【新車・中古車購入術】トヨタ ヴィッツの選び方&リセールバリュー [CORISM]

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【生活・文化】2011/03/01

ヴィッツは安くない!? 実用重視ならUグレードがオススメだ

トヨタ ヴィッツ RS

国産車ではライバルも今やなしのスポーツグレードの「RS」。これは指名買いのみということで除くと、実用グレードのFとUということになるが…

 トヨタのヴィッツの選び方。まずは消去法で行くと、スポーツグレードたるRSは最初から狙い打ちで来るユーザーがほとんどなので、迷うほどでもなかろう。RSが欲しい人は最初からRS一本だ。ちなみに日産マーチもオーテックのSR系は現行型では用意されないというし、国産車ではライバルも今やなし。まさに指名買いのみである。
 RSを除いてしまえば、実用グレードのFとUということになるのだが、Fがベーシックグレードで、Uがメイングレードとなる。素直にいけば、Uが装備的にもベストバイに思える。エンジンも1.3リッターに加えて、RS以外で唯一、1.5リッターも選べる。逆に1リッターはFのみでUでは選ぶことができないが、そもそもこの3気筒の1リッターエンジンは、軽自動車の延長で近所の買い物の足か、営業車向き。正直、我慢する部分もあったりして、事情がない限り、オススメしない。
 では、諸手をあげて1.5リッターがいいかというと、価格が正直高い。160万円もしてしまい、諸費用を入れると200万円ギリといったところ。このクラスで、そこまで出せるか? もちろん出せる人は買えばよし。走りは余裕たっぷりで、不満はまったくなかろう。とはいえ、普通に走るなら1.3リッターで十分だ。
 ただ、問題はここでも価格。1.3リッターなら安くなると思いきや、10万円安いだけの150万円となる。値引きやエコカー減税などまだ続くとはいえ、コンパクトカーで150万円とは微妙であるし、装備的にそこまで豪華かというと、じつはそうでもなし。たとえばヘッドライトがHIDになるなら買い得感は出てくるが、Fと同じハロゲン。メーターがタコも含めた3眼になったり、オートエアコンやスマートエントリー&スタートシステムがUには付くが、結局は使い方次第のアナタ次第で、メインの1台として使うから豪華なほうがいいという人にUの1.3リッターがベストだろう。

思い切りの悪いアイドリングストップ装着グレード。ならば、買い得グレードはジュエラだ!!

トヨタ ヴィッツ ジュエラ

メッキフロントグリルなどでジュエラ独自の個性を強調。さらにドアミラー&ドアハンドルをシルバー加飾でドレスアップできるシルバーデコレーションでは限定色も用意され、選択の幅が広がる

 そこで気になるのが、スマートストップと銘打ったアイドリングストップだ。こちら、興味あるなら買い。1.3リッターの未装着が129万円なのに対して、135万円とたった6万円プラスのみ。ただ、アイドリングストップは燃費維持装置と考えるべきで、あまり止まらなければ意味も薄い。トヨタ自体もハイブリッドがあるだけに、やる気もないのかFだけとはさみしい。Uに付いていればまた話しは別だっただろう。
 そして、伏兵たるのが、ジュエラだ。Fベースながら、一部Uの装備もプラスされているといういいところ取りのお買い得グレードで、価格もFプラス7万円というのもうれしい。と、ここでジュエラって女性仕様じゃなかったっけ? と思うかもしれない。そうなのだが、じつは控えめで室内なども専用色になったりするのだが、しっとりとした感じで、女性というよりも大人な感じもしてくる。男が乗っても恥ずかしくはないだけに、安くて、貧相じゃなくて、装備もまずまず満足という、トータルバランスでジュエラ(排気量は当然1.3リッター)で決まりだ。
トヨタ ヴィッツ ジュエラ インパネ
トヨタ ヴィッツ ジュエラ シート
トヨタ ヴィッツ ジュエラ 買い物アシストシート

女性仕様という触れ込みのジュエラだが、専用色「トリュフ」を採用した室内も女性というよりも大人な感じがする。装備も充実で、「F」プラス7万円という価格。お得感は大きい

売れすぎだから、リセールが弱い? それとも・・・、

トヨタ ヴィッツ 走り
 ヴィッツは今さらながら、トヨタのコンパクトクラスを代表する人気者だ。なので、リセールバリューもさぞよかろうと思いきや、中古車大手のガリバー自動車研究所に取材をしたところ、リセールバリューは人気車としてはかなり低調という。具体的には3年後の予想、最大値でも49%という半分以下のリセールバリューになった。
 その理由としては、まずこれといったウリがないという点だ。燃費はクラス最高の26.5Km/Lだし、実際に乗ってみても不満はないが、これだという特徴がないのも事実。デザインが洗練されたといっても、強烈な存在感があるわけでもない。とくにライバルたるフィットと比べると、走りの質やパッケージングなどの点で弱いのは確かだ。そしてそもそも販売台数が多いのも不利になっている。ここまで踏まえて購入するか否かを考えたほうがよさそうだ。
 もちろん、リセールバリューは5年以内で売ることを前提としている。このクラスは、6年くらい経過すると、ほとんど値段が付かなくなる傾向にあるので、乗り潰してしまう人には、まったく関係ない。そういう人は「トヨタだから安心」という視点で選ぶのも悪くはない。

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(レポート:CORISM編集部

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