BMW は、コンパクト モデルの2シリーズにオープンモデルの新型BMW2シリーズカブリオレ を追加し発売を開始した。この新型BMW2シリーズカブリオレは、1シリーズカブリオレの後継モデルとして導入された。

　BMWは着々とモデルを増やしラインアップを強化している。その一環として、シリーズが明確に分けられてきており、偶数シリーズはクーペモデルとして分類されている。今回登場した2シリーズカブリオレは、コンパクトクーペの2シリーズクーペをベースとしている。

　BMW2シリーズカブリオレの全長は4,440mm。この全長は、トヨタ の代表的セダン であるカローラ アクシオ の4,400mmより、少し大きい程度というコンパクト なサイズをもつ。クーペモデルということもあり、全幅は1,775mmと少々ワイドになっている。2シリーズカブリオレの魅力は、こうしたコンパクトなボディサイズながら、4人乗車を可能とした実用性の高いカブリオレモデルであるということだ。ラゲッジスペースも、クラス最大となる335Lを確保。この1台に爽快なオープンドライブを楽しめる他、普段の足としての実用性など、フレキシブルに対応できるモデルとなっている。

　BMW2シリーズカブリオレのデザインは、とくにサイドビューが美しい。ルーフを収納すると、ボディサイドのキャラクターラインがより際立っている。フロントフェンダーからリヤエンドまで、後方へいくにほど高くなり一直線に伸び、前傾姿勢を強調する姿は、すぐにでも走り出しそうなスピード感あふれるスタイルとなった。セグメント唯一の後輪駆動コンセプトや、約50：50の理想的な前後重量配分など、スタイルからも走りのパフォーマンスをアピールする。

　インテリアでは後席スペースが、2シリーズベースとなったことで、1シリーズ カブリオレに比べ11mm拡大。さらに、ボタン操作ひとつでフロント・シートが自動的に前方へスライドするコンフォート・エントリー機能により、容易に後席へ乗り降りが可能となった。また、ダコタ・レザー・シートには、シート表面の温度上昇を防ぐサン・リフレクティブ・テクノロジーを採用。レザーシートのオープンカーは、日差しが強いと暑いという不満を軽減し、快適なオープン・エア・ドライビングが堪能できるようになった。

　BMW2シリーズカブリオレは、電動のソフトトップを装備。走行中でも、50km/h以下であれば、ボタン操作ひとつで僅か20秒で開閉可能だ。ソフトトップは、遮音性という面ではハードトップに劣る面があるが、2シリーズカブリオレには、吸音性に優れたソフトトップの採用。1シリーズ カブリオレと比べると、室内騒音を半減したという。

　ソフトトップを閉じた状態でのトランク・ルーム容量は、1シリーズ カブリオレに比べ、30L拡大し335Lを実現。ソフトトップを開けた状態でも、20L拡大し280Lとした。トランクの開口部の幅も、35mm拡大。高さ246mm、幅450mmの大きな開口部を持つスルーローディング・システム（可倒式リヤ・シート）をオプションで設定可能とするなど、実用性も大幅に向上させている。

　2シリーズがベースとなったことで、走行性能も大幅に向上している。1シリーズ カブリオレに比べ拡大された前後トレッドにより、スポーティで俊敏なハンドリング性能を実現。インテリジェント・ライトウェイト・テクノロジーにより、ボディのねじり剛性は約20%向上した。興味深いのは重心位置で、ロング・ホイールベース化とワイド・トレッド化に加え、50cm以下の車両重心位置（電動ソフトトップを開けた状態）となっている。ハンドリング性能は、大幅に向上したと思われる。

　搭載されるパワーユニットは、2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンを搭載。最高出力135kW（184ps）/5,000rpm、および、最大トルク270Nm（27.5kgm）/1,250 -4,500rpmを発生する。

　このエンジンをベースに、ECO PROモードでは高速走行中にアクセルを離すと、トランスミッションとエンジンを自動的に切り離し、惰性走行を行うことより、燃費のさらなる向上させる「コースティング機能」を採用。空気抵抗の低減に貢献する「エア・カーテン」などを採用し低燃費化。燃費性能は15.8㎞/Lとなった。2シリーズクーペが16.7㎞/Lなので、若干燃費は悪化。これは主に、車重が約170㎏重くなっていることが要因だろう。

　それでも、基準が厳しくなった新エコカー減税の対象モデルとなっているのはさすがだ。BMW2シリーズカブリオレは、自動車取得税が40%減税、重量税が75%減税される。さらに、グリーン化税制により翌年度の自動車税が50%減税される。

　BMW2シリーズカブリオレのグレードはSport、 Luxury、M Sportの3つ。BMWは、短期の乗り換えの場合、リセールバリューを考えるとM Sportを選ぶのが無難。M Sportの方が、リセールバリューが高くなるからだ。エントリグレードのSportの価格は525万円で、M Sportが566万円なので、価格差は41万円。この価格差分は、レザーシートやMスポーツサスなど価格アップ分相当といえる。そうしたこともあり、満足度もM Sportの方が高いだろう。

■BMW2シリーズカブリオレ価格
・220iカブリオレ Sport　5,250,000円
・220iカブリオレ Luxury　5,440,000円
・220iカブリオレ M Sport　5,660,000円

代表グレード	BMW220iカブリオレ M Sport
ボディサイズ［mm］（全長×全幅×全高）	4,470×1,775×1,405mm
ホイールベース［mm］	2,690mm
トレッド前/後［mm］	1,515/1,530mm
車両重量［kg］	1,620[kg
総排気量［cc］	1,997cc
エンジン最高出力［ps(kw)/rpm］	135〔184〕/5,000rpm
エンジン最大トルク［N・m/rpm］	270〔27.5〕/1,250-4,500rpm
ミッション	8速AT
タイヤサイズ	F:225/45R17　R：245/40R17
燃費	JC08モード　15.8km/L
定員［人］	4人
税込価格［円］	5,660,000円
燃料	ハイオクガソリン
レポート	編集部
写真	BMW