初のアフリカ大陸での開催で注目を集める南アフリカW杯。一試合で軽く10kmは走るといわれるサッカー選手は、街中ではどんなクルマですっ飛ばしているのだろうか。
　優勝候補の呼び声が高いスペインのゴールを守る、GKカシージャスはアウディ「A6 3.0 TDIクワトロ」と「Q7」を所有。世界最高峰のテクニシャンといわれるイニエスタは、トヨタの「RAV4」が愛車だ。サッカーの母国、イングランド代表ではやはりランドローバーの人気が高い。コールやテリーのDF陣に、司令塔のジェラードが「レンジローバースポーツ」を乗り回している。英国での販売価格約780万円は、スター選手にとっては手頃なのかもしれない。エースのルーニーにいたっては、そのランドローバーをはじめ、ポルシェ、BMWなど10台近くを所有するカーマニアだ。
　南米の雄、アルゼンチン軍団のスーパースター、メッシの愛車はアウディの「Q7」。監督のマラドーナがカメラマンの足をひいた愛車がブルーの「ミニクーパー」というのは、ちょっと意外な気もする。

　一方、“サムライブルー”の日本代表はどうか。中田の後継者として期待される本田圭祐はトヨタの「ランドクルーザー100」だが、両手に腕時計をはめる男だけに、クルマもこの一台ではないだろう。大黒柱の中村俊輔と遠藤保仁は揃って「メルセデスベンツGクラスゲレンデヴァーゲン」だ。4大会連続出場で精神的支柱を担う川口能活は「CLS」と、なぜかベンツの人気は高い。BMW派の岡田監督は、車中で戦術を練るのだろうか。
　クルマがらみのトラブルが続くのは、今大会でも世界中の視線を集めるポルトガル代表のクリスチャーノ・ロナウド。2009年1月にはフェラーリを大破させる事故を起こし、その9日後に駐車違反で切符を切られたときのクルマはベントレー「コンチネンタルGTスピード」。もっとも、彼はクラブ移籍の際にポルシェやベンツなど数台を売りに出すほどの、高級車コレクターとしても知られている。
　全力でピッチを駆け抜ける彼らも、普段の移動はクルマが多い。4年に一度の大舞台で躍動するのはどのクルマのオーナーか？　という一味違った視点でW杯を楽しむのも面白いかもしれない。

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