電気自動車急速接近中! 早くも低価格競争へシフトか? なんと188万円!【三菱アイ・ミーブ新車情報】 [CORISM]

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【三菱】2011/07/06

コミューターとしての価値を上げる大幅価格ダウン

三菱アイ・ミーブ

 Mの最高出力は30kW[41PS]。Gの47kW[64PS]に劣るが最大トルク 180N・m[18.4kgf・m]と同じ

 三菱自動車は、i-MiEV(アイ・ミーブ)に、経済産業省の補助金制度が適用された場合、顧客の実質的な負担額が188万円という低価格を実現したエントリーグレード「M」と、一充電走行距離の拡大や、タイマー充電・プレ空調機能をもつ「MiEVリモートシステム」の設定など機能・装備を充実させた上級グレード「G」の 2 グレードを設定し、Mは7月25日(月)、Gは8 月中旬(予定)から発売する。

 三菱アイ・ミーブは当初、日産リーフと価格がほぼ同額だが、装備やパフォーマンスはリーフが圧倒ということもあり、完全に旗色が悪い状態だった。簡単に言ってしまえば、軽自動車ベースなのに高すぎたのだ。それでは、日産リーフと同じ土俵で勝負はできないということもあり、今回の188万円という低価格を実現したエントリーグレードのMが登場したのだ。

 このMは、リチウムイオン電池の容量を従来の16kwhから10.5kwhへと小さくし、装備も軽自動車のアイと同じものを使うなどしコストダウン。電池の容量が少なくなったことで航続距離は、JC08モードで180kmから120kmに減った。航続距離が減ったことは、マイナス要因に思えるが、188万円と手が届きやすい価格になったことのほうがメリットが大きい。

 そもそも、軽自動車の使われ方はシティコミューターとしての役割が強い。近距離移動がメインならば、120kmも走れば十分だからだ。これなら、少しお金に余裕のある軽自動車保有のユーザーからの乗換えだって促進できる。コミューターとして割り切れたのなら、リーフと同じ土俵で争わなくてもすむし、買う側も実際に自分が使うイメージを得やすい。今後さらにコストダウンが進み、価格が下がり軽自動車の上級グレード並みになれば、爆発的に売れる可能性もあると評価だ。

 

三菱アイ・ミーブ

 ヘッドライトもLEDではなくなった

三菱アイ・ミーブ

 リヤもLEDから通常のアイと同じものを使用。エンブレムのみで、ミーブと分かるくらい

三菱アイ・ミーブ

 余計な装飾もなく、シンプルにまとめられたインテリア


三菱アイ・ミーブ

 高級ではないが、安っぽくもない。毎日使うなら、これで十分

三菱アイ・ミーブ
三菱アイ・ミーブ

ブレーキペダル連動回生ブレーキで航続距離を2割増し

三菱アイ・ミーブ

 Gは今まで通り、LEDヘッドライトなど、明確にアイと差別化されている

 今回のマイナーチェンジで、価格以外にもっとも注目したいのはブレーキペダル連動回生ブレーキ。これは、ブレーキペダルを踏み込むと回生ブレーキが強くなる制御。今までのアイ・ミーブは、アクセルを戻すと若干の回生を行うものの、ブレーキをかけた場合、通常の油圧ブレーキのみのため、エネルギーを回生できていなかった。今回の制御で約2割航続距離が伸びたという。全グレードに搭載されている。残念ながら、リーフやプリウスなどに使われる高度な協調回生ブレーキまでのレベルには届いていない。

 また、安全装備も強化された。横滑り防止装置ASCが、全車標準装備。Gには、運転席/助手席シートヒーターを標準装備。エンジンという熱源のない電気自動車は、ヒーターを使うことが電力消費を多くするし、暖めるまでに時間がかかる。体に触れるシートヒーターで、まずは直接体を暖め、場合によっては、ヒーター使用しなくても運転できれば、電力消費も少なくてすむという狙いもある。さらに、これまでメーカーオプション設定だったナビゲーションを、Gに標準装
備した。ディーラーオプションとして、新たに EV 専用 HDD ナビゲーションを設定。EV 専用
機能として「充電スポット検索」「EV 専用エコ・ルート探索機能」「EV 専用エコステータ
ス機能」を搭載。

 便利な機能もさらに進化した。G専用メーカーオプションとして「MiEV リモートシステム」を新たに設定。普通充電ケーブルが接続された状態で、車両と離れた場所から、専用の「MiEV リモコン」により以下の機能を操作することができるようになった。

①タイマー充電
充電の時間(開始・終了タイミング)を簡単に設定することが可能。

②プレ空調
出発前に、普通充電ケーブルからの電源供給で冷房・暖房・デフロスターを作動させることで、車内の快適性を向上。

③駆動用バッテリー残量表示
「MiEV リモコン」に、現在のバッテリーの充電状態を表示。

 この装備は、10月以降からの生産車から装着可能になる。

 実際に購入するのなら、やはりMがお勧め。Gでは、ほぼリーフと同額。まだ、これでは勝負にならない。Mを買って毎日の足にするのが、やはりお勧め。電池容量が少ないから、80%の急速充電時間も30分かかるGに対して15分でOK。普通充電での満充電で4.5時間と短いので、自宅や仕事場でちょっとした時間で十分に充電できる。まさに、コミューター的使い方がピッタリだ。強いていうなら、コストダウンによりエンジン車のアイと区別ができない点くらいなものだ。ますます電気自動車が身近になるモデルの登場だ。

<三菱アイ・ミーブ価格>
M 2,600,000円
G 3,800,000円
*補助金適用前の価格

三菱アイ・ミーブ

 アルミホイールを履くG。Mはスチールホイール

三菱アイ・ミーブ

 高級感をさらに高めたGのインパネまわり。ナビも標準化された

三菱アイ・ミーブ

 ちょっとおしゃれなディテールを持つシート

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(レポート:大岡 智彦

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