ホンダが不振の軽自動車を一新させたNシリーズの第1弾が、2011年12月に登場したN BOX 。このN BOXは、スーパーハイト系と言われるセグメントに投入された。燃費こそナンバー1ではなかったものの、室内スペースの広さや使い勝手の良さが評価され売れに売れた。なんと、2013年度は約226,000台を売り、販売台数ナンバー1となった。

　ホンダN-ONEは、そんなN BOXのプラットフォームなどをベースとしたモデル。ホンダ軽自動車の原点と言えるN360をリスペクトし、M・M（マン・マキシマム／メカ・ミニマム）という設計思想を元に開発されたモデルだ。

　全長3,395×全幅×1,475×全高1,610mmというやや高めの全高をもっているのがポイントで、アルトエコ やミラ・イース といった価格重視モデルとは一線を画しているのが特徴。やや高めの全高にして、ハイト系ワゴンと同等の存在感を与えている。

　また、普通車からのダウンサイザーの受け皿となることも目的とされていることから、プレミアムな軽という独自のポジションで勝負している。そのため、横滑り防止装置（VSA）は標準装備。さらに、静粛性や乗り心地も高め、クラスが上のクルマから乗り換えても安っぽさがないように仕上げられている。とくに、お勧めはターボ車。余裕のある高速クルージングが楽しめる。

　そんなホンダN-ONEがマイナーチェンジ。今回のマイナーチェンジでは、エンジンが大きく変わっている。軽自動車の進化は激しく、低燃費をウリにしたN-ONEもあっという間に今では物足りない燃費数値となってしまった。そこで、ホンダは2013年11月に投入されたばかりで、軽自動車マーケットのど真ん中、スズキ ワゴンR などをライバルとするホンダNワゴン（N-WGN）に搭載された新エンジンを早くも搭載した。

　このエンジンは、ホンダの軽乗用車として初めてのツインインジェクションシステムが採用。さらに、11.8という高圧縮比化に伴うノッキング対策のため、ホンダ初となるナトリウム封入バルブも採用された。また、新EGRシステムも投入された結果、最高出力43kW[58PS]、最大トルク65N・m[6.6kgf・m]となった。また、ターボ車も47KW［64PS］＆104N・m［10.6kgf・m］と走行性能と低燃費を両立している。その結果、自然吸気エンジンの燃費は28.4km／L、ターボ車も25.4㎞/Lとなった。

　安全面も大きく進化した。追突被害軽減自動ブレーキであるシティブレーキアクティブシステムが装備できるようになったことに加え、サイドカーテンエアバッグシステム、前席用i-サイドエアバッグシステム（容量変化タイプ）をセットにした「あんしんパッケージ」を標準装備（Gはオプション設定）としている。

　また、プレミアムな軽自動車ということもあり、装備類も向上。プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナーを標準装備。IRカット（遮熱）／UVカット機能付フロントウインドウガラス、IRカット（遮熱）／スーパーUVカットフロントドアガラスを標準装備（Gを除く）した。プレミアムな軽自動車といえる豪華な仕様になっている。

　こういった走行性能や安全装備などのアップが施されたホンダN-ONEだが、価格アップが微小なのは好感がもてる。N-ONEの選び方は、G・Aパッケージ以上のグレードを選びたい。追突被害軽減自動ブレーキが装備されていることはもちろん、HIDヘッドライト、IRカットガラスなど、かなり装備差がある。Gグレードは、どちらかというと価格訴求用の廉価グレード的な設定なので、G・Aパッケージ以上を選ぶ方がプレミアムな軽自動車を十分に堪能できる。それ以上のグレードは、望む装備があるか無いかで選べばよいだろう。また、ルーフの色を変えた2トーンカラースタイルも個性的なので、こちらもお勧めだ。