【ザ・対決】「ホンダ フィット ハイブリッド」vs「日産マーチ」ROUND1 「小型車に適したエコカーシステムはどっち!?」実燃費対決 〜 まずは車両紹介編 〜 [CORISM]
【対決】2011/01/01
シンプルなアイドリングストップさえ付いていれば、そもそも重たいハイブリッドなんていらないんじゃないの?
そもそも、コンパクトカーにハイブリッド車は必要なのだろうか? 小さなボディにモーターとバッテリーをプラスして車重をアップさせ、それらを生産するために余分なCO2も排出するし高価だ。コンパクトカーにおいては、シンプルに考えるのならば、高効率エンジンとアイドリングストップで十分なのでは? その分、価格が安ければ我々ユーザーの負担も少ない。そんな疑問について、実際使ってみてどうなのか? 日産マーチとホンダ フィット・ハイブリッドでレポートしてみよう。
インサイトやプリウスの大ヒットから2年余り。いよいよ、コンパクトカークラスにもハイブリッドの波が押し寄せてきた。ホンダのフィットにハイブリッドが追加されたのはもちろんのこと、さらに2011年中にはトヨタのヴィッツクラスにもハイブリッドが登場するようだ。ただでさえ燃費のいいコンパクトカーに、ハイブリッドが付いたらどうなることやら。すでに登場しているフィット・ハイブリッドは30.0km/Lを達成してきた。
それを迎え撃つのが、日産のマーチで、こちらはご存じアイドリングストップと、3気筒エンジンやCVTなどで燃費を稼ぎ、フィット・ハイブリッドにやや劣るものの、26.0km/Lを誇る。ハイブリッドなしで、この数値は立派だが、ただし、今どきのカタログ燃費はあてにならない。ちょっと前まではナナ掛けが実燃費などと言われていたが、最近ではよりカタログ燃費に近いことが多いし、うまく乗れば簡単に超えてしまうことだってある。というわけで、非常に気になる、このライバルたち。ガッチリと燃費対決させてみた。
ホンダ自慢のIMAだからこそできたフィットのハイブリッド化
システムがシンプルなので、見た目はガソリン車とあまり変わるところはない。この身近な感じは魅力だろう
世の中ではマイルドハイブリッドなどと呼ばれることもあるが、ホンダのハイブリッドシステム[IMA]は確かにシンプルだ。しかし、EV部分が薄いのも事実。ただし、それゆえにシステム全体は小さく、簡単に言ってしまえば、モーターはクラッチ部分に挟み込むだけなので、汎用性が利くのは大いなる魅力だ。その流れでフィットに積まれたわけだが、そもそも燃費がいいフィットに搭載したのだから、燃費はかなりよくなって当たり前で、30.0km/Lは当然と言ったら当然だ。しかも価格は安くて、200万円でオツリがくるのは画期的でもある。気になるのは実走行で、EV走行をほとんどしない、というかできない点がどれぐらい影響があるか。ストップ&ゴーの繰り返しとなる都内が有利だとは思うが、果たしてどう出るか。
ミッションはもちろんCVTで、エンジン、そしてモーターのうま味をも存分に引き出す
ホンダがいち早く装着したのがエコモード。エンジンだけでなく、エアコンまでトータルで制御する
タイヤはダンロップと共同開発した環境タイヤで、天然素材をメインで使用している専用品だ
アイドリングストップだけで、各ステージで戦えるか?
3気筒だけにサイズもコンパクトで、車両重量の軽減にも貢献している。もちろんタイ製だ
新型マーチの注目点といえば、まずはアイドリングストップ。実際に乗ってみると、頻繁に止まってくれて、節約している感は非常にある。装着されるエンジンも1.2リッターの直列3気筒で、経済性重視をした結果だという。3気筒というと、軽トラっぽいイメージもあるが、その点は抑えられており、言われないとわからないといったら言い過ぎだけど、それに近いことは確か。さらに今どきはかさばるばかりの車両重量も、なんと1トン切り達成で、燃費にはかなり貢献するはずだ。スペック的には26.0km/Lと立派。ただし、全域でいいというよりも、スイートスポットがあるようで、そこを外して走るとあまり燃費がよろしくない印象があるのだが……。どこまでハイブリッド相手に健闘できるかが興味あるところ。
日産と言えばCVT。というわけで、CVTが搭載されるが、スポーツモードボタンも付いてはいる
アイドリングストップは任意でオフにもできるが、エンジンを再始動させるとまたオンに戻る
乗り心地よりも燃費を重視したというだけに、タイヤのアタリはかなり硬めでゴツゴツしている
まずは都内、皇居のまわりをひたすら回り続けることに。ちなみに一周は5キロである。その後、流れが比較的いい国道1号線で横浜へ。そして高速に乗って、木更津へというルートを設定してみた
【「ザ・対決」ホンダ フィットHV 対 日産マーチ 比較試乗 一覧】
■車両紹介編:手法は違えど、燃費値ほぼ同じ。でも、実燃費はどうよ!?
■①都内編:流れはいいけど、やっぱり頻繁に止まる
■②郊外国道編:流れはいいけど、信号にはけっこう捕まった
■③高速編:いよいよ、高速を巡航して最終ステージだ!
■総合評価編:3ステージ燃費対決から、見えてきたものとは?
代表グレード | ホンダ フィット ハイブリッド |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3900×1695×1525mm |
車両重量[kg] | 1130kg |
総排気量[cc] | 1339cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 88ps(65kW)/5800rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 12.3kg-m(121N・m)/4500rpm |
モーター最高出力[ps(kw)/rpm] | 14ps(10kW)/1500rpm |
モーター最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 8.0kg-m(78N・m)/1000rpm ※エンジン始動時:9.4kg-m(92N・m)/500rpm |
トランスミッション | CVT |
10・15モード燃費[km/L] | 30.0km/L |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[万円] | 159.0万円 |
発売日 | 2010/10/08 |
代表グレード | 日産 マーチ 12X |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3780×1665×1515mm |
車両重量[kg] | 950kg |
総排気量[cc] | 1198cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 79ps(58kW)/6000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 10.8kg-m(106N・m)/4400rpm |
ミッション | CVT |
10・15モード燃費[km/l] | 26.0km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 122.955万円 |
発売日 | 2010/7/13 |
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(レポート:CORISM編集部)
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