VWゴルフ blue-e-motion(ブルーeモーション)試乗評価 2014年国内導入予定!? 本格派輸入EVの実力は?
VWゴルフ blue-e-motion(ブルーeモーション)試乗評価の目次
2013年にドイツで、2014年に日本に導入予定のVWゴルフ blue-e-motion(ブルーeモーション)
VWゴルフ の電気自動車 ゴルフブルーeモーションに、体験試乗をする機会があった。
日本では、すでにi-MiEV やリーフ が販売されていて、電気自動車の時代が始まっているが、フォルクスワーゲンは、まだ市販の段階にまで至っておらず、今回試乗したのもプロトタイプ車である。
見た目は普通のゴルフと何ら変わるところがない。見分けが付かないので、ボディに電気自動車であることを示すステッカーを貼っていたくらいだ。ただ、厳密に言うと少し違いがある。ラジエターを冷やす必要がないのでグリル部分に穴が空いておらず、排気ガスが出ないのでテールパイプもない。
リチウムイオン電池は、リヤシートの下とラゲッジスペースの下に搭載されていて、電池だけで300kgを超える重さがあるという。制御系や電気モーターはエンジンルームにあり、前輪を駆動するFF車だ。
電池メーカーについては、明らかにされなかった。何年か前のコンセプトカーにはサンヨー製の電池が搭載されていたが、明らかにされなかったということは、サンヨー(現パナソニック)ではなく、ドイツ製か韓国製の電池を搭載しているのかも知れない。
フォルクスワーゲンは、2013年にはドイツでゴルフベースの電気自動車を発売する計画で、日本にも少し遅れて2014年には輸入されることになるという。他には、2012年秋に導入が予定されているコンパクトカー VW UP! ベースの電気自動車も開発が進められている。
パドルで回生ブレーキを調整できると高評価
アクセルペダルを踏んでするすると走り出すと、とても滑らかな走りを示す。広い道路に出てアクセルを踏み込むと、電気自動車らしい強烈な加速だ。電気モーターの特性から270N・mというトルクが瞬時に立ち上がるので、とても力強い加速が得られると高評価である。
パワー&トルクの数値はほぼリーフ並みの実力だが、踏み込んだときの加速感はむしろリーフよりも力強いような印象だった。
VWゴルフ ブルーeモーションでは、通常走行用、エコ走行用、航続距離を最大化する走行用という3種類のモードが用意されていて、これを切り換えることでメリハリの効いた加速フィールが得られる。
もうひとつステアリングの裏側に設けられたパドルを操作することで、回生ブレーキの聞き具合を3段階に調節できる。シフトレバーでBレンジを選べるので、合計4段階の回生の効きを選ぶことができる。
去年、アウディA1 とA3 のeトロン に試乗したときにも、パドルシフトによってエネルギー回生を変化させる仕組みが採用されていた。フォルクスワーゲングループではこの方式の採用を考えているのが分かる。
最も回生が弱い状態では、ほとんど回生をせずに惰性で走らせるような形になる。この状態での走りの滑らかさは相当に気持ち良いが、アクセルから足を離したときにはある程度の減速感があったほうがガソリン車的で自然な感覚になると評価したい。
航続距離は約150km。近距離用として割り切った使い方を提唱
充電口は、ボディの右リヤとフロントグリルにあるフォルクスワーゲンマークの部分の2個所に設けられている。家庭用の200V電源で5時間ほどで満充電になり、150kmの航続距離が得られるという。
充電システムは、基本的に自宅での充電を考えたもので、出先での急速充電のような使い方はあまり考えていないという。
ヨーロッパでは、距離を走る都市間移動は高速道路を高速で走るため、スピードを上げるほど走行距離が短くなる電気自動車にリアリティがない。フォルクスワーゲンでは、自宅で充電して走れる範囲内で使うことを基本としているようだ。
フォルクスワーゲンは、豊富なラインナップのすべてのクラスでクルマの電気化を進めていく計画を持っている。その中で、都市間移動もするようなクルマとしては、ゴルフヴァリアント をベースにツインドライブと呼ぶプラグインハイブリッド 車を開発していて、電子制御との棲み分けを考えている。
日本で発売されるまでに、性能や価格がどうなるかはまだまだ分からない部分が多いが、フォルクスワーゲンの電気自動車に乗れる日がそう遠くないうちに現実のものになりそうだ。
【関連記事】
- 【日産 電気自動車 リーフ 新車試乗記】ついに街へ飛び出した話題の最新型EVは"使える"ヤツなのか
- ホンダ フィットEV新車情報 日本ナンバー1電費を実現した電気自動車、8月下旬に発売開始!
- マツダ デミオEV新車情報 EVの価格戦略車の予感!?
- 電気自動車(EV)の主導権争奪戦「チャデモvsコンボ」日欧自動車メーカーの標準化覇権争いが勃発した!!
- なんと、バッテリー保証は8年という強気のRAV4 EV!【トヨタRAV4 EV新車情報】
- ビートルをベースにしたEVだが、もっともアグレッシブ【VW Eバグスター新車情報】
- 詳細画像追加! 日産の二人乗り超小型車。超小型の電気自動車が実証実験開始【日産ニューモビリティコンセプト(New Mobility CONCEPT)】
- EV情報一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- 日産オーラ ニスモ(AURA NISMO) tuned e-POWER 4WD試乗記・評価 絶賛! まるで後輪駆動のような楽しい走行性能【日産】
- 【動画】60系トヨタ プリウス 試乗レビュー! 超低燃費性能と、気持ち良い走りを高次元で融合!【トヨタ】
- 【動画】60系トヨタ プリウス内外装レビュー こだわりポイントを詳細レポート【トヨタ】
- トヨタ カローラシリーズ新車情報・購入ガイド スポーティな特別仕様車「ACTIVE SPORT」新投入!【トヨタ】
- スバル インプレッサ新旧比較 失敗・後悔しないクルマ選び【対決】
- スバル インプレッサ vs トヨタ カローラスポーツ徹底比較評価 失敗・後悔しないクルマ選び 【対決】
- トヨタ プリウス新旧比較 失敗・後悔しないクルマ選び【対決】
- アウディA3新車情報・購入ガイド これぞプレミアムブランド! リサイクル素材を積極採用した限定車【アウディ】
- 新車トヨタ ヤリス VS 中古車トヨタ カローラスポーツ徹底比較 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- スバル インプレッサ試乗記・評価 五臓六腑に染みわたる「人、中心」のスバル哲学【スバル】
【オススメ記事】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!