アウディA4新車情報・購入ガイド あのプリウスをも超えた空気抵抗係数Cd値0.23を達成! しかし、事情によりガソリン車のみなのが物足りない [CORISM]
アウディの中核を担う新型A4。空気をも味方にした超空力ボディは、ワイド&ローフォルムで美しさ際立つ!
先代のアウディA4は、2008年に日本へ導入された。アウディA4の前身ともいえるアウディ80を含めると、1200万台以上もの販売を築いてきた中核モデル。アウディ80は、バブル期の日本において大ヒットし、アウディブランドの基礎を作り上げたモデルでもある。
1995年には、初代A4が日本デビューする。その約1年後、ワゴン モデルのA4アバントがデビュー。当時、ワゴンブームということもあり、A4アバントは売れた。それ以降、アウディA4アバントはアクディブなライフスタイルをもつ顧客に支持されていく。また、モデルチェンジを繰り返し、2010年にはA6で好評だったオールロードクワトロ がA4にも限定車として設定され高い人気を誇った。
オールロードクワトロの人気が示す通り、アウディA4の魅力の一つはAWD システムであるクワトロ。当時、FRのラインアップ中心でAWDはオマケ程度の設定しか無かったBMW 3シリーズ やメルセデス・ベンツCクラス などのライバルに対し、積雪地域で高い支持を得ていた。
このクワトロがA4の肝。通常のモデルはFFなので、よりコストが高くドライブフィールに勝るFRを基本とする他のプレミアムブランドに比べるとややブランドイメージに劣っていた。しかし、このクワトロの恩恵もあり、日本においてライバルと同等のプレミアムブランドとして認知されている。
今回のフルモデルチェンジで、新型アウディA4のボディサイズは、全長4,735×全幅1,840×全高1,410mmとなった。先代モデルと比べると全長と全幅で+15㎜大きくなった。全幅1,840㎜というのは、ライバルの3シリーズに対して+40㎜、Cクラスに対して+30㎜大きい。日本の都市部に多い立体駐車場。その全幅制限は1,800㎜となっているところが多く、購入したくても駐車場の制限を超えるため購入できない顧客が出てしまう。3シリーズなどは、日本専用部品を使い全幅を1,800㎜にしているくらいだ。
全高は先代モデルより、30㎜低くなった。全幅はワイドになり、全高が低くなったので、よりワイド&ローなフォルムとなりスタイリッシュなシルエットを得ている。全高が低くしたのには、訳がある。なんと、新型アウディA4の空気抵抗係数であるCd値は0.23を達成。この数値はクラストップ。全高を低くしたことも
影響している。空気抵抗を徹底的に抑え、40.8㎞/Lという超低燃費を達成したプリウスのCd値が0.24。セダンの新型A4が、プリウスを上回るCd値0.23というのは非常に素晴らしい成果と言える。空気抵抗は、より高速域での燃費性能に影響するだけに、新型A4の高速実燃費は期待できるだろう。
この空気抵抗の少ないボディに搭載されたエンジンは、2.0L直4ターボの2.0TFSIエンジンのみ。このエンジンをベースに、クワトロシステム(AWD)と組み合わされるハイパワー仕様の2.0 TFSIは、185kW(252PS)の最高出力と370Nm/1,600~4,500rpmの最大トルクを発揮。クラストップレベルのパワフルさを持つ。従来型のA4クワトロと比べると30kW(41ps)&20Nm、パワーとトルクが向上。パワーアップしながら、燃費性能も15.5km/Lとなり、従来型(13.6km/L)から14%も燃費性能を向上させている。
そして、FFモデルに搭載される2.0TFSIエンジンは、140kW(190PS)、320Nm/1,450~4,200rpmを発揮する。どちらかというと、実用性を重視したエンジンセッティングになっているものの、ライバル車よりもややパワフルな傾向。それでいて、燃費性能は18.4km/Lと2.0Lのガソリンエンジン車としてはトップクラス。このエンジンは、ミラーサイクルを採用しながら、ターボ車としては11.8というかなり高圧縮比を実現。その他の技術も組み合わせることで、クラストップレベルの低燃費とパワフルさを両立している。
残念ながら、フォルクスワーゲン のディーゼル 問題もあってか新型A4にはディーゼルエンジンの設定は見送られている。また、メルセデス・ベンツやBMW などがすでに積極的に投入を始めているPHV の設定もない。徐々に日本でもディーゼル車人気が高まっているだけに、選択肢が少ないの先進性をアピールするアウディブランドとしては残念なポイントでもある。
新型A4のデザインは、力強い面の張りとシャープなエッジが見事に組み合わされ、まるで金属の塊から削り出した彫刻のようなスタイル。そこに、アウディの個性的なマトリクスLEDが加わる。全体的に精緻な印象が強く、プレミアムブランドらしい存在感を放っている。
インテリアは、アウディらしい質感の高い仕上がり。水平基調の広がり感あるインパネデザインとなり、より広大な室内空間をアピール。実際、ボディサイズも大きくなったことから、室内スペースも広くなっている。
そして、インパネにはアウディTTでも採用されたバーチャルコックピットが新型A4にも採用された。ナビ画面などが、メーターパネル内に表示されることもあり、視線移動が少なく見やすいので安全面でも優れたシステム。スマートフォンとのインターフェイスも高い利便性をもつ。
最新の安全装備アウディプレセンスを採用し、プレミアセダンとして相応しい仕様に!
今回は、こうした機能に加えて、新たに右折やUターン時の安全を確保する「ターンアシスト」を採用。対向車に気が付かずうっかり右折し衝突することを回避する機能だ。また、後退時の安全を確保する「リヤクロストラフィックアシスト」、停車後のドア開閉に後方から来る車両を検知しドアの接触などを避ける「エグジットワーニング」などの機能を統合した総合的予防安全システムに進化した。
また、先行する車両を追従し加減速を自動的に行う「アダプティブクルーズコントロール」に新たに「アウディアクティブレーンアシスト」の車線維持の機能を統合。よりドライバーの負担を軽減している。
超魅力的なLEDのマトリクスヘッドライトはオプション! 新型A4の購入を考えているのなら、ディーゼル車が投入されてから!
新型A4の選び方。基本的に、ガソリン車だけという設定なのでしばらく購入は控えておいた方がいい。フォルクスワーゲンのディーゼル不正問題がひと段落した頃に、A4にもクリーンディーゼル車が設定されるからだ。どういう価格設定にするか分からないが、ライバル車の状況を見れば2.0TDIなら20~30万円アップ程度になると予想できる。そうなると、ガソリン車より大トルクになるディーゼル車は低燃費で経済的だ。車両価格が高くなるものの、エコカー減税などで多少は補える。少なくとも、ガソリン車とディーゼル車の両方を試乗して決めることをお勧めしたい。
そして、アウディを選ぶのであれば、やはりクワトロがお勧め。FFモデルでいいのであれば、同じグループでフォルクスワーゲン パサートという選択肢もあり、パサートは1.4Lとなるが329万円と新型A4と比べると非常にリーズナブル。新型A4の魅力は、やはりクワトロにある。
また、新型アウディA4は魅力的な装備がオプションだったりするので注意が必要。例えば、LEDのマトリクスヘッドライトはオプション。マトリクスLEDヘッドライト/LEDリヤコンビネーションライト/LEDインテリアライティング/ヘッドライトウォッシャー/バーチャルコックピットがマトリクスLEDヘッドライトパッケージ となり34万円のオプション。この装備は、まさにA4のアイデンティティともいえるので、絶対に装備したいオプションなので、車両価格にプラスして考えておきたい。
アウディA4価格
・A4 2.0 TFSI:5,180,000円
・A4 2.0 TFSI Sport:5,560,000円
・A4 2.0 TFSI quattro:5,970,000円
・A4 2.0 TFSI quattro Sport:6,240,000円
アウディA4燃費、スペックなど
代表グレード | アウディA4 2.0 TFSI quattro sport |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,735×1,840×1,410mm |
ホイールベース[mm] | 2,825mm |
車両重量[kg] | 1660kg |
総排気量[cc] | 1,984cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 185kW(252PS)/5,000-6,000rpm |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 370Nm/1,600-4,500rpm |
ミッション | 7速AT |
JC08モード燃費[km/l] | 15.5km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 624万円 |
発売日 | 2016/2/18 |
レポート | 編集部 |
写真 | アウディ |
【関連記事】
- アウディ A4オールロードクワトロ新車情報・購入ガイド モデル末期のA4がベースながら、オールロードクワトロのユニークさは捨てがたい魅力
- 【アウディ A4/A4アバント 2.0TFSIクワトロ 試乗評価】待望の2リッターターボ+クワトロモデル追加! 切れ味抜群のハンドリングに感涙!!
- アウディA4新車情報・試乗評価一覧
- BMW3シリーズ新車情報・購入ガイド 自信の表れ? 新世代エンジンに変更されたものの、外観デザイン変更は微小となったマイナーチェンジ
- BMW320d長期評価レポート一覧
- BMW3シリーズ新車情報・試乗評価一覧
- メルセデス・ベンツCクラス試乗記・評価 世界最高水準の安全装備を持ちながら、敏捷性を高めたスポーツセダン
- メルセデス・ベンツ Cクラス新車情報・購入ガイド 安心してください!「尿素入ってますよ」 待望の2.2Lクリーンディーゼルを搭載!
- メルセデス・ベンツCクラス新車情報・試乗評価一覧
- フォルクスワーゲン パサート(Passat)/パサート ヴァリアント(Passat Variant)新車情報・購入ガイド 【社長不在】のフォルクスワーゲンが、新型パサートでCクラスに3シリーズと超強力ライバルに挑む!
- フォルクスワーゲン パサート新車情報・試乗評価一覧
- 日産スカイライン長期評価レポート一覧
- トヨタ ミライ長期評価レポート一覧
- レクサスIS新車情報・試乗評価一覧
- トヨタ クラウン新車情報・試乗評価一覧
- ジャガーXE新車情報・試乗評価一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!