ホンダN-ONE VS ダイハツ ムーヴ カスタム「おすすめの軽自動車とは?」 【軽自動車比較評価/新車バイヤーズガイド】 [CORISM]
デザイン
ホンダN-ONE | ダイハツ ムーヴ ムーヴ カスタム |
際立つ個性的なデザイン | マイナーチェンジゆえ、目新しさはない |
ホンダN-ONEの外観デザインはかなり印象的だ。ホンダがかつて大ヒットさせたN360という軽自動車を今に蘇らせたようなデザインで、団塊世代のユーザーには懐かしく、若いユーザーには新鮮に映る“タイムレスデザイン”としている。
現在販売されている軽自動車の中で、際立って特徴的なデザインのクルマであるのは間違いない。ボディとルーフ/ドアミラーの色を塗り分ける2トーンカラースタイルは、ミニの亜流といった印象もあるが、ほかの軽自動車にはない特徴である。 インテリア回りのデザインや質感も、並の軽自動車を超えた印象だ。特にプレミアム系のモデルの質感の高さは、軽自動車の安っぽさを完全に払拭している。 年配のユーザーの中には、「もはや大きなクルマは必要ないが、軽自動車など小さなクルマを選ぶと安っぽくて嫌だ」という人は案外多い。そんなユーザーに対応できる仕上がりだ。 |
ダイハツ ムーヴは、マイナーチェンジでデザインを変更してきたが、際立って特徴的というほどではない。デザインの変更は燃費につながる空力特性の向上など、機能を重視してのものとされており、標準系とカスタム系の間に明確な違いを設ける伝統的な手法を採用している。
インパネ回りのデザインは、センターメーターから一般的な運転席前配置に変更したことで、特徴が薄れてしまったような印象がある。ムーヴのインパネデザインでは、ひと世代前のモデルが大胆な形状で注目されたので、最新のデザインはあまりにも普通に見える。 |
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空間設定
ホンダN-ONE | ダイハツ ムーヴ ムーヴ カスタム |
圧倒的な使いやすさ | スペースより燃費重視? |
軽自動車はボディサイズに制約があって全長と全幅についてはどのクルマでも同じ。その中で室内空間の広さや使い勝手て競い合っているが、この点で優位に立つのはN-ONEだ。
ホンダ独自のセンタータンクレイアウトと、軽自動車の中でも長い2520mmのホイールベースによって、相当に広い後席空間を作っている。しかもセンタータンクレイアウトの良さを生かして、後席の背もたれを倒してフラットなラゲッジスペースを作ったり、座面をチップアップして背の高い荷物を積みやすくするなどの特徴を持つ。この使い勝手の良さは圧倒的だ。 |
ムーヴは、かつてはホイールベースの長さを追求してきたが、現行モデルからやや方針を変えてホイールベースを短縮した。エンジンルームに余裕を持たせることで、エンジンルーム内を流れる空気と温度をコントロールし、それによって燃費を向上させる方向に進んでいる。
またバックドアの横開きもムーヴの特徴で、買い物袋など、小さな荷物を出し入れしたり、あるいは狭い場所で荷物を出し入れするときに便利な開き方だ。これによってN-ONEの使い勝手との差を縮めている。 |
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走行性能
ホンダN-ONE | ダイハツ ムーヴ ムーヴ カスタム |
ターボ車が最もN-ONEらしさを表現 | 総合的なバランスの高い自然吸気エンジン車 |
ホンダN-ONEは、ターボ車をメインに開発が進められたという。660ccエンジンにターボを装着すれば、1300cc車並みの走りが得られる。なのでコンパクトカーのフィットを上回るような走りを目指した。
動力性能の数値は、軽自動車の自主規制があってターボ車のパワーは47kWに決められている。ただトルクについては規制がなく、N-ONEが104N・mを発生するのに対し、ムーヴは92N・mにとどまっている。 パワー&トルクを発生する回転数を見ても、N-ONEのほうが低い回転数で最高出力や最大トルクを発生しているし、自然吸気エンジンの動力性能でもN-ONEが高い数値を得ているので、動力性能の面でN-ONEがやや優位に立つといえる。 CVTの変速フィールも含めた総合的な走りになると、N-ONEのターボ車が明確に優位に立つというほどではない。総合性能に関してはほぼ互角といった印象である。 |
操縦安定性に関しても、ターボ車同士で比較するとほとんど互角の印象。ともに軽自動車の水準を超える安定した走りの性能を持つ。
ただ、自然吸気エンジンの搭載車になると、ムーヴは全車にフロントスタビライザーを装着するのに対し、N-ONEは自然吸気エンジンを搭載する標準仕様のモデルに装着されない。この点を含めて総合的に見るとムーヴのほうがやや優位に立つ。 静粛性に関しては、N-ONEが特に力を入れたポイントとしていて、プレミアムのターボ車は特に静かな走りを実現する。 ムーヴも静粛性の確保という点では負けてはおらず、特にN-ONEが自然吸気エンジンの搭載車の騒音レベルが高いのに対し、ムーヴは標準車も軽自動車の水準を超える静粛性を備えている。 |
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安全装備
ホンダN-ONE | ダイハツ ムーヴ ムーヴ カスタム |
横滑り防止装置(VSA)を全車標準装備し安全装備に積極的なN-ONE | スマートアシスト付きはN-ONEを上回る安全装備 |
ホンダは、2011年12月に発売したNシリーズの最初のモデルであるN BOXから、横滑り防止装置のVSAを全車に標準装備している。当然ながらN-ONEでも全車に標準装備されており、基本的に安全装備の採用に関しては積極的だ。
今回のN-ONEでは、Lパッケージにサイドカーテンエアバッグを標準装備していたのが注目される。ボディの全幅に制約のある軽自動車では、側面衝突への対応が厳しいが、それをサイドカーテンエアバッグの装着によってカバーしようとしている。 |
ムーヴは、グレードによって設定ながら、横滑り防止装置のVSCと追突軽減ブレーキをセットにしたスマートアシストの装着グレードを設定している。それもわずか5万円という低価格で設定してきたから驚きだ。従来は横滑り防止装置だけで6万3000円というのが相場だったから、ダイハツのスマートアシストが極めてリーズナブルな設定であるのが分かる。
ダイハツの追突軽減ブレーキは時速20kmまでなら停止し、30kmまでなら減速して被害を軽減する仕組み。ほかのメーカーの追突軽減ブレーキが時速30kmまで停止するようなシステムにしているのに比べるとやや物足りなさがあるが、それても5万円という価格なら多くのユーザーが装着することになるだろう。 N-ONEも相当に頑張っているが、追突軽減ブレーキを採用した点で安全装備ではムーヴが優位に立つ。 |
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価格、スペックなど
ホンダN-ONE | ダイハツ ムーヴ ムーヴ カスタム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
<ホンダN-ONE価格> ■N-ONE G FF 1,150,000円 4WD 1,270,000円 G 2トーンカラースタイル 1,207,750円 4WD 1,327,750円 G・Lパッケージ FF 1,240,000円 4WD 1,360,000円 G・Lパッケージ 2トーンカラースタイル FF 1,297,750円 4WD 1,417,750円 Tourer FF 1,230,000円 4WD 1,350,000円 Tourer 2トーンカラースタイル FF 1,287,750円 4WD 1,407,750円 Tourer・Lパッケージ FF 1,370,000円 4WD 1,490,000円 Tourer・Lパッケージ 2トーンカラースタイル FF 1,427,750円 4WD 1,547,750円 ■N-ONE Premium |
<ダイハツ ムーブ/ムーブ カスタム価格> ・L 2WD 1,070,000円 4WD 1,191,000円 ・L“SA”2WD 1,130,000円 4WD 1,251,000円 ・X 2WD 1,200,000円 4WD 1,321,000円 ・X“SA” 2WD 1,250,000円 4WD 1,371,000円 ・カスタム X 2WD 1,300,000円 4WD 1,421,000円 ・カスタムX“SA” 2WD 1,350,000円 4WD 1,471,000円 ・カスタム X Limited2WD 1,420,000円 4WD 1,541,000円 ・カスタム X Limited SA 2WD 1,470,000円 4WD 1,591,000円 ・カスタム RS 2WD 1,430,000円 4WD 1,551,000円 |
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軽自動車の本流であるダイハツ ムーヴか? それとも、新しいプレミアムな軽自動車ホンダN-ONEか?
これに対して、ムーヴは今回のマイナーチェンジで価格を引き下げてきた。部品の調達法などいろいろな工夫を重ねることで、軽自動車本来の魅力である価格の安さを徹底追求したわけで、価格の魅力では上回っている。
装備や仕様の良さを追求するのか、あるいは安さを追求するのかは、個々のユーザーの考え方次第である。ムーヴも低価格だからといって快適装備などが大きく劣るわけではなく、軽自動車としてはそれなりに充実した装備を持つ。
N-ONEのプレミアムが完全に軽自動車の水準を超えたクルマ作りをしているため、仕様の違いが大きくなっている。
<おすすめ軽自動車の結論>
■スマートアシスト装着が前提で、低燃費・低価格・高い安全性能というトータルバランスに優れた軽自動車を望むなら、ダイハツ ムーヴがおすすめ
■プレミアムのターボ車が前提で、軽自動車の水準を超えたコンパクトカー以上の走りとクオリティを望むならホンダN-ONEがおすすめ
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