スズキ スペーシア/スペーシアカスタム新車情報・購入ガイド クラストップの燃費性能32.0㎞/L! さらに軽自動車初のステレオカメラを使った自動ブレーキを搭載し、燃費&安全性能でライバルと圧倒! [CORISM]
マイルドハイブリッドのS-エネチャージで、さらに燃費を伸ばし32.0㎞/Lライバルを圧倒!
スズキは人気のスーパーハイト系ワゴンに属するスペーシアとスペーシアカスタムを一部改良。燃費性能と安全性能を大幅に引き上げ発売を開始した。
スズキ スペーシアは、2013年2月に登場したモデル。スズキの軽量化技術やエネチャージなどにより、クラストップの29.0㎞/Lという圧倒的な低燃費性能を実現した。燃費戦争を繰り広げていたスズキとダイハツ、そしてホンダだったが、スペーシアの29.0㎞/Lという低燃費性能により、イッキにスペーシアが人気モデルになるかと思われた。しかし、直近の販売台数ではダイハツ タントが圧倒的な販売台数で1位。やや離され気味でホンダN-BOXが2位に続いている。そんな中、燃費でクラストップのスペーシアだが、完全に引き離されタントの約半分の台数しか売れていない状況となった。スズキにとっては、想定外の敗北と言える。
大きな差となった理由はいくつかあるものの、スズキは徹底して燃費にこだわった。今回の一部改良では、クラストップの燃費をさらに引き上げ32.0㎞/Lとした。タントの燃費が28.0㎞/Lなので、約15%もの差を付けたことになる。
燃費向上の大きな要因は、すでにワゴンRに搭載されていたマイルドハイブリッド機能である「S-エネチャージ」の進化型が搭載されたこと。このS-エネチャージは、ISG=Integrated Starter Generator(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)がエンジンをアシストすることにより、低燃費化させるというものだ。ただし、このISGのモーターは小さくモーターのみでの走行はできない。
ワゴンRにISGを搭載したモデルに試乗したときには、モーターのアシストはわずか6秒という一瞬で終わるものだった。当時、エンジニアとの懇談時に、もっと長い時間アシストできないのか? という質問に対して「今はシステムのリスクをできるだけ回避して、安全のマージンを多くとっている。伸びしろは、まだまだあると考えている」と答えていた。それから、1年も経たずにS-エネチャージは進化して登場した。
その進化内容は、ISGのモーターアシスト時間を、従来の最長6秒間から最長30秒間まで拡大。モーターアシストする速度域を、従来の「15km/h~85km/h」から「発進後~約85km/h」に拡大し、モーターアシストする頻度を向上させている。その他、R06A型のエンジンも進化。エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドの採用や触媒ケースを簡素化するなど、軽量化、コンパクト化を実現。スズキの軽量・コンパクト化技術は、群を抜いており他メーカーの追随を許していないくらいなのだ。当然、スペーシアは全車エコカー減税免税対応となっている。
軽自動車初の2眼カメラを使用した「デュアルカメラブレーキサポート」を採用! 普通車を超える安全性能を得た!
そして、単に燃費だけでなく安全装備も大幅に進化した。従来型の自動ブレーキは、赤外線を使ったもので30㎞/h以下に限定されたものだったが、なんとステレオカメラが装備され歩行者の認識し自動ブレーキを作動させるほか、より高い速度域での自動ブレーキが可能となった。この安全装備をスズキは「デュアルカメラブレーキサポート」と呼び、軽初の装備となる。ステレオカメラを使った自動ブレーキ関連の安全装備は、スバルのアイサイトなどが代表的な例となる。
「デュアルカメラブレーキサポート」が装備されたことにより、スペーシアの安全性能は飛躍的に向上。約5km/hから約100km/hの速度域で車両や歩行者を検知し、警報や自動ブレーキで衝突の回避、または衝突時の被害軽減を図るシステムの他、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能がプラスされた。こうした安全装備は、軽自動車初というだけでなく、普通乗用車を含めた中でも高いレベルにある。普通乗用車の自動ブレーキなどの安全装備の普及は大きく遅れており、今や軽自動車の方が進んでいる状態だ。そして、この「デュアルカメラブレーキサポート」は、オプションながら75,600円高と安価な科価格で装備できるというのも高く評価したいポイントだ。
スズキは、以前、横滑り防止装置(ESP)の標準装備化も車両価格優先であるとし、頑なに拒んでいた経緯がある。しかし、ダイハツが軽自動車マーケットに自動ブレーキのムーブメントを起こすきっかけとなったスマートアシストを登場させてから、イッキに安全装備の充実に舵を切った。軽自動車の歴史は、売れている車種、装備のマネの連続でもあるが、結果としてより安全な軽自動車になったことはとても評価できる。強いライバルがいるからこそ、切磋琢磨するという、顧客側にとっては非常にメリットのある技術競争が行われている。
今回の一部改良で、スペーシアの価格は若干アップしたものの、S-エネチャージが装備されたことを考えれば、かなりリーズナブルな設定といえる。燃費が向上しただけでなく、S-エネチャージのISGはアイドリングストップからのエンジン再始動が非常に静かだ。この静かさとスムースさを格別で、これだけでもスペーシアが欲しくなるほどだ。
タントと比べた場合、ピラーレスのミラクルオープンドアというユニークさはタントがリードするものの、大きな燃費差とISGによるエンジン再始動時の静かさはスペーシアがリードする。デュアルカメラブレーキサポートを装備した状態での価格は、若干タントが安いが、ほとんど差が無いと思ってもいいだろう。こうしたスペーシアの商品力強化により、スペーシアの販売台数アップにも期待したいところ。実際の購入時には、必ずデュアルカメラブレーキサポートを選択したい。安全面は当然として、中古車マーケットも、こうした安全装備が人気となることは確実で、自動ブレーキの装備が無いとリセールバリューも下がることも十分に考えられるからだ。
さて、販売台数で2位の座にいるN-BOXは、これで燃費性能・安全装備とも大きく後れを取ることになる。ホンダは、自動ブレーキを含んだ安全技術ホンダセンシングを持っているが、200万円前後のシャトルにも搭載をためらい、今や古くなった赤外線の自動ブレーキのみとした。これほど、軽自動車の安全装備が進むと、N-BOXは完全に置いて行かれた状態。ホンダの軽自動車における安全装備の動向にも注目したい。
スズキ スペーシア/スペーシアカスタム価格
・G 2WD 1,274,400円/4WD 1,395,360円
・X 2WD 1,382,400円/4WD 1,503,360円
■スペーシア カスタム価格
・GS 2WD 1,528,200円/4WD 1,649,160円
・XS 2WD 1,641,600円/4WD 1,762,560円
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