アテンザとは違う2.0L SKYACTIVエンジンを評価する
マツダ プレマシーがマイナーチェンジをし、待望の2.0L SKYACTIVエンジンが搭載され、ミッションも最新世代の6速ATになった。ただ、SKYACTIVエンジンといっても、少し微妙で最新のアテンザ用ではなく、すでにアクセラに搭載されているSKYACTIVエンジンなのだ。
なにが違うのかというと、まず出力&トルク。新型プレマシー用は、111kw&190Nmに対して、アテンザ用は114kw&196Nmと若干パワーとトルクがアップされている。この違いは、SKYACTIVという名前こそ同じだが、圧縮比が違う。プレマシー用の圧縮比が12.0に対して、アテンザ用は13.0と高圧縮比になっている。この差は、主にアテンザと同じ4-2-1の排気系スペースが取れないため、アクセラと同じタイプの排気系を使っているからだ。この4-2-1排気系が使えないと、ノンキングの問題などで圧縮比13.0は成立しないためだ。
すぐに誰にでも実感できる実燃費の向上。試乗時は、燃費が約15%向上した!
だからと言って、プレマシー用のSKYACTIVがダメだということはない。今も併売されているプレマシー20CSの燃費は13.0km/Lで、20C SKYACTIVは20%以上低燃費の16.2km/Lになっているし、パワーもトルクも若干アップしている。トヨタ ウィッシュの燃費が14.4km/Lなので、プレマシーの16.2km/Lという燃費はライバルをも圧倒し、ミニバンクラストップとなる実力だ。ちなみに、1.5Lのエンジンを搭載するホンダ フリードGジャストセレクションが16.0km/Lなので、いかに低燃費なエンジンなのかというのも分かるだろう。
当然、気になるのは、新型プレマシーの実燃費だろう。今回の試乗では、マイナーチェンジ前のプレマシーも用意されていて、比較試乗ができた。プレマシーの燃費を評価するために、新旧2台のプレマシーで、同じルートをなるべく同じように1時間ほど走行した。走行は約80%が首都高速、約20%が一般道といったところ。所々でフル加速をするなどしていたので、普通に流れに乗って走ればもう少し良い燃費が期待できると思う。
まずは、マイナー前のプレマシーの実燃費は、12.1km/L。そして、マイナー後のプレマシーの実燃費は14.0km/Lとなった。約15%の実燃費向上だった。実は、誰にでもマイナー後のプレマシーの良さが明確に分かる部分は、この実燃費くらいなのだ。
劇的進化だが、違いが分かりにくのが難点。走りの質感は、同クラスミニバン、ナンバー1の実力車だ
確かに、6ATとなったミッションも良い。ロックアップ領域が増えたことで、ダイレクト感が増した。ATの滑りが少なくなったことで、アクセル操作に対して以前より増してクルマがスッと動く。ちょっとモタっとしたところが無くなり、クルマの動きにキレがある。
問題は、この進化が分かりにくい。マイナー前のプレマシーオーナーでも無ければ、この良さが伝わらないかもしれないからだ。元々プレマシーは、そういう走りの部分で優れたミニバンだったので、尚更そう感じさせる。エンジン&ミッションというクルマの重要部分が、激的に進化したのだけれど、走りの質は洗練されたという表現になってしまう。
ただ、それはマイナー前のプレマシーと比較した場合で、同じクラスのミニバンと比較すると、その差は激的に違う。随分、気持よく走るように感じ、燃費も圧倒的に良い。ロールーフタイプのミニバンの中では、走り&燃費ならナンバー1と言ってもいい仕上がりといえる。
最近のクルマ選びは、試乗せず決める顧客が増えて来ているという。試乗しても分からない、というのが理由なのだそうだ。だが、このクラスのミニバンを比較検討しているのなら、まず試乗してみることをオススメする。思っている以上に、違いがあるからだ。とくに、新型プレマシーの場合、乗った時の評価が高い。
そんな新型マツダ プレマシーの最近のライバル車は、なんと1.5Lでひと回り小さいホンダ フリードだという。価格帯がほぼ同じというのが、大きな理由のようだ。コンパクトさやリセールバリューという視点では、フリードが有利。2.0Lの余裕と気持ちのよい走りと燃費、車内にスペースはプレマシーに軍配が上がる。価格がだけが勝負というのでは、あまりにも寂しい。まずは、ジックリと試乗して、その違いを実感してほしい。
新型マツダ プレマシー価格
20C-SKYACTIV 1,953,000円
20S-SKYACTIV 2,205,000円
20S-SKYACTIV Lパッケージ 2,352,000円
20CS 1,799,000円
20C 4WD 2,100,000円
20S 4WD 2,352,000円
<新型マツダ プレマシーのマイナーチェンジ詳細>
■マツダ プレマシー新車情報・購入ガイド プレマシー、待望のスカイアクティブエンジンを得て、クラストップの低燃費性能に!
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