上 下二分割のヘッドライトなどはエルグランド(ひいてはシボレー)からのいただきだが、大型ミニバンに必要ならしい高そう感、偉そう感は十分に表現されている。
6 点
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国沢 光宏 | 歴代エルグランドの特徴を上手に引き継いでいる。背が低くなったことでワイド感出たのだろう。全体的にバランスも良くなった。弱点のない良いデザインだと思います。
8 点
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伝統とかヘチマとかはない。誰でも一目でカッコいいと思えるデザインである。押し出しの強さだけでなく高級感も漂ってくるあたりが秀逸。エルグランドよりレベルは高い。
9 点
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近藤暁史 | 超大型のメッキグリルが存在感を強烈にアピールしていた先代に比べて、洗練はされているものの、あのワルな感じだからよかったというのも確実にあるハズ。ワルな感じは薄れた。
8 点
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迫 力を出しつつもうまく手抜きすることで万人向けのキャラクターをうまく演出している。マイルドなほうがいいという人にはアルファードが用意されているのも強み。
7 点
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SUBTOTAL | 23 点 | 22 点 |
達人によるコダワリ評価〜パッケージ〜
日産 エルグランド | トヨタ ヴェルファイア | |
---|---|---|
松下 宏 | 低床・低重心のプラットホームを採用し、抑えた全高の中に十分な居住空間を確保した。従来のプラットホームでは実現できなかった真っ当なクルマ作りが可能になった。
8 点
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FFプラットホームながら、従来のエルグランドに対抗するために着座位置の高いパッケージが採用され、現在のモデルもそれを受け継いでいる。不必要な高さだ。
7 点
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国沢 光宏 | 運転席の着座位置が70mmも上下する。最も下の位置にセットすると限りなく乗用車のような雰囲気に。最も高くセットしてやれば背の高いミニバンの視線になります。
8 点
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パッケージングは両車非常に似ている。ボディサイズも3.5リッターV6と2.4リッター直4の組み合わせとなるエンジン(エルグランドは2.5リッター)も極めて近い。
7 点
|
近藤暁史 | 走行性能への影響もあるが、車高は先代のまま。つまり高いままで、低床化すればさらに広大な室内が手に入ったのに。やはり広大というのはわかりやすい高級感だ。
8 点
|
フルサイドミニバンだけに、パッケージングに文句あるハズもない。室内長/高/副すべてにおいて余裕あり。広大な室内だけでも買う価値ありだし、そこに憧れて買う人は実際に多い。
8 点
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SUBTOTAL | 24 点 | 22 点 |
達人によるコダワリ評価〜シート〜
日産 エルグランド | トヨタ ヴェルファイア | |
---|---|---|
松下 宏 | 2列目に快適キャプテンシートを備える。それなりに良くできているが、走行中にどんな姿勢で座らせるのがよい(安全)かもきちんと検証されるべきだと思う。
8 点
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独立性の高い7人乗り仕様の2列目シートはエルグランド並みの快適性を備える。運転席のシートは座面が高すぎるため、乗り込むときによじ登る感じになるのがもうひとつ。
7 点
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国沢 光宏 | 上級グレードのシートは最新の人間工学をフルに取り入れた中折れ式を採用。最適なポジションに合わせれば血行も阻害しないそうな。オットマンも実用的。
8 点
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上級グレードは国際線ビジネスクラス風のセカンドシートを装備。エルグランドよりややカッチリした座り心地をもつ。見た感じの質感で優勢でござ います。
8 点
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近藤暁史 | よじ登らなくなったという基本的に歓迎なのだが、あのよっこいしょと上っていくのもじつは、高級感のひとつだった。座り心地や造り、装備などについては大満足だ。
10 点
|
オプションである「エグゼクティブキャプテンシート」を選べれば、エルグランドを凌駕する快適性を得ることができる。もちろんノーマルでも不満などはまったくなし。
9 点
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SUBTOTAL | 26 点 | 24 点 |
達人によるコダワリ評価〜走り〜
日産 エルグランド | トヨタ ヴェルファイア | |
---|---|---|
松下 宏 | 低床・低重心のプラットホームを採用した効果は大きく、操縦安定性に優れた走りを実現する。直4エンジンはトルク感に優れるし、V6エンジンはパワーアップが図られた。
9 点
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重心高の高さの分だけエルグランドに比べて不利になるのは否めない。エンジンの動力性能はエルグランドの性能アップでこれまでのリードがなくなったが、負けてはいない。
8 点
|
国沢 光宏 | CVTと組み合わせているため、2.5リッターエンジン搭載モデルで十分な動力性能を持つ。乗り心地も3.5リッターより2.5リッターのほうが優れている。
7 点
|
絶対的な動力性能は2.4リッターで不満なし。ベルファイアもCVTを採用しているため、最適な回転数を使って走る。エルグランドに大きく負けているのが乗り心地。
6 点
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近藤暁史 | 3.5リッターもさることながら、2.5リッター直4に対して不満はない。というか、2.5リッターで十分。足回りのスタビリティも大きく上がり、コーナリング性能や静粛性もかなり上がった。
9 点
|
CVTでうまくを引き出すというのはトヨタも得意とするところだけに、2.4リッターでも不満は出ないだろう。ただし、3.5リッターの質感はエルグランドに微妙に劣る。
8 点
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SUBTOTAL | 25 点 | 22 点 |
達人によるコダワリ評価〜安全性&経済性&エコ〜
日産 エルグランド | トヨタ ヴェルファイア | |
---|---|---|
松下 宏 | 安全装備はメニューはひと通りのものが揃っている。2.5リッター車は燃費基準+25%を達成するなど環境性能もまずまず。価格設定はヴェルファイア並みでとくに安くはない。
9 点
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上級車安全装備は充実。先進の安全装備もオプション装着できる。2.4リッター車は燃費基準+25%を達成した。価格設定はやや高めながらエルグランドも同じ水準に設定されている。
9 点
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国沢 光宏 | このクラスになると経済性を語ることに意味はない。強いて言えば4気筒エンジンを選んだほうが知的だと言うことでしょう。安全性は日本車のトップクラス。
3 点
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ヴェルファイアもまったく同じ。クルマそのもののサイズからしてエコじゃない。直4エンジン買って大人しく走りましょう。安全性は星6つを獲得するなど優秀。
3 点
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近藤暁史 | 2トンを越えること自体がエコではないのは確か。その分、がんばったとも言えて、実走行でも3.5リッターでも8km/Lを越えるのは特筆すべき。安全性は問題なし。
8 点
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重量級ながら燃費がいいのはここ最近のトヨタ車の傾向。とくに直4はかなり磨きをかけているので経済性重視ならこちら。衝突安全性も高いレベルを確保している。
8 点
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SUBTOTAL | 20 点 | 20 点 |
総評
日産 エルグランド | トヨタ ヴェルファイア | |
---|---|---|
松下 宏 | 8年振りのフルモデルチェンジで新プラットホームや新エンジンを採用するなどして、格段に魅力アップを図ってきた。ただ、ヴェルファイアとの比較では、部分的には上回る項目が多いものの、全体的には追いついたという印象。一気に引き離すところまで達したとはいえない。もうひと頑張りが欲しいところだ。 | アルファードから独立したモデルながら、一代にしてアルファードを上回る人気を得て高級ミニバンの一番人気になった。高そう感や偉そう感で定評があり、新 型エルグランドにとっても手ごわい存在だ。ビスタ店を統合した拠点数の多いネッツ店で販売することも強さの理由だ。販売条件などの面でも優位に立っている。 |
国沢 光宏 | エルグランドのよさは圧倒的な乗り心地の質感にある。とくに2.5リッターの乗り心地たるやヴェルファイアをまったく相手にしない。それでいてコーナー でも粘るんだからタイしたもの。ただ高速コーナリング中に路面のギャップを通過すると許容レベルを越えるキックバック(ハンドルを直進に戻す動 き)を喰らう。けっこう驚く。 | ヴェルファイアは乗り心地の悪さが唯一にして最大の弱点だと思う。とくにセカンドシートは常時揺すられている感じ。こらもう試乗のときにかならずチェック してみたらいい。もし「辛抱タマラン」というなら、改良する手段はほとんどない。とっとと諦めて日産のディーラーに行きましょう。大いに満足できると思います。 |
近藤暁史 | 室内の高級感アップは当然のことで、ヴェルファイア(エグゼクティブキャプテンシートを覗く)を凌ぐと言っていい。そしてそれ以上に進化に目を見張ったのが、走りの質向上。2.5リッターエンジンは我慢するところはないし、ボディは高剛性。さらに足回りはグッと粘ってくれてコーナーでもガッチリとボディを支えてくれる。静粛性も高い。 | 日産としては低床化したことで、乗りやすくもなったというが、ピラーに手をかけてよっこいしょと乗るのも逆に最上級クラスたるLLミニバンに乗っているという満足感になっていた。その点が未だ残るのがヴェルファイア。フロントを中心としたデザインもエルグランドと比べると少々下品だ。優越感という点で、これを喜ぶユーザーも確実にいる。 |
TOTAL | 118 点 | 110 点 |
評価する達人たち
小さくて軽く、誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。
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歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。
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自動車ライター&エディター。自動車雑誌の編集者から独立。愛車はFIAT500。1エンジンのOHからすべて自分でやり、今やもうやるところがない状態とか。自動車ライターのだけでなく、業界唯一の省燃費グッズの評論家としても活躍。
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(レポート:CORISM編集部)
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