ホンダ クラリティ フューエル セル(CLARITY FUEL CELL)新車情報・購入ガイド 東京モーターショー出展車 水素社会が目前! トヨタ ミライとは違う!? スポーティなFCVでパワフルさをアピール! [CORISM]
価格や発売日は未定ながら、期待されるホンダ新型FCV。一般販売されるのかにも注目!
この新型FCV は、昨年公開されているFCVコンセプトの市販車バージョンと呼べるものとなっており、ホンダは2016年3月までには発売を開始するとみられるモデルである。写真を見る限りでは、新型FCVの完成度は限りなく市販車に近い状態に仕上がっている。
ホンダは、どうしてもこの新型FCVを2015年度中に発売しなくてはならない理由がある。と、いうのも2014年11月に量販FCVであるトヨタ ミライ がデビューした。日本政府は、水素社会へを目指し東京オリンピックでFCVを含めた水素関連技術を世界中にアピールしたい狙いがある。そのFCVの第1弾として登場したのがトヨタ ミライで、首相官邸にも納車されているくらいだ。
しかし、そんな日本政府の思惑通りFCVの量産化を始めたトヨタに対して「ホンダは開発が遅い」とし、業を煮やしていたのが経産省だ。そのため、ホンダはトヨタのミライの発表日より1日前に2016年度中に新型FCVの発売を開始するという発表を行う状況になったという。経産省が一企業の開発計画にまで口を挟むという異例の状況でもある。そんな経緯もあり東京モーターショーでついに市販モデルが登場した。
エクステリアデザインは、“BOLD and AERO”をコンセプトに、堂々とした車格を演出するワイド&ローボディーと、空力性能を追求。空力性能は、燃費に影響するので重要な要素。フルLEDのヘッドライトなどで、先進性をアピール。
インテリアデザインは、“Advanced Modern Lounge”をコンセプトに、Hondaの考える瞬間認知・直感操作の設計思想に基づいた先進的なインターフェースを採用。全体的に広がりのあるシンプルなデザインが特徴。もはや、いつ市販化されてもいいくらいの状況だ。
注目のFCスタックは、ホンダ独自のWave流路セパレータをさらに進化させるとともに、セルの高出力化や薄型化など、独創の技術を結集。従来比33%の小型化を実現している。燃料電池最高出力は100kW以上で出力密度が3.1kW/L。ミライが114kWで3.1kW/Lなので、この数値を超えてくるかどうかというのにも注目だ。
ホンダ新型FCVは、70MPaの高圧水素貯蔵タンクを搭載。航続距離は700km以上(JC08モード走行時)だという。ミライが650㎞なので、この時点では新型FCVはミライを超えている。
ミライと新型FCVとの大きな違いは、搭載されている電池。ミライはニッケル水素なのに対して新型FCVは、リチウムイオン電池。一般的に電池の能力はリチウムイオン電池の方が優れているとされていることから、電池性能がどうクルマの性能や価格に影響を与えているのかにも注目したい。
ホンダ新型FCVのモーター出力は130kW。ミライは113kWなので、新型FCVはかなり強力なモーターを使っている。車重にもよるのだが、新型FCVの加速性はかなりスポーティなものになりそうだ。走行パフォーマンスを替えるモードも設定されている。燃費と走りを両立させた「Normalモード」と、加速とレスポンスを重視した「Sportモード」を設定。FCVだからといって必ずしもエコだけではないというアピールがホンダらしいところ。
今のところホンダ新型FCVの発売日は不明。2015年度中とされている。まぁ、ギリギリまで引っ張って2016年3月という噂もある。気になるのは、ホンダ新型FCVの価格と販売方法。ミライの価格は7,236,000円。この価格設定は、大赤字ともいわれている。ホンダがどこまでトヨタの価格に対抗し新型FCVの価格を安くできるのかどうかというのもFCV普及させる上では重要だろう。
また、販売形態にも注目だ。ミライの凄さは、一般に販売している点。ミライの完成度に対する自信の表れだ。こうした特殊なクルマは、一般的に何かあった時にすぐに回収・調査できるように法人・官公庁のリースにする場合が多い。アコード PHV なども、最初はそんな売り方がされていた。経済産業省に無理やり発売させられた感もあるホンダ新型FCVが一般に発売できるかどうかという部分も、新型FCVに対する自信があるかないか、という判断にもなりそうだ。
ホンダ新型FCV燃費、スペックなど
・乗車定員5名
・航続距離(JC08モード走行時、Honda測定値) 700km以上*1
・充填時間3分程度*2
・燃料電池最高出力100kW以上
・燃料電池スタック出力密度3.1kW/L*3
・モーター最高出力130kW*3
・水素最高充填圧力70MPa
・エネルギーストレージリチウムイオンバッテリー
*1 航続距離は、使用環境(気温、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて
短くなる場合があります。
*2 水素充填条件によっては、充填時間が異なる場合があります。
*3 Honda測定値。
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