ハンドメイドのEVってどうだ? EVコンバージョンクラブキックオフミーティング [CORISM]

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【イベント・モーターショー】2016/05/06

 

ハンドメイドのEVってどうだ?
EVコンバージョンクラブキックオフミーティング

2016/05/06

第3回に集まられたメンバー
オズモータース社長古川氏をはじめコンバージョンEV専門メーカーの社長、大手鉄鋼子会社の社員やプロの競技ドライバー、はてはBBQの専門家まで。

発足EVコンバージョンクラブ

 2月のことである。筆者の下にフェイスブック(以下FB)よりイベントの知らせが入りました。オズモータースの古川氏から、とある誘いが舞い込んだのが始まりです。古川氏は以前紹介したかの”ドリフトプリウス ”の生みの親です。彼がまたしても何かを始めるというので、早速にお邪魔します。と返事を入れそれから改めて考えると「はて、EV コンバージョンクラブとはなんぞや?」。先に返事をしておきながら内容もろくに精査せずに何をいわんやでありますが、海外では少しづつ電気自動車が認められつつありいよいよ競技用としても一つのブームを起こし始めています。すでにガソリン車をEV化して楽しむクラブも多数存在しています。

日本では、いち早く電気自動車を市販化し展開してきましたが、今ひとつEVを楽しむ部分が盛り上がりに欠けているように感じます。競技こそ地道にJEVRA(日本電気自動車レース協会)が年間戦を展開していますがまだまだなかなか認知されてはいません。規制も車の改造という部分では厳しくなっています。また、日本は充電インフラも急ピッチで進み、現在ではかなり充電で不安を持たずに走れるようになってきました。

電気自動車はラジコンカーほどではありませんが、シンプルで分かりやすく個人でもその気にさえなればEVへのコンバートは可能です。古川氏によれば、改造車として公道走行への認可のハードルが低い部類の乗り物です。また、環境への配慮の点からも優遇措置を適応させることもできるそうです。しかしながら、なかなか個人ではそうしたガレージライフを送ることのできる環境は整えにくいのも事実です。

EVコンバージョンクラブ

実際に載せ換えるためのベスパカー。これがこれよりのち半年後に、EVとして生まれ変わります。

EVコンバージョンクラブ

今も現役で活躍中の参加メンバー新木さん所有のベスパカー。この日は実際に乗り味としての体感と、のちのEVとの違いを体感してもらうために片道1時間40分をかけて来ていただいた。

EVコンバージョンクラブ

充電状況を見る古川氏、バッテリーはリーフのリサイクル品。
今回こうしたことも踏まえてオズモータースさんが設備とガレージをシェアし、今までのノウハウを活用して多くの方々とEVを楽しもうという企画でした。そして、第一回からのこのメンバーでこのたびイタリアの3輪トラックAPEを電気自動車に改造して、実際に公道を走れるようにするまでを行うというものです。

EVコンバージョン車両の実力

 オズモータースさんは過去に筆者が紹介したようにドリフトプリウスで、その実力や実績はすでに証明されています。それでも、実際に市販車として走れるのか? 答えはYESです。すでに何台かの旧車をベースにナンバーを取得し、その性能をいかんなく発揮しています。その一つがこのBMWイセッタ。見てのとおりEV化を果たし、家庭用電源だけではなく日産リーフ三菱iミーブ と同様のチャデモ対応の充電口を備えるクルマとなっています。走行性能もオリジナルよりも操作や動力性能も向上し、日常でも楽しめる足として活躍中のようです。

EV イセッタ BMW

現在メンテナンスに入っているEVイセッタ、キチンと内外装とも仕上げられ日常でも普通に使える。

EV イセッタ BMW

日産リーフにも使用している充電口CHAdeMO(チャデモ)に対応しているのでどこでも充電が可能。充電口は、通常は見えないように、ナンバープレートの後ろに隠している点もオシャレになってる。

EV イセッタ BMW リーフバッテリー

イセッタにはリーフのバッテリーモジュールが7つ(この弁当箱みたいなものがリーフには48個も入っている)セットされる。必要にして十分な走行性能が得られる。
今回はゼロからプロジェクトのメンバー皆で作るということで、ガソリン車のAPEも用意、完成の暁にはその違いを体感してもらおうと楽しみながら作っていけるように進めているそうです。

参加は自由、都合に合わせて家族でも参加ができる

 欧州や欧米では、こうしたコンバージョンクラブがいくつもあり古川氏も実際に渡米して参加をされました。その経験から、多くの方々と交流をしながら一緒にガレージライフを楽しめたらと考えているそうです。

まだまだ実際の作業参加者ばかりで構成されているオズモータースEVコンバージョンクラブですが、ゆくゆくは家族の方も一緒に参加していただきバーベキューなどを楽しみつつ、作り上げていくというのが理想のクラブだそうです。

筆者が参加したのは、初回と第3回。それでも参加はできるし、初回とはメンバー構成も一部違っていたりします。第3回はメンバーにバーベキューのエキスパートともいうべき専門の食材卸業者の方もエントリー。そうした携わり方や参加の仕方でもありです。異業種がどんどん参加し、自由にアイデアを出しながら進めていきます。

EVコンバージョンクラブ

松戸で朝活会というNPO法人の活動を行っている遠藤氏。2月3月のまだ寒い日には展示のペール缶リサイクルの薪ストーブと消臭用の竹炭を持って参加されてました。

EVコンバージョンクラブ

メンバーが楽しく交流するための昼休みのランチ。この日はバーベキュー専門の食材を提供している会社の方が参加。

EVコンバージョンクラブ

メンバーの紅一点、馬場さん。彼女もメカニックとしては全くの素人ですが、参加メンバーより教えてもらいながら油に手を染めている。

異業種の人間でも大丈夫なのか? という疑問をお持ちになるかもしれませんが、実際には筆者のような絵描きや、そうした技術的には全くの素人でも興味を持って参加をしてくれる方であれば可能です。

ある程度のホンネでいえば、少額であってもスポンサーとして、参加していただける方が名乗り出てくれれば、さらにいうことはありません。いかに利益を追求しないとはいえ、こうしたクラブの運営には資金は必要で過去にもこうしたクラブが資金難のためにいくつも消滅しています。ですから、こうした活動はスタートは個人的な有志でも、継続して作り上げていくには資金も必要です。

そのためには、国の補助金やそうした活動を認知していってもらう必要もあるのです。EVはすでに国内にもかなりの台数が稼働しており、徐々にその存在は認められつつあります。こうしたことからも実際に乗り物として製作をしてみたい、ビジネスチャンスととらえて、そのヒントにしてみようとされる方など様々な意見と参加を期待するものです。

興味を持たれた方は関連リンクのオズコーポレーション様まで http://www.o-z.co.jp/

完成目標は、約半年後

EVコンバージョンクラブ

 この日の目標はエンジンからモーターへの移行。そう載せ換えまででした。正直筆者は、エンジンの載せ換えがどのくらいの手間がかかるかはある程度は理解しています。なので、チョッと1日では厳しいかなぁと思っていたのですが、意外にもモーターの設置は1日で完了。それも組み上げていく途中で、トラブルがなければ、さらに早くに組み上がってのではないかと思います。

実際、この日はモーターとドライブシャフトを駆動するためのスプロケット(歯車)を先に入れることをしなければいけないのに、それがわかったのが合わせてみてからでしたので、急遽一度乗せたモーターを下してそれから加工をし、再度組みなおして車体に乗せるという状況でした。

それでも、当初の予定通り組み付けまではでき無事日程通りに進んでいます。こうした時に、大概は進行状況は予定通りならず遅れるものですが(笑)。そこは、ノウハウも対応力もあるメンバーですから、うまく進行しました。とはいえ古川さん、本当はベンチテストまでいければと目論んでいたのはナイショです。

EVコンバージョンクラブ

外されたモーターマウント部、このマウントが干渉しているので先にスプロケットを入れなくてはいけない。

EVコンバージョンクラブ

結局デフを全バラしして組み上げないと入らないことが判明。メンバーの苦労が続く。

EVコンバージョンクラブ

最後の溶接は、古川氏自ら行い、いよいよモーター―設置の最終段階。

 

EVコンバージョンクラブ

装着されたモーター。次回はベンチテストを行い制御系やバッテリーの設置へと移行していく。
ほぼ月2回で行っているこのコンバージョンクラブ。次回は5月22日を予定しています。筆者も可能な限り参加をして、このレポートを継続発信していく予定です。活動計画としては、10月までの間に、このベスパカーと電動カートの製作。そして、これらの作品を11月に開催される日本EVフェスティバルで発表することを、クラブの第一期として予定しております。

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