年忘れ!『"ヘン顔"カー選手権 2010-2011』[国沢光宏 コラム] [CORISM]

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【エンタメ】2010/12/30

奇瑞汽車『QQ3』
なんだか困ったようなとぼけたような、表現し難い不思議な「顔」だ

今年も色々あったけど・・・年末年始は「ちょっと妙なデザイン」のクルマで和んでください・・・

 年末の仕事が終わった方の息抜き用としてヒマネタをお届けしたいと思う。クルマは性能面で差を付けられなければ、ブランドイメージやデザインで商品性を高めていかなければならない。カッコ悪いクルマなら欲しくないけれど、腰抜かすくらい美しいと、それだけで欲しくなってしまいます。
 けれどデザインの評価は難しい。新車レポートでデザインの批評したら、必ずや「それはあんたの好みだろう」みたいな意見が出てくるほど。そこで趣向を変え、絶対カッコ悪いと思っていただけるクルマを紹介してみたい。ちなみに徹底的なカッコ悪さのクルマは、もはや日欧米に存在せず。
 ということで今回はデザインの面から見ても新興国である、中国の広州モーターショーに出展されていたクルマ達からピックアップしてみた次第。御存知の通り黎明期の中国車を見ると、基本的に「パクったデザイン」。されど昨今パクりを非難されるようになったため、独自のデザインをしてきた。

 例えば奇瑞汽車の『QQ3』(※TOPの画像)というモデル。コンパクトカーらしく可愛らしさを出そうとしたらしい。丸目ライトを採用するモデルが世界的に多いけれど、こいつはあまりに人間風で奇妙。ラジエターグリルは口ですね。その他『熊猫』(パンダ)なる丸目のモデルもあるけど、やっぱし妙。

生き残りを賭けて独自性を打ち出し始めた中国車は今まさに百花繚乱!

広州モーターショーに出展された『吉利』のコンセプトカー
広州モーターショーに出展された『吉利』のコンセプトカー
後ろに見えるかわいい顔のクルマはその名も"熊猫"(つまりパンダ)。まんまですね。

 続いて『吉利』のコンセプトカー(後方にチラリと見えているのが熊猫)。お姉さんは美人ながら、このグリルの模様でゲンナリする。グリルの部分に何か模様を付けなくちゃならない、ということから長円にしたんだろうが、おそらくクルマを全く知らないデザイナーなんだろう。見るだけに不愉快になるクルマなんか絶対売れないかと。
 同じく京風汽車の『30クロス』も、ラジエターグリルの格子のブブンを無理矢理デザインして失敗しちゃってる。そもそも必要以上にラジエターグリルを大きくしたら100%失敗する、というのはクルマのデザインの基本知識。
 トヨタ車のパクりカーで有名になった長城汽車の『H5』(こいつはハイラックスサーフのパクり)だってそう。中国人はラジエターグリルが大きければ立派だと思っているらしく、小型車やミニバンまで巨大なグリルを採用する傾向。ちなみにこのクラスのクルマであれば、基本はヘッドライトの下端までです。けれどラジエターグリルを極端に小さくすると、これまた顔の作り方が難しい。ネズミ小僧風になってしまうのだ。同じ長城汽車のモーターホームのカッコ悪さと来たら、逆の意味で腰抜ける。こんなデザインであれば、私の方がずっと上手だと思う。中国人は案外平気みたいですけど。
京風汽車『30クロス』

京風汽車『30クロス』
流行りのクロスオーバーモデルが中国にも登場。ハッチバック車をベースにでかグリルにSUV風フェンダーモールでアレンジしたようだ。これってもしかして、インプレッサXVのライバル!? 良く観ると、意外にイイんじゃないかと思ってきたりも・・・

長城汽車『H5』

長城汽車『H5』
写真では見えづらいけど、全体的にはハイラックスサーフ風のSUV、H5。そしてフォルムとは関係なく、取って付けたようなクライスラー風の押しの強いグリル形状との、何ともアンマッチな組み合わせとなった。

長城汽車製のモーターホーム

長城汽車製のモーターホーム
ハイラックス風ピックアップトラックをベースとしているキャンピングカー。富裕層に向けたレジャービークルの提案か。巨大なグリルもウケないけど、小さいグリル(あるいはグリルレス)のクルマも古今東西で失敗デザインの宝庫だったりする。

 ちなみに〆は口直しに「現在最も頑張っているデザイン」と言われている現代自動車の『ソナタ』。2010年にデビューするや、カムリやアコードを猛追する売れ行きを見せている。皆さん「カッコ良い」。キレイなお姉さんは中国の人であります。日本車も頑張って欲しい。

ヒュンダイ『ソナタ』 外観デザイン
頑張ってるデザイン代表!ヒュンダイ『ソナタ』
北米市場では、ライバルの「トヨタ カムリ」や「ホンダ アコード」に迫る勢いで人気を集める。先代はカムリを意識したような無味無臭デザインだったが、新型になってアメリカ人好みの大胆なフォルムを武器に、追撃を図っている。

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(レポート:国沢 光宏

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