フォルクスワーゲンの戦略MQBを採用した最初のモデルが新型フォルクスワーゲン ゴルフ7
フォルクスワーゲン ゴルフは、1974年に初代が発売されて以来、6世代38年間にわたり 2,900万台以上が生産されている世界的ベストセラーのFF車。日本においても、1988年に統計を開始して以来25年間、ゴルフシリーズとして販売台数ナンバー1をキープするなど、最も親しみやすい輸入車のひとつだ。また、その完成度の高さは圧倒的。世界中の自動車メーカーが、フォルクスワーゲン ゴルフをベンチマークにして新型車を開発するものの、フォルクスワーゲン ゴルフを超える5ドアハッチバック は次世代のゴルフのみとも言われるほどだ。
今回7世代目となる新型フォルクスワーゲン ゴルフ7は、今までにないMOBと呼ばれるフォルクスワーゲンの新しいモジュール戦略の第一弾となっている。MQBとは、モジュラー トランスバース マトリックスと呼ばれ、ブランドや車両のクラスを超えて、様々な車両コンポーネントを標準化する技術。より低コストで、多品種生産でき、よりリーズナブルな価格のクルマが手に入るという利点がある戦略だ。
そのMQB戦略により開発されたフォルクスワーゲン ゴルフ7は、先代で高い評価を得た TSI エンジンや高剛性ボディ、サスペンションだけでなく、エアコンやインフォテイメントシステムにいたるまで新世代モジュールとしてゼロから開発された。そのため、機能と性能を格段に向上しながら、プレミアムカーに匹敵する内外装品質、クラス最高の安全装備、大幅な軽量化と燃費の向上に成功しているという。
またしても、大きくなったボディサイズ
デザインは、いつものようにあまり変化していないように見える。しかし、それことがフォルクスワーゲン ゴルフなのだ。水平基調のグリルに太いCピラーなど、しっかりと歴代ゴルフに敬意を表し伝統を継承している。先代から大きく変えることが大きな目的となっているクルマとは明確に違う。だからこそ、長年に渡り愛されるクルマとなるのだろう。
インパネまわりも、恐ろしいほどに機能的だ。機能系部分は、ドライバー側に傾斜させたデザインを採用。これは、フォルクスワーゲン車初となるデザインだ。
エコカー減税が免税となる低燃費性能を得た2タイプの新エンジン
ハイラインに搭載する1.4L TSIエンジンは、従来のターボ+スーパーチャージャーのツインチャージャーからシングルチャージャーに変更。新たに気筒休止システム、アクティブシリンダーマネジメントシステム(ACT)を搭載し大幅な低燃費化。最大トルクは、先代モデルの240Nmを上回る250Nm/1,500-3,500rpmをアウトプットする。
こういった新エンジンと軽量化により新型フォルクスワーゲン ゴルフ7は、ゴルフTSIトレンドラインマイスターエディションの19.0km/Lから、ゴルフとして過去最高の21.0km/L(JC08モード)を達成した。ハイラインの燃費も19.9km/Lという低燃費を達成。この結果、新型フォルクスワーゲン ゴルフ7は、エコカー減税100%(免税)を達成し、顧客に大きなメリットを提示できた。フォルクスワーゲン ゴルフの国内のライバルは、ハイブリッド のプリウス なので、減税分という部分では、ついにハイブリッド車に追いついたことになる。
高い安全装備をプラスしたのに、価格据え置きという戦略的価格
「Front Assist Plus」は、ミリ波レーダーで前車との車間距離を検知し、衝突の危険が予測される際には警告音を発し、ドライバーが回避操作を行わない場合には自動で車両を減速させて衝突被害を軽減するプリクラッシュブレーキシステムだ。
シティエマージェンシーブレーキは、時速30km/h未満で走行中の場合、前方車両との衝突の危険がある場合、自動的にブレーキを作動させ、危険を回避、あるいは追突の被害を軽減。
プロアクティブ・オキュパント・プロテクションは、ESPの介入など、事故の可能性が高いとシステムが
検知した場合、シートベルトのテンションを高めると共にウインドーを閉じ、エアバッグの効果が最大限発揮できるように準備する。
マルチコリジョンブレーキシステム:2次衝突のリスクを軽減するシステムで、追突時の衝撃をエアバッグセンサーが検出すると、自動で車両を 10km/h以下になるまで減速させる。
ドライバー疲労検知システムである“Fatigue Detection System”は、ドライバーのステアリング操作や角度をモニタリングし、疲労や眠気による急なステアリング操作などを検知して警告音と警告表示で休憩を促す。
アダプティブクルーズコントロール“ACC”(全車速追従機能付)は、クルーズコントロールにミリ波レーダーを組み合わせ、設定速度を上限に自動で加減速を行い、一定の車間距離を維持することにより、長距離走行でのドライバーの負担を大幅に減らします。(TSI コンフォートライン、TSIハイラインに
標準装備。TSI トレンドラインはオプション。)
レーンキープアシストシステム”Lane Assist”:フロントガラス上部のカメラにより走行中の車線を監
視し、ドライバーの意図しない車線逸脱に対し自動でステアリングの補正を行う。(TSI ハイラインに標準装備。その他はオプション。)
これらの先進予防安全装備が新たに投入されているのに、エントリーモデルであるトレンドラインの価格は249万円と据え置き。MQBの高価なのか、それとも輸入元のフォルクスワーゲン グループ ジャパンの努力なのかは不明だが、よりよいクルマがリーズナブルな価格で買えることは素晴らしいことだ。ゴルフのライバルとなる国産車は、安全装備面だけでなく、価格面や燃費でも差を付けれた。
気筒休止付きシステムを搭載した1.4Lエンジン車にエントリーモデルが欲しい!
デビュー初期は、高いグレードから売れるので、ここでシッカリと収益を上げるという考え方は商売の鉄則だが、1.4Lエンジン搭載したモデルのエントリーモデルがあってもいいと思う。
新型フォルクスワーゲン ゴルフ7のグレード選びは、どれを選んでも損がないので安心だ。エントリーモデルのトレンドラインでも、十分な装備とパフォーマンスをもつ。よりゴージャスな装備を求めるのなら、コンフォートラインとなる。また、走りの質を求めるのなら、ハイラインがオススメ。このハイラインだけが、リヤサスがスタビライザー付きの4リンクとなっていて、トレーリングアームの他の2グレードとは明確に違うフットワークをもつ。
新型フォルクスワーゲン ゴルフ7価格
・ゴルフ7 コンフォートライン:2,690,000円
・ゴルフ7 ハイライン:2,990,000円
【関連記事】
- 新型フォルクスワーゲン ゴルフ7新車試乗評価 ハイブリッド車並の実燃費で勝負! すべてが新しくなったゴルフ7
- フォルクスワーゲン ゴルフ7(VW GOLF 7)新車情報・購入ガイド デビュー前に、早くも限定車が登場したVWゴルフ7
- 【先代モデル】アイドリングストップ機能装着で、もはや無敵?【VWゴルフTSI トレンドライン ブルーモーション テクノロジー(BlueMotion Technology)試乗評価】
- VWゴルフ blue-e-motion(ブルーeモーション)試乗評価 2014年国内導入予定!? 本格派輸入EVの実力は?
- フォルクスワーゲン新車情報・購入ガイド一覧
- フォルクスワーゲン新車試乗評価一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!