アウディRS3セダン新車情報・購入ガイド 400ps! 0-100㎞/h加速、4.1秒! スーパーカー並みの加速力を誇るコンパクトセダン [CORISM]
■A3セダン初となるRSモデル
アウディA3セダンは、2014年に登場。5ドアHBであるA3スポーツバックをベースとしたセダン版だ。このA3は、ゴルフ7と基本骨格を共用するモデルだ。
現在、ゴルフシリーズのセダンモデルは導入されていないが、欧州などではゴルフのセダン版であるジェッタがある。日本にもゴルフのセダン版であるジェッタなどを導入していた時期があったが、厳しい販売状況が続いたことから現在では導入されていない。ブランドが異なるとはいえ、フォルクスワーゲンが撤退したマーケットに再びチャレンジするアウディのやる気は相当なものだ。
このチャレンジには、メルセデス・ベンツCLAというライバルの存在も大きく影響している。CLAがなかなか好調で、2016年度の販売台数は8,248台。アウディA3(ハッチバック含む)の販売台数は8,578台となった。CLAはセダンのみなので、アウディから見れば、もっと売れるはずと思うのは当然だ。
また、CLAにはハイパフォーマンスモデルであるAMGモデルも用意されている。高価なため販売台数は多くは無いが、CLAのイメージリーダー的役割を果たす。A3セダンには、今までこうしたモデルが無かった。
■クラストップレベルの加速力。0-100㎞/h加速は、なんと4.1秒!
搭載されるエンジンは、RS3スポーツバックと同じ2.5L直5ターボ。ただし、出力は異なりRS3セダンは294kW(400PS)&480Nmを誇る。RS3スポーツバックの出力は、270kW(367PS)&465Nmなので、なんと33ps&15Nmもパワーアップされている。ライバルとなるメルセデスAMG CLA 45 4MATICは381ps&475Nmなので、RS3セダンはパワー&トルクともCLA 45 4MATICを上回る。4,479mmという短い全長をもつセダンとしては、あり余る出力と言える。
これほどの大出力をFF(前輪駆動)で受け止めることは難しい。そのためRS3セダンには、クワトロシステム(4WD)が導入され、大パワーを効率よく路面に伝える。その結果、RS3セダンの0-100㎞/h加速は4.1秒に! RS3スポーツバックが4.3秒だったので、0.2秒も速くなった。この0-100㎞/h加速4.1秒という加速力は、ライバルのCLA 45 4MATICより0.1秒速く、クラストップレベルとなっている。いかにRS3セダンが、CLA 45 4MATICを意識しているかが良く分かる。
これほどの速さを誇る直5の2.5TFSIエンジンは、新設計されている。全長50cmに満たない非常にコンパクトな設計となり、従来型と比べて26kgも軽量化。これは、アルミ合金製のクランクケースを採用し、この部分だけで18kgの重量を削減している。さらに、クランクシャフトを中空タイプとすることで、重量を1kg削減した。
この2.5TFSIユニットが、これほどの大出力を誇るのは、吸排気系の設計にある。大型ターボチャージャーを装着し、最大1.35バールの過給圧を確保。インタークーラーの効率は、80%まで向上させ吸気の温度を下げ、空気の充填率を最適化した。
また、直列5気筒エンジンの独特なサウンドは、1-2-4-5-3の順番で、隣り合っているシリンダーと離れているシリンダーが交互に点火されていく仕組みから生まれる。エンジンの制御ユニットは、スロットル開度が大きくなると排気システムのフラップが開いて、サウンドのボリュームを高める。さらに、ドライバーはセンターコンソールにあるサウンドボタンを押すことで、この排気フラップの働きをコントロールすることもできる。
■アウディマグネティックライドより俊敏なフットワークとしたRS3セダン
ハイパワー化に伴い、ブレーキも強化。前輪のブレーキディスクは370mmとなり、8ピストンキャリパーとの組み合わされた。後輪用のブレーキには、310mm径のディスクを採用。強力な制動力を得ている。
また、19インチのアルミホイールと235/35タイヤが組み合わされている。
スポーツ走行に対応し、ESCの制御が変更されている。通常のモードに加えて、システムの介入を遅らせる「スポーツモード」が設定された。このモードを選択すると、ドリフト状況を維持できるようになる。さらに、ESCのボタンを3秒以上長押しすると、ESCは完全に機能を停止する。
アウディドライブセレクトで、dynamicのモードを選択すると、ステアリングの反応がより俊敏になる。オプションのアウディマグネティックライドを採用したモデルでは、サスペンションのダンピングも高めロール量を大幅に低減。より、敏捷性が高まる仕様となった。また、アウディマグネティックライドには、ブレーキング中のボディピッチを抑える働きも備わっている。
■セダン専用のデザインが施されたRS3セダン。より精悍さがアップした!
エアロパーツ類の外観デザインもRS3スポーツバックとは異なるデザインが採用されている。すぐに気が付くのがグリルで、RS3スポーツバックは外枠をメッキ処理されているのに対して、RS3セダンはブラックアウト化され、より精悍なイメージをアピール。フロントバンパーのデザインも異なる。
リヤビューでは、トランク上にやや控えめなリップスポイラーを装備。リヤウイング的なデザインではなく、控えめなデザインが大人のハイパフォーマンスモデルであることを主張する。小さいとはいえ、走行中のエアの隔離を改善し空気抵抗を低減。
リヤのバンパーは、RS3スポーツバックよりディフューザー感の強いデザインとなった。やや大き目のオーバルデザインの2本出しテールパイプが特徴的だ。
ボディカラーは、ミストブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、パンサーブラッククリスタルエフェクト、マコウブルークリスタルエフェクト、フロレットシルバーメタリック、ナルドグレー、カタルーニャレッドメタリックの合計8色の設定。ナルドグレーとカタルーニャレッドメタリックは、RS3セダンの専用色となる。
■先進予防安全装備も充実
RSスポーツレザーステアリングホイールは、ボトムの部分がフラットなデザインとしたDシェイプタイプを装着。インストルメントパネルとドアトリムに用いられたアルミニウムレースのデコラティブパネルがスポーティでエレガントなインテリアとした。
メーターには、RS専用のアウディ・バーチャル・コックピットを装備。日本仕様のRS3セダンには、アウディ・バーチャル・コックピットが標準装備された。このアウディ・バーチャル・コックピットは、RS専用に変更されており、高解像度を誇るその12.3インチモニターの基本画面を3つあるなかからRSモードにすると、中央に丸形タコメーターが大きく映し出される。その両側にタイヤ空気圧、トルク、Gフォースなどの情報が表示される。トランスミッションをマニュアルモードで操作している場合には、タコメーターにスクリーンにカラーの表示が現れる。エンジン回転数が許容限界に近付いている場合には、レッドになりドライバーに即座にシフトアップするよう促する。アウディ・バーチャル・コックピットは、演出だけでなく視認性も高く、安全面でも高い効果が期待できる。
安全装備も充実している。歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備「アウディプレセンスフロント」、「アダプティブクルーズコントロール」、「アウディサイドアシスト」、「アウディアクティブレーンアシスト」、「トラフィックジャムアシスト」、「リヤクロストラフィックアシスト」といった最新のシステム装備した。スポーツモデルだからと言って、先進予防安全装備を簡略化しなかったことは高く評価できる。
■やや高めの価格設定となったRS3セダン。今後の動向はメルセデス次第?
こうしたこともありアウディは、なかなか強気の価格設定でCLA45を上回る価格設定をしてきている。最近のアウディは、かなり強気でA4もCクラスに対してやや高めの価格設定をしている。従来は、その逆でメルセデス・ベンツなどの価格よりやや低めの価格設定をしていたほどだ。
強気なアウディに対して、メルセデス・ベンツの方が弱気になっている。CLA45の装備を簡素化し、お買い得感をアピールする限定車Racing Editionを投入。なんと、109万円引きとなる6,640,000円という価格を実現している。
これは面白いチャレンジ。高級車でも装備を簡素化し価格を下げれば売れるということが分かれば、メルセデス・ベンツは、次々とこうしたお買い得モデルを投入するかもしれない。ある意味、今後のRS3セダンの動向は、お買い得限定車の売れ行き次第ということになりそうだ。
■アウディRS3セダン価格、スペックなど
全長:4,479mm*
全幅:1,802mm*
全高:1,399mm*
ホイールベース:2,631mm*
車両重量:1,515㎏*
総排気量:2,480cc
エンジン種類:直列5気筒DOHC インタークーラー付ターボチャージャー
最高出力:294kW(400PS)/5,800-7,000rpm
最大トルク:480Nm/1,700-5,850rpm
駆動方式:クワトロ(フルタイム4WD)
トランスミッション:7速Sトロニック
タイヤ:235/35R19
車両本体予定価格(税込):7,850,000円
*:欧州仕様車測定値
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