アウディA6 ハイブリッド新車試乗評価 燃費は微妙だが、滑らかなフィーリングと質感の高いインテリアは高級車に相応しい高い完成度
アウディA6 ハイブリッド試乗記・評価の目次
- アウディA6 ハイブリッドの燃費は13.8km/Lと少々、微妙な数字
- 質感の高さは、ハイブリッドでも同じアウディ品質
- 滑らかに切り換わる走行モードは、まさに高級セダンにふさわしい完成度
- アウディA6 ハイブリッド価格 スペック 燃費など
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■アウディA6 ハイブリッドの燃費は13.8km/Lと少々、微妙な数字
アウディが、ハイブリッドモデルである新型アウディA6ハイブリッドの発売を開始した。ハイブリッドというと、トヨタやホンダなど日本の自動車メーカーの独壇場とされてきたが、最近ではヨーロッパの自動車メーカーも次々にハイブリッド車を投入している。
都市間を高速で移動することの多いヨーロッパでは、ハイブリッド車よりもディーゼル車のほうが有利な部分があるのは確かだが、ヨーロッパでも走行条件によってはハイブリッド車が優位性を発揮できる。
また、アメリカでハイブリッド車が良く売れていることも、ヨーロッパのメーカーがハイブリッド技術に積極的に取り組むようになった理由である。そんな中で、日本市場に積極的にハイブリッド車を投入しているのがアウディだ。
アウディは、数年前にクリーンディーゼルを投入しようとしたが、当時は日本ではまだディーゼル車に対する機運が盛り上がっておらず、方針を転換してハイブリッド車を投入するこになったという経緯がある。
アウディが最初に導入したのは、A6ハイブリッドだ。直列4気筒2.0LのTFSI(直噴ターボ)仕様エンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッド車で、ボディタイプは4ドアセダンのみ、駆動方式もクワトロではなくFFのみという設定だ。
ハイブリッド用の電池は1.3kW/hの容量でプリウスと変わらないが、ニッケル水素電池ではなくリチウムイオン電池である点が相違点。電池を搭載するためにトランクルーム内に出っ張りができ、荷物の積載量がやや制約を受けている。
また、トランスミッションは8速のティプトロニックを採用し、ハイブリッド化に対応してエアコンやパワーステアリングなどが電動化されている。カタログ上のJC08モード燃費は13.8km/Lで、このクラスのラグジュアリーセダンとしてはまずまず良い数字だが、日本のハイブリッド車に比べると大した数字ではないのも事実である。
■質感の高さは、ハイブリッドでも同じアウディ品質
新型アウディA6ハイブリッドの運転席に乗り込むと、アウディならではの質感の高さが感じられる。木目パネルや本革シートなどの素材の良さだけでなく、仕立ての良さが加わって高い質感が表現されている。内装の良さは、これはハイブリッドだけでなくアウディ車全般に共通するものだ。
メーターパネルは、ハイブリッド車専用のもので、右側にスピードメーター、左側にはハイブリッドメーターが配置され、その間にアウディA6のイラストとともに、エネルギーの出し入れ状態が分かるエネルギーフロー・ディスプレーが配置されている。
この部分は、区間燃費計やエネルギー回収が分かるグラフを表示させることもできる。速度計のさらに右側となるメーターパネルの右端には燃料計があり、左端にはリチウムイオン電池の残量計が配置されている。
■滑らかに切り換わる走行モードは、まさに高級セダンにふさわしい完成度
アウディA6ハイブリッドの発進は、EVモードで滑らかに走り出す。EVモードを選択すれば、最高で時速60kmまでの速度で、最長で3kmまでをEVとして走ることができる。アクセルを踏み込めば必要に応じてエンジンが始動し、パラレルハイブリッド車としての走行を始める。
走りの静かさや滑らかさは正にハイブリッド車のもので、このあたりの完成度の高さは日本のハイブリッド車と変わらない。というか、それを上回るくらいのデキである。
高速クルージングに入ってアクセルを緩めると、駆動系を切り離すコースティングモードに入って、ますます静かで滑らかな走りになる。
こうした走行モードの違いは、運転しているだけだと全く分からないくらいだ。前述のモニターを見ているから分かるだけのことで、それくらい滑らかに走行モードが切り換わる。
アウディA6ハイブリッドに搭載される2.0LのTSFI仕様エンジンの動力性能は、155kW/350N・m。電気モーターは40kW/210N・mの実力で、システムとして発揮できるのは、単純な足し算ではないが、A6のボディに対しても余裕十分の動力性能といっていい。
電池などハイブリッドシステムによる重量増はあるが、逆にFF車であることの重量減もあるので、車両重量は1850kg。2.8TSIクワトロに比べても、60kgほどしか重くなっていない。力強い走りが得られるのも当然で、アクセルを踏み込むとけっこう鋭い加速を見せる。一般公道で使うには十分すぎる実力である。
今回は試乗時間が短かったこともあって、アウディドライブセレクトのいろいろなモードを試すところまではいかなかったが、やや硬めながら乗り心地も快適。いいクルマに乗っているなあという気分にさせてくれる。
アウディA6ハイブリッドの価格は690万円で、試乗車にはコンフォートシートやアウディアドバンスドパッケージなどのオプションが付いて772万円の仕様になっていた。日本のハイブリッド高級車と比べると、やや高めの価格設定ながら、内外装の仕様などを考えると比較検討する意味のあるクルマだと思う。
■アウディA6 ハイブリッド価格 スペック 燃費など
<アウディA6ハイブリッド価格>
・6,900,000円
<アウディA6ハイブリッドスペック>
・全長×全幅×全高(mm)4,930×1,875×1,465
・ホイールベース(mm)2,910
・トレッド:フロント/リヤ(mm)1,625/1,615
・最低地上高(mm)150
・車両重量(kg)1,850
・最小回転半径(m)5.7
・JC08モード燃費(km/ℓ)13.8
・CO2 排出量(g-CO2/km)168
・エンジン型式 CHJ-EAFA
・総排気量(cc)1,984
・エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
・ボア × ストローク(mm)82.5×92.8
・圧縮比 9.8
・最高出力[ネット]155kW(211PS)/4,300-6,000rpm
・最大トルク[ネット]350Nm(35.7kgm)/1,500-4,200rpm
・モーター種類 交流同期電動機
・モーター最高出力[ネット]40kW(54PS)
・モーター最大トルク[ネット]210Nm(21.4kgm)
・駆動用主電池 リチウムイオン電池
・トランスミッション 8速 ティプトロニック トランスミッション
・サスペンション:フロント 5リンク ダブルウィッシュボーン スタビライザーバー
・サスペンション:リヤ トラペゾイダル ウィッシュボーン スタビライザーバー
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